「むっ!」
「花巻の地元ヒーロー! やはり、あのレストランのイケメン二人だったのね!」
「ドクターMAX……」
「アンタたちにMSPを回収させている間、あの二人を軽妙なトークで引き付けておこうと思ったのだけど……」
「軽妙なトーク? そんな器用なこと出来るんですかニャ?」
「初耳だぴょん……」
ネコまんまとウサギぴょんが揃って首を傾げる。
「ええい、うるさいわね! こうなったらあのG‐EXとやらを始末しなさい!」
「了解しましたニャ」
「任せて欲しいぴょん」
「さて、どうする? 鳴鐘……」
「北海道から来たヒーローたちは倒れている。彼らを当てには出来ん……」
「俺たちでやるしかないというか……まあ、その方がかえってやりやすいかもな」
「そういうことだ、至仁!」
「何を一人でぶつぶつ喋っているニャ!」
「戦闘員ども、叩きのめすぴょん!」
「うおおっ!」
「ふん!」
「どわあっ!」
G‐EXが腕を振るい、あっという間に戦闘員たちを叩きのめす。
「大したことはないな……」
「前菜にもならん……」
「むむっ!」
「なかなかやるぴょんね~」
「感心していないで、アンタたちでかかりなさい!」
ドクターMAXが声を上げる。
「はっ!」
「分かりましたぴょん!」
「それっ!」
「!」
ネコまんまがG‐EXの背後に回る。
「スピードはその程度か! もらったニャ!」
「むん!」
「なっ⁉」
G‐EXが掌を広げると、ネコまんまが吸い寄せられる。
「『銀河パンチ』!」
「ニャッ⁉」
G‐EXの強烈なパンチがネコまんまの体に突き刺さる。
「……手応えあり」
「相変わらず良いパンチだ、鳴鐘」
「がっ……今の吸い込みは一体……」
「ブラックホール的なものを発生させ、あらゆる物体を引き寄せることが出来る……」
「ブ、ブラックホール的なもの⁉ ど、どういうことニャ⁉」
「……さあ?」
「俺らもよく分かっていないんだよ」
G‐EXが首を傾げる。
「じ、自分でもよく分からんものを使っているのか⁉ ヤ、ヤバい奴ニャ!」
「いやあ……」
「照れるな……」
G‐EXが自らの後頭部を撫でる。
「褒めてないニャア!」
「ふん、それならば吸い寄せなければいいだけぴょん!」
「ん?」
ウサギぴょんがぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「これならそうそう吸い込めないぴょん!」
「へえ……よく考えたな」
「どうする? 至仁?」
「問題ない……!」
「むっ⁉」
G‐EXがあっという間にウサギぴょんとの距離を詰め、懐に入る。
「『鉄道キック』!」
「ごはっ⁉」
G‐EXの鋭いキックがウサギぴょんの体をくの字に曲げる。
「どんなもんだ」
「ナイスキックだ、至仁」
「ぐっ……なんだ、今の移動は……」
「鉄道のようにレールを敷いて移動出来るんだ」
「そ、そんなことが⁉」
「出来るんだからしょうがないな」
「くっ、ネコまんま!」
「おう!」
「おっ⁉」
ウサギぴょんがネコまんまを抱え、高く飛び上がろうとする。
「そっちが二人で一人ならこっちも力を合わせるニャ!」
「そうぴょん! 空なら届かないだろうぴょん! ……うん? なんか重いぴょん……」
「え? ああっ⁉」
ネコまんまが驚く。自分の尻尾にクラブマンがハサミで挟んでいたからである。
「す、少し大人しくしていろ……」
「むうっ⁉」
「その程度の高さなら十分だ!」
G‐EXが空中にレールを敷き、その上を走って、ウサギぴょんたちに迫る。
「し、しまった!」
「『銀河鉄道アタック』!」
「⁉」
G‐EXが勢いよく体当たりをかまし、ウサギぴょんとネコまんまの体を貫く。
「ニャア! せっかく復活したのに!」
ネコまんまとウサギぴょんが爆発させる。二つの球体が戦闘員たちの前に転がる。
「ド、ドクターMAX! コアを回収しました!」
「よくやったわ! ここは撤退するわよ!」
ドクターMAXたちは足早に撤退する。
「お、落ちる……⁉」
落下するクラブマンをG‐EXが受け止め、地上に降り立つ。
「お陰で助かりました……クラブマンさん。お礼にデザートでもいかがですか?」
「は、はい、頂きます……」
クラブマンは恍惚とした感じで頷く。
「……再生怪人は弱いと聞いていたが、そんなことは無かったな」
「……ええ、そうね」
「何をムッとしているのだ、舞?」
ジンライが舞に尋ねる。
「運命の君だって、いつの間にか、敵の幹部とそんな爛れた関係に……」
「そ、それはあの女科学者が勝手に言っているだけだ!」
舞の言葉にジンライが慌てる。
「素敵だったな、G‐EX……ああいう男になりたいものだ……」
「ジッチョク、お前……まあいい」
「はい、もう一杯! お姉さん! 555杯目! もうすぐ日本記録だよ!」
「むっ、むう……ね、ねえ、これってノンストップなの? どうやったら終わるの~⁉」
帰りに立ち寄った盛岡のわんこそば屋にドトウの声が響く。
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