皆さんこんにちは!
僕はミミズ師匠です。
この作品は、路頭に迷った僕の最終奥義とも言える作品です。
できるだけ面白いラブコメに仕上げるつもりなので、どうか最期までお付き合いよろしくお願いします。
基本的に深夜投稿になると思います。
ちなみに、最初は2年生の4月から始まるんですが、卒業までやります!
今日もいい感じの青空だ……。
そう思いながらに、俺は学校への道を歩く。
俺――神山 翔也――は、ただの高校2年生である。
いや、正確に言うと今日から2年生なんだが。
そんな俺の後ろから、急に抱き着く誰かさんが一人。
「おっは~、翔也!」
肉桂色のボブヘアーに海蒼色の瞳の少女――三河 愛果――だ。
こういうことをしてくるだけあって、俺は愛果と幼馴染である。
ただ、愛果は俺の高校で一番人気のある女子で、去年度は週に一度くらいのペースで学年問わず告白されていた。
本人はどんなイケメンや有能から告白されても全て「NO」だったけど。
まあ、俺も昔から愛果は美少女であると思ってる……言ったことはないが。
「おい愛果、そういうのは勘違いされる原因になるからするなって言っただろ……」
「別に勘違いされてもボクは困らないし」
ちなみに、愛果はボクっ娘で運動もできるから、意外と女子からの人気も高い。
他愛ない話をしながら俺たちは歩いていると、愛果は思い出したように言った。
「そういえば、今日からヤバい人が学校に来るんだってさ」
「ヤバい人?何がヤバいのかくらいハッキリさせといてほしかったな」
「うーん。ボクもそう思ったんだけど、分かってるのが存在がヤバい人てことくらいなんだよねぇ」
存在がヤバいってどういうことだ?
有名人だったとか、そんな感じだったりするんだろうか?
まあ、いずれにせよ問題児とかじゃないといいんだが。
*
そのまま歩いて数分。
後ろからトンデモ発言がしてきた。
「おーい!今日もイチャついてんのかー?」
「だから言ってるだろ!俺と愛果は付き合ってねぇよ!」
その声の主は、小学校からの親友である稲原 燿利だ。
コッチは学年最強のスポーツマンでありながら白いナチュラルショートに灰色の瞳が印象的なイケメンという、欠落した部分を見つける方が大変なほどのヤツだ。
そして、そんな二人が周りにいるからこそ強く思っている。
……どうしてこの二人は付き合わないんだろうか、と。
どちらも申し分ない相手だし、むしろお似合いだとすら思う。
ただ、そんなことを言ったら色々されるのは目に見えているから何も言わない。
そんなこんなで、話しながら学校に到着した。
ホント、学校までの距離がもっと長ければいいのに。
そう思っていると、愛果のスマホが震えだした。
スマホを取り出した愛果は、電話の相手と話し始めたみたい。
「もしもし、どうしたの?」
『あ、愛果?愛果のクラスがどこかもう見といたよ』
「サンキュー。で、どのクラスになったの?」
どうやら友達と話してるらしい。
その友達が愛果のクラスをどこか知ったみたしだし、少し聞いてみるか。
『愛果は私と同じ2-8だよ!し・か・も、翔也と燿利くんも一緒みたいだよ!』
「え、マジで!?良かった……」
久しぶりに愛果と俺と燿利は同じクラスとのこと。
どれくらいぶりかは忘れたけど、2年生が一番青春って感じだからありがたい。
しかし、愛果の友達の話はそこで終わらなかった。
『あと、これは心して聞いてよ?』
「何々?もしかして、転校生ちゃんボク等のクラスに!?」
『さっすが愛果。察しがいいねぇ~』
……え?今何て?
俺たちのクラスにあの存在がヤバい転校生だと……!?
幸か不幸かはまだ分かんないけど、こんな時期にそれはいい予感がする。
どんな人かは教室に行ってからのお楽しみって感じか。
『それじゃ、先教室に行ってるねー!』
「うん、後で行くね」
そう言うと、愛果は電話を切った。
すると、急に愛果が横から抱き着かれッ……!?
「やったね!三人で同じクラスって久しぶりだからテンション爆上がりだよ!」
「分かった!分かったから放してくれ!」
「今はいーの!」
放せ!じゃないと多くの生徒にトンデモナイ誤解を初日から与えることになる!
ほら、新1年生も見てるじゃねぇか!
……まあいいか。別に誤解なんて解くだけだし。
それはそれで面倒だが、たまには愛果の自由にさせるのも……。
そんな結局は成すが儘になる俺を見て、燿利が一言。
「これじゃあ、ただのイチャラブカップルだな……フッ」
「笑うな!」
*
「うう……。首痛ぇ……」
あの後、燿利によって愛果から解放された。
当の愛果本人は、俺を嬲れたことに満足らしい。
まあ、俺も仕返しとかするつもりはないからいいけど……。
「さっきのはホントゴメン!今日の帰りに何か奢るから!」
「いや、気にしてないしいいよ」
「そうなの?……まあ、学校で一番人気の娘に抱き着かれて嬉しくないワケがないからねぇ……」
「余計に話をこじらせるな!」
今日の愛果は今までと少し違う気がするけど、3年ぶりに同じクラスになれたから嬉しくて騒いでるだけだろう。
そのまま三人でバカ騒ぎしながら教室に入る。
俺たちはその瞬間、獲物を探す狩人の顔になり、転校生を探す。
しかし、どう見ても去年度からいた人しかいないようにしか見えないんだが。
いや、ここにいる全員、普通に去年度からいたよな?
「ああ、お前たちも転校生に興味津々なのか。でも残念だったな。まだこの教室にはいないぞ」
今年度の担任が、キョロキョロしてる俺たちに気づいてそう言う。
つまりは、あと少しお預けということなワケだが……。
俺は気づいてしまった。……窓際の最奥の席の右が俺で、その左、つまりは俺の隣が、その転校生だということに。
まだ名前は分からないけど、俺の隣の席だけ座席表に書かれていなかったのだ。
「……先生。俺の隣が転校生なんですね」
「ああ。ちゃんと色々教えてやるんだぞ」
新年度初っ端からそんなイベントって、現実にありえたのか。
……酷い意味で存在がヤバい人じゃありませんように。
それから数分後、先生が全員に着席の号令を掛けた。そして、先生は言い放つ。
まるで、崇拝の対象が現れる前触れのような顔で。
「いいか。今日からこのクラスで生活を共にする仲間は、あと一人いる。それじゃあ、入ってきてくれ」
先生がそう言うのと同時に、ドアが開けられて誰かが入ってきた。
身長は高いでも低いでもなく、赤いロングヘアーを靡かせている。
その黄色の瞳は、多くの人を引きつけるような感じがする。
……むっちゃ美少女やん。
というか、どこかで見たことあるような……?
愛果と負けず劣らずの人気を誇ることになりそうな美少女は、教卓の前に立つと。
「初めまして。私は大日向 璃乃です。今日からよろしくお願いします」
「「「えっ、えええー!?」」」
……このクラスに降臨したのは、まさかの元人気アイドルだった。
次回 Episode002 元国民的アイドルは、どうやら俺が好きらしい
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