夏休みに入り、宿題を順調にこなしていく竜一と竜也。
両者とも学業こそ目立った成績は残せていないが、夏休みの宿題をため込むとえらいことになるのを経験的に知っているため、市立の図書館にある座席スペースでせっせとこなしていた。
「なぁ竜也。最近聞いたんだが、令和の時代はラグビーが流行ってるって聞いてるけどどこまでが本当なんだ?」
学校が夏休みになる前のクラスメートとの会話で、どうやら令和の時代にはラグビーとサッカーが流行ってるらしく2年前には学校にラグビー部が新設されたとは聞いていた。それを竜也に問う。
「ああそれか。昔、ラグビー日本代表チームが強豪相手を破ってとんでもない番狂わせをやってのけて一気に注目が集まったんだ。
例えていうなら、アマチュアがプロを破ったくらいの凄さだったよ」
「へぇ! そんなスゲェ事をやってのけたのか! スゲェな! まるでマンガみたいな展開だな!」
「今年はラグビーのW杯があるから盛り上がると思うよ。TVで全試合生中継もされるそうだよ」
竜也から教わった事は、ラグビーがプロ野球の日本シリーズ並みに盛り上がっている事だった。何でも相当な番狂わせをやってのけて一気に注目されたそうだ。
竜一は、まさかラグビーが日本中を熱狂させたとは思ってもいなかった……意外な伏兵である。
「うへぇー凄い盛り上がりだなぁ、プロ野球の日本シリーズみたいだな。あとなんだ、それと「サッカー」も流行ってるんだって?
サッカーってアレだろ? 確か昔「キャプテン大空」っていうサッカーマンガがあったけど、あのサッカー?」
「そうだよ。そのサッカーだよ。最近ではサッカーのW杯でもいい線行くくらいには強くなってるよ。
それに伯父さんが亡くなったばかりの1993年の5月に国内もJリーグっていうサッカーのプロリーグが出来たそうだからレベルも随分上がってると思うよ」
「へぇ! サッカーのプロリーグが出来たのか! スゲェな! って事はプロサッカー選手も当然のようにいるわけなのか!?」
「もちろん。特に成績が良ければ海外のクラブで活躍することもできるそうだよ。
それに埼玉にはJリーグのクラブが2つあってその2チームが対戦する際には「埼玉ダービー」なんて言われていて有名だそうだよ。
俺はスポーツにはあんまり興味ないからそれほど詳しくはないけどね」
竜一は「日本人がサッカーで食えるようになった」という事実に、素直に「スゲェ事だ」と感じていた。竜也のスポーツに関わる話はまだ続く。
「あとバスケットボールも「Bリーグ」っていうプロリーグが出来て、埼玉にも一応はプロリーグに所属するチームがいるそうだよ。これはまだまだ弱いけどね」
「へぇ! スゲェな! サッカーにラグビーにバスケと来たか! 令和の時代はずいぶんとスポーツが盛んじゃないか。
俺が生きてた頃はプロ野球選手ぐらいしか目立ったスポーツ選手なんていなかったんだけど、随分プロスポーツ選手が増えたじゃないか」
竜一が生きていた90年代ではプロスポーツ選手と言えば野球選手ぐらいしかおらず、運動のできる子は自動的に野球部に入るのが当たり前だった。
そこから比べれば令和の時代はずいぶんとプロの幅が広いと感じられた。
「それだけスポーツにお金をかけられる土壌が出来たって事なんじゃないの?」
「SFにもいろんな新しいスポーツが出てきたけど、令和のスポーツも捨てたもんじゃないな。あとは前に教えてくれた「HADOU」だっけ?
これが流行ればSFに出てくるスポーツが現実になったみたいで、相当面白いことになるんだけどなー」
令和はずいぶんとスポーツが盛んらしい。そのうち「HADOU」みたいなSFに出てきそうなスポーツも流行ってくれればいいな。
竜一はそう思いながら宿題をこなしていた。
【次回予告】
遺伝子組み換え作物。今では当たり前のように普及しているものだが、
30年前から来た竜一にとっては、まさにSFのような出来事だった。
第43話 「遺伝子組み換え作物はSF」
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