英霊召喚 ~ハズレと呼ばれた召喚魔法で、過去の大賢者を召喚して史上最強~

向原 行人
向原 行人

第297話 海の中の呼吸法

公開日時: 2021年5月19日(水) 08:08
文字数:1,716

「父さん。頼みがある」

「おっ! 基礎学校の教師の話か!? 何をおいても最優先でやるぞ!?」

「違うってば。その依頼は絶対にしないから」

「そうか。ならば話す事はない」


 うわ……父さんが、いい歳のくせに拗ねた。

 そもそも、幼少期の一番大事な時期に、父さんみたいな変態と接するのは良くないと思うんだよな。


「父さん。話だけでも聞いてくれないか?」

「断る。ただし、父さんを一番年下の教室担当の教師にしてくれたら、聞いてやろう」


 め、面倒臭ぇっ!

 仕方がない……諸刃の剣だが、背に腹は変えられないか。


「良いのか? 父さんにも決して悪くない話なのに」

「はっ! そんな挑発には乗らんよ。父さんの要求はただ一つ。可愛い幼女たちから、せんせー! とりすたんせんせー! ……と呼ばれ、幼女たちが自ら抱きついてくるようになる事だ」

「いや、それは教師になったとしても無理だろ。オッサン教師に抱きつく女の子なんて居ると思うか?」

「ふっ。幼女からモテモテのお前には分かるまい。今も可愛いユーリヤちゃんに抱きつかれ、幼女ちゃんたちと一緒にお風呂へ入り、夜は同じベッドで寝ているんだろう……うぉぉぉっ! 羨ましいぞぉぉぉっ!」


 いや、そんな事で泣くなよ。

 どれだけ羨ましがってるんだよ。

 ……待てよ。これは使える……か?


「父さんが羨ましいと言った、風呂……ではないが、幼女たちと一緒にプールみたいな所へ入れると言ったら?」

「むっ!? ……分かった。話を聞こうではないか」

「俺たちはこれから、人魚に会う為、海の中の人魚の村へ行こうとしている。そこには、水の中で暮らす半裸の人魚が沢山居るだろう。水の中で暮らしている訳だから、衣服を身に付けているハズもなく、そこら中におっぱいが露出されていて、重力と浮力の狭間で揺らぐぷるんぷるんのおっぱいが右へ左へ……おっぱい祭が開催されるんだっ!」

「後半、何を言っているか分からないが、つまりヘンリーが言いたい事は、全裸幼女が沢山居ると言う事か!?」

「そう、その通り。人魚の生息地だから、当然そこには人魚の幼女が居るはずだ」


 俺の言葉で父さんが何やら悩みだす。

 おっぱいカーニバルが開催されるというのに、一体何を迷う事があるというんだ!?


「……全裸か。全裸よりも、スク水や制服の方が萌えるんだが……」


 スク水? 全裸や制服と比較しているから、何か見た目の状態を示す言葉なのか?


「分かった。ならば、父さんが協力してくれたら、基礎学校の制服のデザインする権利を与えよう」

「そういう事なら、このトリスタン……是非にでも協力しようではないかっ!」

「ただ、採用するかどうかは別だからな?」

「ふっ……ヘンリー、父を見くびらぬ事だ。幼女の可愛らしさを引き出しつつ、機能性に優れたハイセンスな制服を仕上げて見せよう!」


 いや、依頼したいのは制服作りではないんだが。


「こほん。本題に入るけど、俺たちはさっき言った人魚の村へ行こうとしているんだ」

「つまり、水中で使える映像記録装置が欲しいという方だな? 任せろ! 前から幼女たちの元気で可愛らしい様子を映像として残せないかと、開発中の物がある。これを水中対応可能に改造して……」

「おい。幼女たちの姿を映像で残すってなんだ!?」

「ふっ……悲しい事に、いつか幼女たちも少女になり、女性になってしまう。だから、今しかないこの瞬間を後で見られるようにする為のマジックアイテムを作っている所なのだ!」


 ……言っている事は凄い内容な気がするのに、悪い予感しかしないのは何故だろうか。


「まぁそれはそれとして、その前に人魚が居るのが海の中なんだよ。だから、水中で呼吸出来るようにして欲しいんだ」

「何だ、そんな事か。それなら前に試作した事があるから、助手が居ればすぐに出来るだろう」

「助手って言うと、クレアの事か?」

「……いや、彼女は優秀なんだが、年齢と胸がな。出来れば、ルミちゃんに……」

「却下! クレアには俺から頼んでおくから、開発を頼む」

「待ってくれ! せめて、せめてBランクより小さな、ちっぱいで! それと、出来れば十二歳以下の女の子に……おい、ヘンリー! どのへ行くんだヘンリーっ!」


 寝言を言う父さんを無視して、クレアにマジックアイテムの開発を依頼しに行く事にした。

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