基礎学校の教師か。
パメラは良いとして、ざっと見たところ、ワンダは子供好きそうな感じがする。
エリザベスは依頼すればやってくれると思うけど、これ以上負荷を大きくするのはマズい。
幼女の人数が多いだけあって、それなりの人数が欲しいから……
「冒険者ギルドで募集してみるというはどうだろう?」
「うーん。ですが、冒険者と教師は対極……とまでは言いませんが、仕事内容も生活も違い過ぎますし、難しいのではないでしょうか」
「おーい。ヘンリーもエリザベスさんも、どうして私を無視するんだ? 幼女教育なら、この私に任せろとあれ程……」
父さんを放置して、エリザベスと暫し意見を出し合う。
幸い、エリザベスのおかげで、エルフの村から安く仕入れ、王都に色を付けて買い取って貰っているため、村の資金には余裕がある。
なので、外部から子供好きの教師を連れて来るのが良いと思う。……女児ばかりなので、出来れば女性で。
「あ……そうだ! 魔法学校の生徒に泊まり込みで対応してもらうっていうのは、どうだろう。パメラが居るから、こっちに居ても単位が取れる事にしてもらって」
「うーん。魔法学校側と取り決めを交わす事と、協力してくれる生徒が居れば、まだアリかもしれませんが……」
とりあえずパメラに俺の案を伝えてみると、
「学長が良いって言うなら、こっちで魔法学校の授業を教えるのは構わないわよ。一応、先生の本職は魔法学校の教師だしね」
一先ず承諾してくれた。
……時々忘れそうになるけど、パメラって魔法学校の教師なんだよな。
そんな事を思いながら、先ずは学長の承諾を得る為、ユーリヤと一緒に魔法学校へ来て、
「……許可出来るとしても、三年生で、かつ本人と親御さんが承諾した場合のみかの。長期休暇時の手伝い程度であれば、好きにしてくれれば良いのじゃが」
一先ず許可は得られた。
しかし、当然と言えば当然だけど、親の許可は要るよな。
とりあえず話だけでもしてみようと、基礎魔法コースの教室へ行くと、
「あー、ハー君っ! 久しぶりーっ!」
休憩時間だった事もあり、エリーが抱きついて来た。
うん。この控えめなエリーのおっぱいに触れると、原点に戻ってきたって感じがするよね。
「ハー君? ジッとエリーの胸を見つめて、どうしたのー?」
「いやー、何だかほっこりするなーって思って」
「……ん? どうしてー?」
不思議そうに小首を傾げるエリーの頭を撫でると、
「えへへー。なでなでしてもらったー」
胸の話が無事に誤魔化せた。
「にーに。ユーリヤもー」
「はいはい。ユーリヤも撫で撫で」
「わーい」
エリーから派生して、ユーリヤの頭も撫で……そろそろ本題に移ろう。
「皆、久しぶり! 今日はあるお願いがあって、やって来たんだが、この中で子供が好きな人は居るだろうか」
教壇に立ち、大きな声で呼び掛けると、
「子供……って、まさかヘンリー君と子供を作るって事!?」
「そ、そんなのダメだよっ! 不純異性交遊だよっ! ……ふ、不純じゃないと言ってくれるのなら、か、考えても良いけど……」
「待って。エリーちゃんはどうなるの!? そ、そういう事に興味はあるけどさ……」
予想していたのと全く違う反応が駆け巡る。
あれ? 何かがおかしいんだが。
『そうですか? ある意味で日頃の行いの賜物だと思いますけど』
(いや、子供が好きか? って聞いて、子供を作ってくれ……って、なるか!?)
『呼びかけたのがヘンリーさんだからですよ』
(断定されたっ!?)
とりあえず収集がつかなくなる前に、軌道修正する。
「すまん。訂正するが、子供の面倒を見るのが好きな子は居るか? 今、子供の面倒を見る人手が欲しんだ」
「え……子供の面倒って、もしかしてユーリヤちゃんのお世話が出来るのっ!?」
「うーん。場合によってはユーリヤも含まれるかもしれん。まぁでも、ユーリヤはもちろんだが、みんな可愛いぞ」
「ユーリヤちゃん以外の可愛い子供!? 待って。ヘンリー君は、既に子供が居るの!?」
「そうだな。今、俺の所に女の子が何人か居るな」
「えぇぇぇっ!? ど、どういう事なのっ!? え、エリーちゃんはっ!? ……もしかして、実はエリーちゃんが既にっ!? それとも……まさか隠し子っ!?」
何故だ!? 軌道修正したはずなのに、何故かクラス中が騒ぎ始めてしまった。
どうして落ち着かせようとしたのに、逆にざわつくんだ!?
俺では埒が明かないので、エリーにフォローしてもらおうと思ったら、
「ハー君はー、エリーとの子供以外に子供が居るのー?」
エリーが困惑した様子で俺を見つめてくる……って、エリーとの子供も居ないっての!
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