以前からイラストをアップしてグッズを作れるサイトが気になってはいるが、一歩踏み出せていない。どうせ売れないであろうし、労力を注ぐのがめんどくさいのだ。

　しかし人生、面倒だなどと言ってボーッとしている暇は……欲しいけど、あまりない。もう少し人生に夢を見たい、ならば早く夢活を始めなくては。

　ということでまずは、サイト登録前に大体ゲンナリする作業……「利用規約を読む」というのを、少しやってみることにする。

　以前ブログの読者様からオススメいただいたTシャツトリニティが気になっていたが、私はファッションに疎いし、ゴチャゴチャしたデザインを描きがちなので、私のアートは服のようなメイン（？）アイテムのデザインには適さないのでは、と考えた。ゴチャゴチャしたデザインならば、ワンポイントの小物が良いような。ということで今、アイテムの種類が多そうなSUZURIの利用規約をざっくり読んでいる。

　第6条・第7条あたりが個人的に重要な気がする。デビュー直後にゴキブリグッズを大量生産して永久追放……などという失態を晒さないよう、何がどの程度許されるのか探らなければ。

　とはいえそれは利用規約を見て分かるというより、サイトに馴染み、他のユーザー様やお客様の動きが分かってきてから感じることではないだろうか。登録したばかりの時は、垢バンを恐れながら、おとなしく振る舞っていた方が良さそうだ（第三者に不快感を与える、あるいは不潔・グロテスク、公序良俗に反するデザインは禁止らしい。そりゃそうだ）。

　今「SUZURI ゴキブリ」で検索したらいくつかあったので「ゴキブリグッズもいけるんじゃね？」と思ったが、以前アルファポリスのマンガジャンルで、イラスト集を出している方を何人か見かけたから私も出したら、非公開処分を受けたことがあった。人様の行動を元に「大丈夫だろう」と判断するのも危ない。

　しかし実在する生き物を全否定するというのは、それを好きな人の趣味をも全否定することになるので、この多様性の時代、サイトとしてもゴキブリ差別するわけにはいかないのでは？　やっぱ大丈夫な気がしてきた。

　とりあえず私はまだゴキ画力がないのだから、ゴキブリグッズは一旦置いといて。利用規約の続きを読んでみる。

　第12条あたりの、代金振込の話にはワクワクした。そのほかは、「出品者と購入者でトラブルがあった場合は出品者が解決すべし」と書いてあるように見える。怖いなぁ。ドットデザインなど登録して、思った通りに印刷されなくて、「サイトで見たのと違うじゃないか」とクレームきたらどうしよう。一度自分の商品を買って確認してみた方がいいかもしれないが……。自分の商品って買えるのかな？（あとで分かったが「買える」。）

　第21条あたりも気になる。ブログがどうとか書いてあるが、SUZURIにブログ機能が付いているのだろうか？　よく分からない。私が普段無意識にやりそうなことが禁止事項に書かれているようなので、あとでちゃんと理解しないといけない。

　第25条の1、脱字らしきものがあった。「会員及び購入者はこれに同意するものとます。」と書いてある。

　脱字があると、当然ながらこういうシステムも人間が作っているんだなぁ……と実感する。利用規約の書き方とか、利用規約を書く仕事とかあるんだろうか。

　第32条、NFTの話が並んでいる。アルファベット3文字といえばLEDとかPTAとか色々あって覚えにくかったが、ようやくNFTというものがアート関連らしいということだけは覚えた。それ以外はまったく分からない。

　ちなみにSUZURIの運営（？）はGMOらしい。多分。

　ざっくりとだが、2日くらいで利用規約を読み終えた。

　おお……利用規約苦手だったけど、ほんのちょっと分かってきたかも……？　要するに大体「何か起こったら君の責任ね」と言われているようである。「うちは責任持てんよ」と。怖いけど人生そんなもんか。

　サイトに登録する上で一番めんどくさいのが利用規約を読むこと（やルールの把握）なので、とりあえずそれを終えたとなれば、すぐに登録してみたくなる。

　なるほど、今まで面倒で後回しにしていたり、やりたいのにできなかったり、やりたいと思いつつ忘れていったことが色々あったが、「ちょっとだけ」と手を付けてしまえば、案外そのまま始めてしまえるものかもしれない。

　ということで早速登録してみることにした。

　SUZURIの新規会員登録ボタンを押し（スマホ画面では右上の青いボタンだった）、アカウント名とメアドとパスワードを入力する。

　アカウント名には英数字とハイフン・アンダースコアしか使えないらしい。それを見落としてメアド入力に進もうとし、「なぜかメアド入力ができない」と、しばらくイライラしていた。ようやく理解し先へ進む。

　大抵のサイトでアカウント名を「月澄狸」に統一しているが、月澄狸が使えないとき（またはSNSのIDなど）は「mamimujina」にしている。月澄狸と同じで、あまり何とも被らない名前を意識しており、検索すると私の投稿に関する情報が多めに出るようになっている（それは私の端末だから……？）。

　旧HNは「ベテルギウス」（星の名前）だったので、検索で自分の投稿を探し当てることができなかった。今は「あの投稿どこだっけ？」というとき「月澄狸　◯◯」などと検索すればいいので便利である。それで自分の過去投稿を探り当てて、最新投稿に関連リンクを貼ったところで、あまり効果はないが。

　アカウント名・メアド・パスワードを入力し、「会員規約に同意して登録」を押すと、メアドに認証コードが送られた。コードを入力し、「認証する」を押すと、本登録が完了したらしかった。

　早速アカウントをいじってみる。「設定」「振込先」と押してゆき、まずは銀行口座と本人情報を登録した。

　アイテムを作るページを見てみると、「画像形式は.jpgか.png」「画像サイズは15MB以下」とあった。

　私はiPadのアイビスペイントで絵を描いている。JPEGかPNGなら保存方法として選べたはずだから大丈夫（あとで確認するとアイビスペイントの保存方法はPNGしかないようだった）。

　MBは……いつも描いている絵でどのくらいだったかな？　また確認しないと。あと、何px × 何pxだったら上手くグッズにできるのだろう。

　画面下の「SUZURIで作れる全アイテムと各種デザインテンプレート」を押してみると、各グッズの推奨入稿画像サイズというものが表示された。

　気になっていたスマホケースを見てみると……機種ごとに細かくサイズが分けられていた。うわー、スマホってこんなに種類あるのか。これは分からん。

　自分のスマホの設定画面から「デバイスについて」を見てみると、「Androidバージョン12」と表示されていた。SUZURIの説明ページで見たスマホの機種一覧には6・7・8・11・12・13などという数字が並び、それにPlusとかMAXとかいう文字がくっついているものもあった。私の機種なら「12」という解釈で合っているのだろうか（その後スマホケースについてよく見てみると、全部「iPhone」と書いてあった。Android用はないようだ）。

　で、サイトに書かれている推奨サイズぴったりに作らないとどうなるんだろう？　画像がぼやけるとか？

　アイビスペイントで、一度描いた絵を切り取って、拡大してキャンバスに貼り付けても、絵が荒い感じになるしなぁ……。元は小さい絵が拡大されると荒くなるはず。グッズ作りだと一々現物を確認できない分、何かミスってお客様に怒られたらどうしようと怖い。

　それともそこまで細かく考えなくていいのだろうか。「作り方は簡単」「まずは自分で作ったイラストや写真を1枚アップロードしてみよう」と書いてあるし。

　自分のグッズを自分で買って確認したいが、それを持って出歩くことによる身バレが怖い。「その手描きゴキブリグッズ……まさか月澄狸さん？」などと声をかけられようものなら倒れてしまう。日頃の行いが悪いから、基本的に私の現実とネット世界がリンクしたらまずいのだ。リアルの知り合いにネットを見られても、ネットの知り合いにリアルを見られても、ドン引きさせる自信がある。

　誰も私のような底辺作家のことなど知らないし興味もない、さらに私の世界はごく狭いものであるのだから、そこまで気にしなくても良さそうだが、対人恐怖症には難しい。かといって、せっかく買ったグッズを、誰の目にも触れぬよう押し入れにしまうというのも可哀相だし。

　ドラマやマンガ広告の見すぎで、変な展開に怯えているのだろうか。現実には私など見向きもされないのだから、自由に試せばいいのに。

　日頃の行いが良ければ、逆にオリジナルグッズに身を包んで歩き回り、誰かから「何それ？」と聞かれたら語りまくって、サイトへ誘導することもできたのだろうか。って表世界でそんな器用に生きられるくらいならそもそも、ネットで稼ごうなどと考えとらんわ。

　ということで現物の確認は不可能。これから、実物も分からないものをお客様に売るためにアピールしなくてはいけない。

　なんか急に難しい気がしてきた。でも何も分からないのだし、とりあえずデザインを登録して売ってみないと始まらない。

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関連エピソード

「これ以上活動範囲を増やせそうにはないけれど……」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054921257378/episodes/16816452219905101040