空に贈った100の物語 <詩集>

人生に迷う全ての人に
uta
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白道の君

公開日時: 2021年11月1日(月) 12:42
文字数:279

月の軌道で待ち伏せる

コロコロ転がってさぁおいで

黄色い顔してさぁおいで

僕の手の中に飛び込んで


たいくつだろう?

転がってばっかりじゃ


たまには飛んだり跳ねたり

立ち止まったりしてみたくはないかい?


月は答える


「たいくつなんてしないのさ

 私は月だよ

 あの有名な月だよ

 いくつもの朝と昼と夜を見送った

 いくつもの生き物達の一生を見送った

 あの月だよ

 いくつものドラマを毎日ライブで見てるんだ

 たいくつなんてするもんか」


僕の目の前通過する

丸い君は澄まし顔


「さよなら君もお帰りよ」


横目にコロコロ

君は小さく消えて行く


諦めないよ絶対に

この手に君を掴むまで

月の軌道で待ってるよ

明日も明後日もその次も

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