結論から言おう。
ニーナは凄かった。
初めてだというのに、正面から俺に抱きつき、Gランクの胸をこれでもかと押し付けてくる。
そんなニーナを両手で抱きかかえ、立ったまま……まぁ要は俺もニーナも我を忘れて、求め合ってしまった訳で。
その結果、互いに三回くらい達した後、
「……で、ヘンリーはここに何しに来たの? 王女という立場で、そういう事をしたくても自由に出来ない私に嫌がらせなのかしら?」
小部屋に入って来たフロウに思いっきり見られ、ニーナと共に正座させられていた。
「やっぱりヘンリーは大きな胸の女の子が好きなのよね。以前も司書係のシャロンとエッチな事をしていたわよね?」
「いえ、シャロンは軽い運動をしていただけですよ」
「へぇ。じゃあ、さっきしていたのも軽い運動? 何だか汗とは違う凄い匂いがするけど」
「すみませんでした」
「まぁいいわ。で、ヘンリーは何をしに来たの? まさか、さっきの様子を見せつけに来ただけではないんでしょう? もし、それだけだったら極刑ものだけど」
自業自得なのだが、フロウが怖い。
背後に何やら黒いオーラが見えているような気もするし。
「えっと、報告が二つあります。一つは、以前にお話しさせていただいた聖剣の話で、現在ドワーフの国で、聖銀を使って剣を打ってもらっています」
「わかったわ。一先ず、その聖剣はヘンリーが持っていて良いでしょう。聖銀を採って来たのも、ドワーフを探しだしたのもヘンリーだしね」
「ありがとうございます。それと、もう一つの報告が……先程、とんでもない所をお見せしてしまい大変申し訳なかったのですが、実はこのニーナと結婚しました」
「………………は?」
「ですから、ニーナと結婚しました。あと、今日は連れてきておりませんが、他の者とも」
「はぁ? ど、どういう事なのっ!?」
「実は、ドワーフの国が一夫多妻制で、聖剣を打ってもらうにあたって、ドワーフの娘と結婚させられる事になり、そこで色々とありまして」
厳密には、聖剣を打って貰う為にラウラと結婚した訳ではないのだが、ややこしくなるので割愛しておいた。
いずれにせよ、ラウラが俺の妻である事に変わりはないし、今となってはちゃんと愛している訳だし。
「…………わかりました。要は結婚報告ですね。今日はもういいです。出ていきなさい」
「フローレンス様……?」
「いいから、出て行って!」
これまでにないくらいに、フロウが怒り、部屋を追い出された。
まぁお城の一室で、部下二人が夫婦の営みをしていたら、そりゃあ怒るよな。
「ヘンリーさん、ごめんなさい。ボクがワガママを言ったばっかりに」
「いや、違うぞ。あれは、俺も悪かった。ニーナとのイチャイチャが良過ぎて、つい我を忘れてしまったし」
「えへへ……す、凄かったです。クレアさん……は元からヘンリーさんに好意を抱いていたけど、他の奥さんたちが、あんなにヘンリーさんの事を求める理由がよく分かりましたよー」
「ふふっ……じゃあ、今夜はニーナも一緒にするか?」
「はいっ! これから、ボクも毎晩愛してくださいっ!」
王宮の廊下を歩きながら、ニーナとイチャイチャしていると、
『ヘンリーさん。反省って言葉を知っていますか?』
突然アオイから怒られてしまった。
(いや、もちろん知っているが?)
『私には少しも反省していないように思えますが……それはさておき、気付かれましたか?』
(ん? 何にだ?)
『何って……ヘンリーさん。結婚してから、かなり腑抜けになりましたよね。大丈夫ですか?』
(ふ、腑抜けは言い過ぎじゃないか? ただ、さっきのは流石にマズかったと思っているが)
『……まぁ良いです。それより、さっきの王女様の黒いオーラ……あれ、かなりヤバいですよ』
(あー、凄く怒っていたよな。あんなフローレンス様は初めて見たよ)
『あの黒いオーラがマズいんです。おそらく、魔族の――いえ、もしかしたら、それ以上の力を秘めているかも』
(おいおい。何を言い出すんだよ。まさかフローレンス様が魔族だとでも言うのか?)
『……その可能性も否定出来ないかと』
な、なんだと!?
フローレンス様の目の前でやらかしてしまった後、アオイからとんでもない話が出て来た。
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