【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

想像した事を実現できる創生魔法。現代知識を使い生産チートを目指します。
ジェルミ
ジェルミ

第127話 成人するまでは…

公開日時: 2022年11月27日(日) 15:10
文字数:2,138

 俺達は屋敷に止めてあるファイネン公爵家の、馬車2台分の嫁入道具を下ろした。

 そう言っても、ストレージに収納しただけだけどね。

 そして役目を終えた従者さんや護衛の人達は、馬車に乗り宿屋に戻って行く。

 明日の朝、ウォルド領に帰るそうだ。



 それを見送り俺達6人は本館の中に入った。

 3階に上がりまずは部屋決めだ。


 部屋は7部屋ありその内3部屋側は俺とアリッサさんと、オルガの部屋だ。

 俺の向かいの部屋はノエルさん。

 エリザちゃんは侍女のネリーさんと、向かいの4部屋側の並んだ2部屋だ。



 そして時間は少し早いが、夕食を食べに『なごみ亭』に向かった。

 すると店の前は大行列だ。

 そう言えば今日は金曜のカレー日だった。


 出直そうかと思ったが、看板娘9歳のアンナちゃんに見つかってしまった。

 しばらく待ち6人掛けの席が空き座った。


「いらっしゃい、エリアスお兄ちゃん。少し見ない間にまた女が増えたのね」

「いや~これは…」

「それに1人は私と同じくらい、もう1人は私のお母さんに近い年齢よね」

 は?

「随分と幅が広いこと」

 侍女のネリーさんのことか。

「違うんだ、ネリーさんはエリザちゃんの侍女だよ」

「侍女?ではこのエリザちゃんという子はお金持ちの子なのね?」

 な、なんか会うたびにアンナちゃんがれていっているような。


 アディちゃんとエリザちゃんは同い年のはずなのに。

 育った環境でこんなに違うんだ。


「4人目にして逆玉を見つけたのね。これだから男は…」


「こら!アンナ、この忙しい時に、何を言っているの?」

 お母さんのサリーさんだ。

「だってエリアスお兄ちゃんがまた女を。きっとこれからも奥さんが増殖して…」

 カビか?

 サリーさんに口を塞がれ、奥にアンナちゃんを引きずって行った。


 そしてサリーさんは戻ってきた。

「ごめんねエリアス君」

「いいんですよ。それから今度、婚約したエリザで、その侍女のネリーさんです」

「まあ、それはおめでとうございます」

「ありがとうございます」

「さっそくだけど今日はカレーの日で、工夫をしてメニューを2種類にしたの」

「2種類ですか?」

「えぇ、サラサラとした粘り気のないカレーと、とろみをつけてオートミールを入れたリゾット風カレーね」



「それは美味しそうですね」

「エリアス様。カレーという食べ物は…」

 エリザちゃんが聞いてくる。

「ネリーさんとエリザちゃんは初めてでしたね。カレーというのはたくさんの香辛料を使った少し辛い病みつきになるスープです」

「この店中に漂う美味しそうな匂いのことですね」

「えぇ、そうです。初めて食べるならスープカレーとパンが良いですよ」

「スープカレー?いい名前ね、エリアス君」

 サリーさんが名を聞いて嬉しそうだ。


「それならもう1つはリゾットカレーね」

「そうなりますね」

「わかったわ。これで紛らわしくなくていいわ。だって今までは『サラサラとした粘り気のないカレー』と、『とろみをつけてオートミールを入れたリゾット風カレー』と、言っていたんだもの」

 なんだそれは?

 そのまんまだろ?

 そして各自で頼み俺はリゾットカレーにした。

 ある意味、『おじや』だね。

 でも米がないこの世界では、仕方ないよね。


 そしてその晩、『なごみ亭』はカレーを楽しみにしていた、たくさんの人々が訪れ夜遅くまで看板の灯は消えなかった。




 屋敷に帰りエリザちゃんとネリーさんは、カレーに満足したようだった。

「美味しかったわ。少し辛かったけど、あんなに美味しいものを食べたのは初めて」

「そうですね、お嬢様。あのカレーというのは、初めてでしたがどの様な…」


「はい、アスケルの森で採れた6種類の香辛料を使ったスープです」

「アスケルの森…。たくさんの資源が眠ると言われているけど、高位の魔物が居てどの国でも手が出せないという森のことでしょうか?」


「そうです。俺達は元々冒険者ですから、そのくらいのことは出来ます」

「凄いですわ、エリアス様。アリッサお姉様達もそうなのでしょうか?」


「その『お姉様』というのは何かな。少し恥ずかしいんだけど」

 オルガさんが口を開く。

「はい私は新参者ですから、おかあさまより皆様のご迷惑にならないようにと」

「そう、まあ、いいか。私はエリザちゃんと呼ぶから、よろしく頼むよ」

「わかりました、オルガお姉様」


 さすがは公爵家の娘、この年齢ですでに処世術を身に着けているとは…。

 エリアスを除いた誰もがそう思った。

 そしてエリアスだけは、しっかりした娘だと思うのだった。


 改めて妻達3人をエリザちゃんと、侍女のネリーさんに紹介する。

「アリッサさんとオルガさんは冒険者です。そしてノエルさんは最近まで、商業ギルドに勤めていました」

「そうですか、それならエリアス様の商会のお力になれますね。羨ましい」

「どうして羨ましいと思うのかな?」

「だって私にはこれといった特技もありませんから」

 寂しそうに下を向いた。

「それは、これからですよ」

 そう俺は励ました。


 そして夜になり各自でお風呂に入った。




「じゃあ、お休み」

「おやすみ~」

 各自の部屋に入っていく。


 そしてエリザちゃんは、アリッサさんに手を引かれ部屋に入っていった。

 今夜から一緒に寝るそうだ。


 そうだよね。

 まだ10歳だ。

 学年でいえば4年生くらか。


 成人する15歳までは、お姉様達と一緒に交代で寝るそうです。

 そうしてください!!


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