「くらえーーー!! 音速ソリッド・スラッシュ!!」
俺は魔王の右腕を横薙ぎに斬り捨てた。
音速ソリッド・スラッシュの音速を超えた剣圧によって、魔王城の広間全体が激しく揺れ出した。
目では決して見えない斬撃は、そのまま魔王の右腕と下半身と上半身も二つに分離していた。
魔王はやっと、吐血して膝から崩れ落ちた。
だが、こいつは不死身なんだ。
斬っても、斬っても、斬っても、斬っても……だあーー!
もう、滅べーーー!
俺は魔王に向かって、愛用の鋼炎剣を最上段に構えた。
「むむむっ! なんと! お、恐ろしい技じゃ!」
「はははっ! 見たか! この技はなあ!」
「むっ! 隙がでた!」
「うん?」
「お茶でもどうじゃ」
「いやいや……その手には乗るかっての!!」
今度は、俺は振り上げた鋼炎剣で魔王の頭上に向かって唐竹割りをした。
ザシュっと、派手な音と共に魔王の頭部から血が吹き出た。
「うぐっ! 見事じゃ! ……ほんとにお茶はいらぬのか?」
「……ああ。って、いうか。お前。もう、死んでるだろ?」
「ああ、それでは横になろうぞ。ぐふっ、フフフフ。よいか、勇者よ。地獄の底から未来永劫。お主に、……茶を持って参るぞーーー!!」
魔王の余裕の言動に、俺は戦慄を覚えていた。ああ、また蘇るんだな。と、半ば諦めていた。健やかに微笑んでいる魔王の身体は、粉々になって、やがて、塵となっていった……。
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