フィクションか、ノンフィクションか?
そこに言及するレビューが多い理由が、第一話を読んですぐに分かった。
作中で放たれるセリフの一つ一つに、魂が籠っているのだ。
魂の籠ったホンモノのセリフが、読み手の脳裏に人物像を具現化させ、どんどんストーリーに引き込んでいく。
全体的に人物の容姿や風景的な描写は少な目だ。
それでも目を閉じれば、事務所のソファで煙を吐き出す剣乃さんが瞼に浮かんでくるのである。
なぜなのか。
恐らく答えは単純だ。
作者の中にこの物語が、"愛すべき世界線"として実在しているのだ。
実在する世界線であるから、放たれるセリフは魂を持ち、読み手に訴えかけてくるのだ。
フィクションかノンフィクションか、答えは作者しか知らない。しかし、間違いなく登場人物達は生きている。そう思わせるリアリティがこの作品にはある。
-------------------
4時間掛けて一気に読んでしまいました。
続きも読みたいので今は8とさせていただきました。