【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

想像した事を実現できる創生魔法。現代知識を使い生産チートを目指します。
ジェルミ
ジェルミ

第112話 ドゥメルグ公爵

公開日時: 2022年11月8日(火) 15:10
文字数:2,306

 オルガさんに見送られ馬車に乗った。

 馬車の中はアルマンさんと俺、アリッサさん、ノエルさんの4人。


 き、気まずい…。

 


「ところでエリアス様は、どのようにしてこの国にいらしたのでしょうか?」


 俺はいつ聞かれてもいいように、用意しておいた言葉を話した。

「村とも言えないような名もない場所で育ち、両親が他界したのを機に村の人から『外の世界を見た方がいい』と勧められアレンの街に辿り着きました」


「ご両親が他界されたと…。その若さで、お可哀そうに…」


 アルマンさんから見て俺は、何歳に見えているのだろう?

 それに俺のことを『様』付けで呼ぶのは止めてほしいと言ったが、執事なのでお客様には敬意を示すそうで止められないと言われた。


 その後、俺はアルマンさんに畑仕事や野菜のことなどを聞かれた。

 そして都度『【スキル】世界の予備知識』で検索し視界の中に浮かぶ検索結果を、知っているかのように話していった。

 畑の水は用水路を引き水車で脱穀、製粉をしていたことを調子に乗って話した。

 途中、何度アリッサさんが咳払いをして、俺の言葉を遮っていた。




 そんな話をしている間にどうやらお屋敷に着いたようだ。

 門に入りしばらくしてから馬車が止まった。

 馬車から降りると使用人4人が出迎えてくれた。



 そして客間に案内されドアを開けると、30代前半の男性が座っていた。

 アルマンさんが先に入り俺はその後に続いた。


『?!』

 部屋に入るなり嫌な感じがした。


 見ると30代前半の男性がソファに腰かけている。

 執事のアルマンさんが紹介を始めた。

「アレンの領主トバイアス・ビクトワール・ドゥメルグ公爵様です」


「この度はお招きいただきまして。エリアスです」


 アルマンさんに促《うかが》され俺とアリッサさん、ノエルさんはソファに座った。


 ドゥメルグ公爵が口を開いた。

「アルマンどうだった」

「はい、とても博学で貴族にも劣らない知識をお持ちだと思われます」

「ほう、ではエリアスとやら、君は一体その知識をどこで手に入れたのかな?」


 鋭い眼光で俺を見た。

 俺としては『転移』して来ましたとは言えず、お決まりの『両親が死に村を出てきた』を説明した。



「そうなのかアルマン?」

「ただその割には辻褄が合いません。畑仕事をしていたと聞きましたが、手がとても奇麗です。しかし知識も豊富で辻褄が合いません」

「君は大容量のマジック・バッグを持っている。そして修繕と破壊魔法を使うと聞く。しかも私の【鑑定】を弾くとは!!」


 なんだこの展開は??

 前にもあったな、こんなこと?

 部屋に入った時の嫌な気配はそれだったのか。


「知識は他界した両親から教わりました。マジック・バッグは曽祖父の代から受け次いでいるものです」


「アバンス商会のアイザックから話は聞いている。アバンス商会は我が公爵家の出入り商人だ。馬車一台分の荷物を収納できるマジック・バッグなど国宝級だ。そんな人材を野放しにはできない」


 あぁ、やっぱりそうだったんだ。

 まずいことをしたな。


「君はこれから何をしたいのかな?」


「私ですか。美味しいものを食べ、その内便利な道具でも作り、嫁達と面白楽しく生きていければと思います」


「面白楽しくか、出来そうで出来ないことだな」


「色々と君のことは調べさせてもらった。商業ギルドで聞いたところでは、『味元《あじげん》』や『マヨネーズ』という調味料も君の発案だとか」


「はい、そうです。誰かが思いつく前に、私が思いついただけです」


「ハッハッハッ、気を悪くしないでほしい。国に属している以上、アバンス商会も商業ギルドも公爵家に逆らうことはできん。許してやってくれ」


ドゥメルグ公爵の笑顔が真顔に変わる。

「では冷蔵庫と照明の魔道具、魔道コンロは?今までそのような高度な魔道具を見たことが無いそうだ。君が作ったと言うではないか?」


 オルガさん達が危惧していたのはこう言うことか?

 面倒なことになったな。

 今さら言っても遅いけど。


「それに君が営業している『ラウンド・アップ』と言う施設。何名かの人を行かせたがみんな称賛していた。膨大な量の温水、娯楽施設。数々の見たこともない魔道具。そこはつい数ヵ月前までは修繕も不可能な程、老朽化した建物があったと聞く。しかもある日、気が付くと見たこともない立派な建物が建っている。工事の形跡もなく、建築期間がまるでなかったように突然にだ」


 俺は言葉に詰まった。

 それはそうだよな。

 普通は古い建物を解体して、新しい建物を作るからね。

 その工程が無いんだもの。


「そして『綿』と言う製品とハチミツだ。どちらもアスケルの森に関係している。『綿』はアスケルの森の奥に、元になる植物があると聞く。そしてハチミツだ。何百匹もの蜂の魔物キラービーを、倒さなければ手に入らない幻の甘味だ。一個人が持っているなど考えられない!!まだある、カレーと言う香辛料もアスケルの森産だと言うではないか?アスケルの森は高位の魔物の巣窟で、そう簡単に入れる場所ではないはずだ!!」


 それは俺の『エリアサーチ』で魔物を、避けながら移動しているので。

 出会わなければ脅威にはなりません!とは言えないしな。


「ここには来ていませんが、もう1人妻がAランク冒険者なので」

「Aランクの冒険者?それから今さらだが、そちらの女性はどなたかな?」

「はい、旦那様。エリアス様の奥様のアリッサ様とノエル様です」

 アルマンさんがドゥメルグ公爵に説明をしてくれる。


「では彼女がエージェントか」


「ご挨拶が遅くなりました。アレン領冒険者ギルド所属のアリッサです」

 エージェントと聞いてノエルさんが驚いている。


「君は自分がしたことを分かっているのかい?報告義務があったはずだ」

「はい、わかっております」


 ん?何の話だ。

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