【通常版-R17.9-】未開拓惑星調査ファイル:惑星調査のためにはHが必要ということなので、原住民の人外少女たちを【くわしく調査】してみた件 ※イラストあり〼

調査の為にはセッ◯スが必要なんだ。みんなオレの為に脱いでくれ!
須賀和弥
須賀和弥

第020話「冒険者登録試験」

公開日時: 2022年8月3日(水) 08:55
文字数:2,516

 ◆ ◆ ◆ ◆


「どうだった?」


 カウンター前に戻るなり。ミーシャが立ち上がり駆け寄ってきた。


「うん。サイコーだった!」


「何がサイコーなの?」


「ち、違うの……ノゾミの説明が最高だったって話よ」


 ローズは慌てたように両の手の平をぶんぶんと振る。


「冒険者の登録については納得しました」


 ローズは意味深な言い方をした。


「では、これより冒険者の登録試験を行います」


 周囲から歓声が上がった。娯楽の少ないこの世界。冒険者の登録試験も一つの祭りのようなものだ。


「二人は武器を持って冒険者ギルドの裏庭まで来てください」


 どうやら、実技の試験をするらしい。

 剣が必要ということは誰かと闘うということなのだろうか。

 まともな実践の経験など、ゴブリンとの戦いが一回だけだ。

 あの時は自爆攻撃でなんとか勝てたが、今回はどう戦ったものか……

 裏庭に到着すると見知った顔に出会うことになった。

 

「ア、アラン!?」


「やあ、ミーシャ……これって、何がどうなってるんだ?」


 当のアランは事態の把握がまだできていないようだ。


「今日の試験官は――たまたまギルドに来ていたアランさんです」


 雑な紹介だった。

 試験官は他にもいるだろうに……いや、これは。

 オレはローズを盗み見た。

 オレとアランとの関係は周囲にはあまり知られていない。

 一方、アランは聖騎士見習いとしてそれなりに有名だということだった。

 普通に考えれば、アランが試験官としても問題はないはずだ。

 試験は公平に行われ、冒険者としての素質ありと判断される。という大義名分さえあればいい。

 これは、ローズなりに気を利かせてくれたようだ。

 後で、たっぷりとお礼をしてあげなければ。


「ノゾミとマヤは二人でいいわね」


 ローズの意見に異論はない。


「アランもいいわね?」


 ローズの無茶振りにアランは困惑するばかりだ。


「いくらなんでもアランさんを相手にするなんて……無謀だ」


「あいつら大丈夫か?」


 周囲の冒険者が口々に危険だと忠告してくる。


「いや、オレが試験官だなんて……そんな話は……」


 アランは完全に無視された。

 ローズも聞く耳を持たない。


「問答無用よ! 始め!」


 ローズは勝手に号令をかけた。

 あの、こっちはまだ準備中なんですが……


「ノゾミ……なんだかよくわからないけど……ここは正々堂々戦わせてもらうよ」


 荒hhな剣を抜いた。

 あの、アランさん……空気読めてます?

 剣を構えて戦闘態勢に入るアラン。

 だめだ。これは真剣に相手しないとせっかくのチャンスを不意にしてしまう。


「マヤ……剣を!」


 オレは腕を伸ばす。その手の先に漆黒の剣が現れた。


「なんだあれは!?」


 周囲がざわつく。しまった。あまりに突然すぎて失念していたが、ワームホールを使った物質転移はあまり人前ではしないように


「見ろ! あの女の子も剣を出したぞ!」


 オレはマヤを見た。マヤの剣はオレの直剣のようなものではなく、彼女の身長ほどもある漆黒の大剣だった。


「おお!」


 周囲がざわめく。

 なんか……マヤの方が強そうなんですけど。


「……この短期間で何があったんだい?」


 アランがそう言いたくなる気持ちもわかる。

 領主の館からここに来るまでの間に強くなりました。と言っても信じてもらえないだろう。

 アランはLV10。オレはLV15、そしてマヤはLV10だ。単純考えればまやとアランは互角なのだが……。

 スキル面においてマヤはアランを凌駕している――倒すことなど容易い。

 しかし、目的はあくまでも冒険者の登録が目的。目立つことではない。


「マヤ、分かっているな」


 マヤは軽くうなずき剣を構える。

 その構えは完全に最後の物語の元ソルジャーみたいだった。


「全力で……行く!」


 あの……マヤさん?

 目立たないで下さいよ。

 その意味わかってますよね?

 オレの目の前でマヤが消えた。

 えっ! マジですか!


 ガキン!


 マヤとアランの剣がぶつかり合い、火花が散った。


「ほう。我の初撃を凌いだのはお主が初めてだぞ!」


 マヤの変なスイッチが入りました。

 なんか口調変わってません?

 序盤に出てくる四天王(最弱)みたいなセリフみたいになってませんか。


「クッ……やりますね」


 アランの言葉にマヤはニヤリと笑った。

 

「我はまだ力の一割も出しておらんわ!」


 これは……おそらくは本気だ。

 本気なマヤちゃん降臨!

 筋力強化や攻撃力強化、敏捷強化に動体視力強化、それに剣技の能力が加わればその戦闘力の差は歴然としている。

 戦闘経験がはとんどないオレとマヤは、その圧倒的なステータスでゴリ押しするしかない。

 アランの目つきが変わった。単なる試験官という立場ではなく。完全に挑戦者の目だ。


「ふっ、いい目になったな。迷いが消えておるわ」


 なんのキャラだ?

 マヤ……お前は亀の甲羅を背中に背負ったどこかの仙人か?


「いきますよ!」


 アランも変なスイッチ入ったーー!


 もはや、立場は完全に入れ替わっていた。

 剣を構え様々な剣技で打ち込むアラン。

 それを片手で大剣を操り弾くマヤ。


「まだまだぁ!」


「遅い! 剣が止まって見えるぞ!」


 アランとマヤの打ち合いを周囲は言葉もなく見守っている。


 ガキン!


 ついにマヤの剣がアランの剣を弾き落とした。


「凄い……なんて強さだ」


 アランは剣を拾いその場に直立する。


「ご指導ありがとうございました。師匠!」


「スゲーさすが師匠だ!」


「今の剣技見たか!」


「師匠! 今度からあなたを師匠と呼ばせてください!」


「女王様! 今度そのおみ足で私めをお踏み下さい!」


「この豚め! と一言お願いいたします!」


 マヤはいつの間にか師匠と呼ばれるようになっていた。ちょっと変なのも混じっているが危険なければ問題ない。


「お兄ちゃん、マヤやったよ!」


 褒めて褒めて! とマヤがすり寄ってきた。


「おめでとうマヤさん。合格です!」


 潤んだ目でローズが宣言した。アランも「師匠なら当然です」とうなずいている。

 よし。とりあえずは冒険者の登録をすることができた。

 マヤには後でたっぷりとお祝いをしてあげよう。

 ベッドの上で!


「でも、ちょっと目立ちすぎちゃったかな?」


 うん。目立つなって言ったよね。お兄ちゃんの言う事きかなかったよね。

 マヤには後でたっぷりとお説教をしてあげよう。

 ベッドの上で!


「おめでとうございます。マヤ」


 ミーシャも嬉しそうだ。よし、今夜はみんなでお祝いだ!

 ベッドの上で!

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