【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

想像した事を実現できる創生魔法。現代知識を使い生産チートを目指します。
ジェルミ
ジェルミ

第71話 コットンロード

公開日時: 2022年3月1日(火) 19:18
文字数:2,687

 ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、


「……アス。おい…なにを…」

「え?なんで…か?…聞こえ…せんよ」

「だから…うるさく…」


 ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、


 俺はオルガさんに肩を揺すられ手を止めた。


「な、なあ、エリアス。さっきからなにをやっているんだ?」

「え?見た通りですよオルガさん」

「それはわかるが…これは…」


 俺は道が悪いのでストレージを使い、目の前の空間を馬車2台分の幅で切取る。

 木々や土も含め50cmくらい深く、地面の土も一緒に一度収納する。

 それにアスケルの森で採取した、赤玉土と要らない多数の鉱物を交ぜ地面に戻す。

 戻した土の部分に、時空間魔法で時間を加速させ土を硬くする。

 赤玉土を交ぜているので、水けの良い道路のできあがり~~!!



「できあがり~!じゃないわよ。一体なにをしているのよ」

「嫌だな~道路整備ですよ、アリッサさん。見たらわかるじゃないですか」

「そういうことを言っているのではないわ!どうしてこんなことをしているのよ?」

「道がよくなれば多くの人が、行き来して領が栄えます。さっき話しましたよね」

「それはそうだけど…」


 後ろを振り向くと馬車2台分、約4m近くの道幅の綺麗な道路が出来ている。

「道幅が無く見通しが悪いから襲う方も、襲いやすくなるんです。道幅があれば魔物や、盗賊に襲われた時でも対応が早くできます」

「あなたは、まったく。アイザックさん、このことは内密に願います」

「勿論です。しかしこんな素晴らしいことをされて、内密にされるとは…」

「逆にエリアス君が、大騒ぎされるのも困りますから」

「わかっております」

 アイザックさんは馬車の窓を開け、こちらのやっていることを見ている。


「それから『赤い翼』のみなさんも、内密にお願いしますね」

「エリアスには借りがあるから、言わないよ。それに言っても信じてもらえそうも無いからね」

 リーダーのアドレーさんが代表して答える。


 そして俺達は道を整備しながら王都に向かう。

 

 4時間くらい歩くと休憩することになった。

 ある意味、4時間歩きっぱなしも凄いけど。


「さあ、休みましょうか」

 このまま道の真ん中に止まっても、邪魔になるな。

 俺はそう思い左側の道路脇に馬車が縦に、3台並べるくらいの待避所を作った。


 ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、


 みんな慣れたのか、もう何も言わなくなっていた。


 そしてそれぞれ座り込み、皮の水筒に入った水を飲んでいる。 

「はあ、暑いぜ~」

 『赤い翼』のアドレーさんが言う。

 6月末の日差しは強く汗ばむ。


 カラ~ン!!


 ガラス製のグラスに氷が落ちる音がした。

 みんなが一斉に音のする方に振り向く。


 あれ?

 みんなどうしたんだろう?


 俺達は丸テーブルと椅子を、ストレージから出して座っている。

 そして日差しが強いので、大きめのパラソルをテーブルの真中に挿している。



 ガラスのグラスに生活魔法で、氷を作りグラスに落としていく。

 カラ~ン!! カラ~ン!!

 そして俺達3人は森で採れたオレンジを、ジュースにしてグラスに注いだ。


 トク、トク、トク、トク、トク、


「ぷふぁ~!!冷たくてうまい!!」

「本当ね、美味しいわ」

 オルガさんとアリッサさんが、嬉しそうな声をあげる。


 すると、どこからか視線を感じた。


 チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、

    チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、

   チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、

 チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、チク、


「おいエリアス。美味しそうじゃないか」


「アドレーさん達も飲みますか?」

「えっ?!もらえるのか?」

「も、もちろんですよ、みなさん」


 俺はそう言って『創生魔法』で丸テーブルと椅子4つを2セット創り、ストレージから出した。

「どうぞ、お座りください」


 みんなそれぞれテーブルに座る。

 1つのテーブルはDランクパーティー『赤い翼』のアドレーさん。

 ジェイさん、ランダルさん、エリノルさん。


 もう1つはアバンス商会のアイザックさんとお供の2人だ。


「マジック・バッグの容量があると、こんなに旅は快適なんですね」

「便利なのはマジック・バッグではなくて、エリアス君だよね~」


 そう言ったのは『赤い翼』の紅一点のエリノルさんだ。

 エリノルさんは締まった体をして、出るところは出ている素敵な大人の女性だ。

 脳筋のアドレーさんには、勿体ないくらいの女性だ。


「誰が脳筋だ。こら!!」


「まあ、エリアス君たら、素敵な大人の女性だなんて」

 エリノルさんは照れている。


 今日のメンバーも俺の思考が読める、超能力者の集まりだったか…?!


「素晴らしい。これはお持ちの冷蔵庫で作った氷ですよね」

「え、えぇ。そうです…」

「やはり魔道具は生活を変えてくれる道具ですね。製氷を前面に出せば、王都で更に高く売れそうです」

「それは良かったです」


 そして俺達はまた歩き出す。


 ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、ガガガ、ゴゴゴッゴ、ガアガガ、ゴゴゴゴゴ、ガガガガアア、


 道路整備をしながら俺は進む。

 旅がしやすくなるのは良いものだから誰も俺を止めない。

 整備の大きな音で魔物や魔獣が驚き、逃げていくとアリッサさんが言っていた。

 風の感知魔法て便利だな。

 俺もそんな便利な魔法が使えたらな…。


 そんなことを考えながら、王都に向う旅は続く…。


※コットンロード(Ukkipedia調べ)

 ジリヤ国王都とアレン領を結ぶ古代の交易路の総称。

 ある日一夜にしてジリヤ国王都と、アレン領を結ぶ整備された道が出来た。


 地面は水捌けが良く道幅は広いため、魔物や盗賊に襲われても体制を整える余裕が出来たと言う。所々に休憩所のような空地があり、休むこともできた。


 この道を通って多くの商人達が行き来をした。

 アレン領特産のカレーなどの調味料や、綿製品が王都に運ばれていった。

 多くの人達が通っても、路面は荒れることが無く今も長い月日に耐えている。

 解析不可能な鉱物で出来ており、その謎は現在も解けていない。


 この名はジリヤ国の地理学者キンタ・クンテ(1233~1301年)によって命名され、広まったとされている。

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