デゼルが学校には行かないって言った時、正直、ほっとしたんだ。
それなのに、デゼルが急に、僕と同じクラスになるなんて言い出して。
学校を勧めはしたけど、貴族向けの学校に、一年生として入学することを勧めたつもりだった。
こんなことになるなんて、思いもよらなかったんだ。
ごめんね、デゼル。
本当にごめん。
ずっと、言えなくて。
学校で、僕がどういう立場にあるのか、みんなにどう思われてるのか、デゼルにだけは、知られたくなかったんだ。
ごめんね、こんな、情けないありさまで。
ガッカリしたよね。
知られたら、デゼルも僕から離れて行くと思った。
デゼルだけは、失いたくなかった。
どうして、言わなかったんだろう。
デゼルを傷つけるくらいなら、僕が傷つけばよかったのに。
それなのに、どうして――
デゼルはどうして、こんなになるのに、闘ったの?
どうして、デゼルはひとつも悪くないのに、ぜんぶ、デゼルが悪いことにしたの?
こんなことのために、デゼルの傍にいたんじゃないのに。
僕がどんな目に遭っても、デゼルがガッカリせずに、昨日までと同じように傍にいてくれたら、昨日までと同じように僕を呼んで、笑いかけてくれたら、僕なら、それだけで、どんなことにも耐えられたのに。
デゼルの高熱が引かないんだ。
息も絶え絶えで、それなのに、たまに意識が戻ると、僕を見てほっとした顔で笑うんだ。
闇の神様、どうか、デゼルをお守り下さい。どうか――
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