【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

想像した事を実現できる創生魔法。現代知識を使い生産チートを目指します。
ジェルミ
ジェルミ

第101話 お好み焼き

公開日時: 2022年10月27日(木) 15:10
文字数:1,943

 俺達は住居兼作業場の話で、時間が少し遅くなった。

 遅い朝食を食べに6人で『なごみ亭』に向った。


 忙しい時間帯を過ぎたせいなのか、比較的店の中は空いていた。

 

「おはようございます!サリーさん。6人前お願いします」

「まあ、今日は大勢なのね」

「えぇ、アルバンさん一家も一緒です」

 昨日挨拶に来た時にサリーさんもいたから、アルバンさんの顔は知ってる。


「エリアスお兄ちゃんの嫁のアディです。お兄ちゃんがいつもお世話になってます」

「まあ、かわいいお嫁さんね」

 サリーさんが微笑む。


「なに!エリアスお兄ちゃん。これはどうゆうことよ?!」

『なごみ亭』の看板娘10歳のアンナちゃんがむくれている。


「私はまだ子供だから、オルガお姉ちゃん達のことは仕方ないと目をつむったわ」

 なにを言ってます?


「この女は何よ!私と同じくらいじゃないの?」

「エリアスお兄ちゃん、この女だあれ?」

 アディちゃんが聞いてくる。


「この『なごみ亭』の看板娘、アンナちゃんだよ」

嫁のアディです。初めましてアンナちゃん

「なにが、アンナちゃんよ!!あんた何歳よ?!」

「9歳よ」

「な、なんですって!!私は10歳よ!!私より年下に手を出すなんて、エリアスお兄ちゃんの節操なし!!」

「それがなにか?昨日から私達は同じ屋敷に住んでいるわ」

「な、なんですって!!」

 いや、だって奴隷だし。

 でも今日から建物が違うから。


「うふふふふ。プラトニックだけでは、男女は駄目なのよ」

 な、何かしましたか俺?


「パコ~~~~ン!!」


 アリッサさんのハリセンがアディちゃんを叩く。

「痛い?」

 アディちゃんが痛くないのに、思わず両手を頭に載せていた。

「ほう、これが『オチ』を付けるということですか?分かりました」

 アルバンさんが感心している。


「おい、なにを騒いでいるんだ?」

 厨房からビルさんが出て来た。

「おはようございます!ビルさん。アルバンさん一家と今日は来ました」

「おお、あんたは昨日の…」

「お父さん聞いて。またエリアスお兄ちゃんが新しい女を連れて来たのよ」

「なにを言っているんだアンナ?」

「アルバンさん親子には昨日から同じ敷地に住んでもらっています。調味料作りを手伝ってもらっているので」

 俺はそう説明した。

「ほう、そうなのかい」

「家族共々、よろしくお願いいたします」

 アルバンさんが挨拶をした。

「こちらこそ、よろしく頼むよ」


「ビルさん、今時間は空いていますか?お話があります」

「あぁ、良いけど話はエリアス君達の料理を出してからだな」

「そうでしたね」

 それから俺達は 朝食を食べた。


 食べ終わった頃、ビルさんがやって来た。

「で、話って何だい?」

 商業ギルドにソース、醤油、マヨネーズ、醤油タレを卸すことを伝えた。

 そして『なごみ亭』でも店頭販売してほしいと話した。

「それは助かるよ!」

「店頭価格は統一しているので、店の取り分は1/3ですけど」

「俺にはそんな難しい話は分からないからな。任せるよ」

 そう言うとビルさんは笑う。



 ソースとマヨネーズがあるなら、食べたいものがある。

「ビルさん、新しい料理方法があります。やってみませんか?」

「おう、教えてくれるのかい?助かるよ」

「ではさっそくやりますか」

 俺はそう言うとストレージから、魔道コンロとフライパンとボウルを出した。


 そしてまな板と材料、キャベツを出し千切りにした。

 ボウルに小麦粉、『味元《あじげん》』、キャベツを空気を含むようによくかき混ぜる。

 フライパンの上に生地を流しスプーンの角を使って、約2cmの厚みになるように押し広げ焼く。

 

 生地の上にバラ肉を3枚載せる。

 そしてヘラを使い裏返えす。

 そしてまた裏返して焼く!

 ソースをスプーンすくい生地にぬる。

 そしてマヨネーズを網状に垂らして。


 はい、お好み焼きのできあがり~!


 辺り一面にソースのいい香りが漂う!


「食をそそる、いい匂いだ。なんという料理だい?」

「はい、好みの物を入れて焼く。お好み焼きです」

「お好み焼きか!それはいい。さっそく店にも取り入れてみるよ」

「はい俺も後で商業ギルドに、特許を出しておきます」


 



 俺達は屋敷に戻って来た。

「エリアス様、ソース、醤油はどこで作られているのでしょうか?」

 アルバンさんが聞いてくる。

 それはそうだろうな、それらしい建物も屋敷には無いから。


「ソース、醤油はあるところ(ストレージの中)で創って、あるところ(ストレージの中)に収納しています」

「そうでしょうね、私達の作業場を見ればわかります。創る時に一時《いっとき》だけ場所があれば、それ以外はマジック・バッグに収納しておけばいいのですから。あんな大容量のマジック・バッグは見たことがありません」

「そのことは秘密ですから」


「わかっております。私も商人の端くれ、マジック・バッグの価値は分かります」

 こうしてエリアス商会は開店した。


 その後、エリアス商会はたくさんの料理レシピを商業ギルドに申請した。

 開示する金額もとても価格が安く、大勢の人が料理方法を知ることが出来た。


 小麦粉などの粉物を使った料理がたくさん増え、街の人達がソース、醤油、マヨネーズ、醤油タレの味を知るのに時間は掛からなかった。


『なごみ亭』はこれを機に、宿屋を辞め食堂に専念した。

 アレン領は調味料により食の街と呼ばれる程に、多くの料理文化が芽吹いた。

 

 後《のち》の歴史学者によれば、それにはどんな料理にも欠かせない調味料があったこと。

 そしてそれを提供している、エリアス商会の存在が大きかったと言う。

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