あれから皆に話して認めてもらい私達のお付き合いは始まった。
でも、話しをした時はもう大変で初めはほとんどの人から反対されたんだよね。年齢が離れすぎているとか、ベルシリオさんと私では釣り合わないとか色々心配されてひと悶着まであったが、騒ぎの後はすっかり落ち着きを取り戻し皆認めてくれて丸く収まったからよかったけれど、認めてもらえなかったらどうしようって少し不安になったのも事実だ。
そうして恋人として付き合い始めてベルシリオさんもオルドラで暮らすこととなり彼のために家を探すのを手伝った。
「フィアナ、こうして君の隣で笑っていられる今があるのはとても有難く、そしてとても幸せだ」
「私もベルシリオさんとずっと一緒にいられる今がとても幸せです」
彼とお付き合いするようになってから一カ月が経過したころ時計台の展望台から市街を見ながらベルシリオさんが言う。それに私も向かい合い顔を見ると同意するように頷く。
「これからもいろいろと気苦労が絶えないこともあるだろう。だが、俺が必ず君を守り続けると誓う」
「私もずっとベルシリオさんを支え続けていきます」
真面目な顔でそう語る彼に私も答える。すると次の瞬間ベルシリオさんの顔が目の前にあって唇にはほんのりと暖かいぬくもりを感じた。これってもしかして……ファーストキス!?
驚いて目を見開いていると私から直ぐに離れた彼がにこりと笑いポケットから何かを取り出す。
「君の気持ちが変わらないのであれば、これ以上待つこともないだろう。この指輪を受け取ってくれるな」
「は、はい」
差し出された婚約指輪に私は耳まで真っ赤になっているだろう顔で頷く。
私の想いが変わるなんてことそんなことありえない。そしてきっとベルシリオさんも変わることがないのだろう。なんて言ったって25年も前からお互いすれ違いながらこの恋心を隠して生きてきたのだから。もう隠す必要のなくなった今私達が結ばれることに何の問題もないのだから。指にきらめく指輪に私は頬が緩む。幸せな時はきっとこれからも変わることなく続いていくのだろうと思いながら、これからの未来に思いをはせた。
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