【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

想像した事を実現できる創生魔法。現代知識を使い生産チートを目指します。
ジェルミ
ジェルミ

第93話 カステラと、どら焼きとあんぱん

公開日時: 2022年4月23日(土) 16:10
文字数:2,405

 結局あの後みんなで話し合い、侍女の人も一緒にお風呂に入ることになった。

 なぜならこの世界のドレスは、紐縛りがメインだからだ。

 後ろで縛ることが多く1人では服が脱げない。


 オルエッタさんは、きっとボタンと使った衣服は売れます、と叫んでいたそうだ。


 俺はあの後、アリッサさんに任せすぐに脱衣所を出ている。

 何かあれば2階か3階におります、お飲み物もありますからと伝えておいた。


 それから嬉しいことに、昨日捕まえて来たラプタ(鳥)が卵を6個生んだ。

 メスが6羽いるから、全部生んだことになる。

 偉いね~。




 俺は暇なので3階でお菓子でも作ることにした。

 卵があれば何でもできる!と、誰かが顎を突き出して言ってたな。


 ではさっそく作ろうかな!

 卵を手に入れたら作りたかったお菓子。

 それはカステラだ。


【スキル】世界の予備知識発動!

 世界の予備知識でカステラのレシピを探した。

 目の前にパソコンを見ているようにレシピの画面が見え、そのレシピを読みながら調理ができるんだ。


 材料は、ハチミツ、卵、砂糖、小麦粉これだけ。

 ハチミツをボールに入れお湯でよく混ぜ溶かす。

 卵をボールに割り泡立て器でよくつぶす。

 砂糖を入れ軽く混ぜる。

 小麦粉を入れ更によく混ぜる。


 長方形の型に流し込みオーブンで15分くらい焼く!

 後は型を逆さにしてだせば、はい!なんちゃってカステラの出来上がり~!


 型の底に敷くザラメ糖と、ホイップクリームがないのが残念だ。

 ストレージの中を見ると大豆、小豆がある。




 そうだ、あれも作ろう。

 鍋に小豆、たっぷりの水を入れて中火にかけ沸騰させる。

 中火で5分程煮て火を止め、ザルにあげて流水で洗い水気を切る。

 鍋に戻し豆に水がかぶるくらい入れて強火にかける。

 沸騰したら中火にし蓋をして、差し水をしながら柔らかくなるまで加熱する。

 煮汁を捨て砂糖を入れて中火にかけ、潰さないように混ぜる。

 フツフツとして水分がなくなり、もったりとしたら塩を入れて混ぜ火を止める。

 別の入物に広げて粗熱を取れば完成だ!


 はい!なんちゃって、つぶあんの出来上がり~!




 つぶあんがあるなら、これも作ろう!

 11人いるから卵は全部使うか。


 今度はカステラを作る手順で、ハチミツを抜いたものを作った。

 フライパンを熱し油を引いてボールで混ぜたものを、直径10cmほどになるように流し入れて両面を焼く。

 これをまず22個作りま~す。

 焼きあがったらつぶあんを載せ、更にその上に生地を置き挟む。

 はい、つぶあんどら焼き、のできあがり~!





 時計を見ると120分は経っている。

 その間にアリッサさん達が、屋上の露天風呂に行くのが見えた。

 もう戻って来るかな?


 実はこの機会に時計を創り、屋敷に置くことにした。

 もちろん合わせた時間は、大聖堂の鐘の音だ。

 合っていなくても、どこかを基準にしていればいいと思ったのだ。


 時計は各階に壁掛けの丸時計だ。

 盗難防止のため壁中に埋め込んである。

 外したとしても外した途端に、魔力供給が切れ動かなくなるようにしてある。


 ゼンマイ式の柱時計や鳩時計も考えたが、今は必要ないかな。

 レトロすぎるよね。

 


「おいエリアス。できたのかい?」

 さっきから黙ってオルガさんは、俺がすることを見ていた。

「できましたけど今食べると数が丁度なので。みんなが食べている時に、自分の分がありませんよ」

「もっと作ればいいだろう」

「卵がないのです」

「卵か!もうラプタ(鳥)が卵を産んだのか、凄いな」

「そうですね。でも産んでも1羽が1日1個なので、これから増やそうと思います」

「それがいいな」



 するとオルエッタさん達がやって来た。

「と、とてもよかったですエリアス様。こんなに露天風呂が開放的だなんて」

「それはよかったです、オルエッタさん」


「なにをしていたの?エリアス君」

「お菓子を作っていました、アリッサさん」

「お菓子?」

「今日、ラプタが初めて卵を産みました。嬉しくてお菓子を作りました」

「まあエリアス様、ラプタを飼われているのですか?」

「えぇ、オルエッタさん。昨日、アスケルの森で捕まえてきまして」

「それは凄いですね!アスケルの森は上級の魔物が居ると聞きましたが」

「魔物を避けながら進んでいますから」

「まあ、ご冗談ばかりを…」

 本当のことだ。

 俺の『エリアサーチ』で魔物を、避けながら移動しているので出会うことがない。

 出会わなければ脅威にはならない。


「エリアス君、どんなお菓子を作ったの?」

「これです!」

 そこには厚さ2cmくらいで切られた、四角いカステラがあった。


「これは、なあに?」

「カステラと言います。みなさん、さあどうぞ」

 俺はそう言いながら、一人一枚ずつお皿に載せて渡していく。

「あっ、甘い!!」

「柔らかいわ」

「美味しい!」

 みんなとても喜んでくれている。


「これならお店を開けますわ」

「そこまでのものではありませんよ、タニア伯爵夫人」

「ご謙遜なさらずに。近いうちに当屋敷で晩餐会があり、その時に出すものを考えておりました。このカステラをその際にお出しできないでしょうか?」

「実はこのお菓子は卵を使っています。今はラプタのメスはまだ6匹しかおりません。そのため無理だと思います」

「卵を…、そうですか、残念です」



「では、これはいかがでしょうか?これはつぶあん、と言いまして砂糖と小豆で使った物です。1人1個づつですが食べて見てください」


「「「「 お、美味しい~~!!これは何というお菓子ですか 」」」」


 この世界のお菓子は、小麦をただ捏ねて砂糖を入れただけのお菓子が多いらしい。

 砂糖が貴重なため、甘いだけでも価値があるようだ。


「そうですね、スポンジ生地につぶあんを挟んだもの、どら焼きです」

「どら焼き?!」

「卵が無ければ生地はパンでも美味しいですよ。作り方は特許を取って公開します」

「分かりましたわ。その時は我が家の調理人に作らせますわ」




 でもこの世界では卵は貴重で…。


 数年後、小麦粉を使いつぶあんを包んだ、どら焼きという名の『あんぱん』が大人気となった。


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート