俺は噴水前から、ここライズ王国から帝都の方角へと向かうことにした。魔王城は、帝都よりも遠いところにある。村や町を過ぎて森や沼、そして山を踏破したところにあった。
「なあ、ランダル……その……今、思ったんだが添い寝って、エッチなことはしないよな?」
「ぶっ!! バカーーー!! こんな小さな子になんにもしねえって!! それに俺の頭には常に配信用webカメラが巻かれているんだぞ!!」
「大丈夫ですよー。私のレベルは9999は軽くありますので、御就寝中に敵に襲われるなんてことはありません。ですので、存分に休んで下さいね」
「て、聞いてねえええええええ!!」
「聞いてないな……」
俺とスザンヌは、長旅に色々と途方にくれた。
「よし! じゃあ、もう準備万端だと思うから、早速だが。スザンヌは騎馬隊を呼んできてくれ。これから、ライズ王国の西門から帝都の近くのソンブ村というところへ向かおう。俺が以前に魔王討伐に旅立った際も、そこでお世話になった村だ。なかなか酒場の飯が美味いんだぞ」
「切り替え、早ーーー!!!」
「うん? 一応、リスナーの仲間もいるじゃないか?」
「いや、なんでもない。そういえば、お前はランダルだったなあ……。ああ。では……」
呆れているスザンヌが馬上からすっと、口笛を吹こうとした。だが……。そこで、不思議とスザンヌがまだ口笛を吹いて呼んでもいないといのに、噴水前に突然、騎馬隊が集まりだした。
俺はリルリスが呼んだのかと思って、そっちの方を向くと、リルリスは西門の方へスタスタと歩いていってしまっている。リルリスは決して、騎馬隊をタイミング良く呼んだわけじゃないんだろうな……。
そうか!! ……多分、騎馬隊が密かに画策したんだ。女騎士団長のスザンヌのどこかには、予めセンサーが付いているんだ!!
「お前ら……私を監視しているのだな! そうだな! そうだろ! そうのはずだ! そうなんだ!」
スザンヌが弓矢を静かに構えだした。
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