【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

想像した事を実現できる創生魔法。現代知識を使い生産チートを目指します。
ジェルミ
ジェルミ

第45話 自分で解体

公開日時: 2021年12月19日(日) 07:01
文字数:2,271

 俺達は商業ギルドを出た。

 屋敷の中で肉を焼くと臭いから、外でバーベキューにしようと思った。

 それなら野菜も必要だから、市場に向い野菜を買う。

 そしてストレージがあることをいいことに、後から使いそうな野菜をどんどん買っていく。

 

 オルガさんに聞かれる。

「エリアス、どうしたのだ?!」

 気が付くと野菜を売っている屋台の、大半の売り物を買っていた。

 お金を払いストレージに仕舞って行く。

 これだけで、傍から見れば異常な行動だ。


 ストレージがあるから、何かの時にと思いつい買ってしまう。

 それにこの世界のお金の感覚が分からなかった。


 例えば今回、『味元あじげん』を、1,000個収めると1個2,000だから200万円になる。

 商業ギルドに販売手数料として10%払っても180万円。

 しかも入れ物は『創生魔法』で作れるようになり、原価は1個250円くらいに。

 結果1,750,000円の利益がでることになる。


 毎月1,000個は無理でも半分の500個は出そうだ。

 それだけで屋敷のローンを払っても、十分に生活していける。


 それをオルガさんに話した。

「エリアスは村から出てきて日が浅いからな。まあ、徐々に慣れることだな」

 そう言われた。



 今の時間は昼頃だ。

 屋台で軽食を食べ終え、歩いている。

 そう言えばオルガさんは、解体が出来ると言っていたな。

「オルガさん」

「なんだい、エリアス?」

「解体ができると聞きましたが、夕方まで時間があるので見せてもらえませんか?」

「それは良いが全部は無理だぞ。それに解体用ナイフもキラービーなどの殻が厚い魔物の素材は、私が持っている鋼のナイフでは解体できないよ」

「できる限りでかまいません。ナイフはミスリルなら切れますか?」

「勿論だ。まあ、ミスリルの解体ナイフなんて、高いから普通はしないけどね」

 俺は冒険者ギルドの解体場で見た解体用ナイフを思い描く。

 ストレージ内の鉱物で『創生魔法』を使い、ミスリルの解体用ナイフを創った。

「はい、できました!!」

「え?!もしかしたら『創生魔法』で創ったのか?」

「えぇ、そうです」

「それは便利だね、それにこんなきれいな剣は見たことが無い」

「ありがとうございます、褒めてくれて。そうだ今度、アスケル山脈に行ったら緋緋色金ヒヒイロカネの鉱物を見つけて、オルガさん用の剣を作りますからね」

「あ、ありがとうエリアス。楽しみにしているよ」


 俺達は解体をするために城門に向かう事にした。

 

「エリアス様!!」

 俺の名前を呼ばれ振り向くと、アバンス商会のアイザックさんだった。

 どこかの帰りなのか、使用人と思われる男の人を2人連れている。

「これはアイザックさん、こんにちは!」

「お二人揃って、どちらに行かれるのでしょうか?」

「狩った魔物の素材を、城外で解体しようと思いまして」

「おぉ、それはそれは。丁度良いところでお会い致しました」

「丁度良かったですか?」

「えぇ、実は高級家具の予約がたくさん入りまして…」

「もうですか?」

「それに三面鏡ドレッサーが、大人気でもう10件も予約が入っております」

「そ、そんなにですか」

「女性の美を追求する気持ちは量りしれませんな」

「ではシャンプーやボディソープがあったら売れそうですね」

「シャ、シャンプーでしょうか?」

「えぇ、髪の…「う、う~~ん!!エリアス、もういいでしょう?」

 オルガさんに遮られた。

 これは言うな、と言う事かな。



「解体が終わったら、帰りにお店に寄らせて頂きますから。お話しはその時に」

「分かりましたエリアス様。お待ちしております」


 俺達はアイザックさんと別れ、城門に向かった。





 俺達は城門から外に出て、少し離れたところに来ている。

 冒険者達は街に入る前に解体を済ましておくのが普通だ。

 さすがに解体は街中ではできないからね。

 でもそんなに街から離れる必要もない。


 オルガさんに解体方法を聞く。

 まずはビッグベアだ。


 熊の肉はコラーゲンが多く非常に旨いらしい。

 そして腹から後ろ足、前足から首に皮を剝いでいく。

 それから腹を裂き、内臓は胆のうを何よりも先に外す。

 胆のうの中味が漏れると苦くなり台無しになるそうだ。

 それから肉はアバラや背骨を切って外す。

 胃と腸を切り中の異物を出し、良く洗い臭いを消す。

 心臓、肝臓、手足の肉に切り分ける。

 大雑把に言うと、こうらしい。


 それなら。

 俺はストレージの中にあるビッグベアを『創生魔法』で解体していく。

 胃と腸は異物を取り除き、臭いを収納する。

 そして解体した魔石や肉、毛皮についた菌を収納して終わりだ。

 これで綺麗になった。


 なんて便利なんだ。

 ストレージと『創生魔法』は。

 今さらながらそう思う。

 これからは解体魔法Dismantlingディスメントと名付けようかな。



 それからストレージに残っているキラービー(蜂)8匹、キラーアント(蟻)6匹、センチピード(ムカデ)5匹、シルバーウルフ5匹の解体方法を聞き俺のストレージ内で解体をした。

 こちらは食用ではなく、素材取りだけなので解体は楽だった。




 ふう、やっと終わった。

 でもストレージ内での作業なので、それ程時間も掛からなかった。


「解体は終わりました。さあ、帰りましょうかオルガさん」

「ストレージの中で『創生魔法』を使ってやったの?!」

「えぇ、そうです」

「便利ねエリアス!!でもそれなら、ここまで来る意味があったのかしら?」

「えっ?」

「だって、解体方法を話して終わりでしょう?」

「そ、そうですね」

「このミスリルの解体ナイフは、頂いて良いのかしら?」

「は、はい、どうぞ…」


 こうして俺達は街に戻って行った。

 オルガさんの言う通り、ここまで来た意味はなかった。

 まあ、ある意味、雰囲気ですから。


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート