紅いギフト

red gift.
Kay.
Kay.

♯1 紅いギフト

公開日時: 2022年6月24日(金) 19:59
更新日時: 2022年6月24日(金) 21:18
文字数:1,637

現代フランス・リヨン PM13時。


フラン第二大学内、ある人がアルガ考古学研究所を訪れた。


すごく、ガッシリとした体型に、髪はショートなのに前髪にウェーブが流れる。ダークブルーのスーツにスポンジボブのキャラが描かれたネクタイ。その男は、なにか書類を持って研究所に訪れる。


やあ? 元気か? 諸君。


あなたは? いま研究中なのですが?


と、1人の院生が言う。


ロワイエ博士は居るかな?


博士なら、奥のデスクです。


うむ、ありがとう。


と、歩き始める。


だれだ? あの人?


その男は一室の扉をコンコンとノックをして、中に入る。


君か? 久しぶりだね。


ロワイエ・アルガ考古学博士、お久しぶりです。例の件でここまで、来ました。


そうか、あの件か。まったく興味深いものをまた見つけたな。たまには私に見つけさせてくれ。


ロワイエ・アルガ、フラン大学考古学博士として有名。モロッコ、フランスで数々の遺跡を発掘した。 昔はシュッとしていたが、今は少し太っている。


そうは行きませんな? ところで、あの子はいますか?


もうすぐ来る。


すると、研究室のほうから声掛けが聴こえる。


ん? 騒がしいな。


来たようだな。彼が。


え?


ふたりは研究室に出ると、1人の男性に対して、「お疲れ様です!」、「おはようございます!」などと、丁寧に挨拶をしている。


彼が? ぎふとくんか?


そうだ、日本人の岐阜梅斗、通称ぎふと。この大学の院生で、歴史考古学専攻。大学ではあの男より優れた人は居ないとまで言われた研究生だ。


その話を聞いて、男は声を掛けた。


君、ぎふとくんだね?


ん? そうですが、あなたは?


話は向こうでしようか?


はい。


そういうと、三人は先程のデスクのある室内に入る。


それで?


名遅れたな、私はロイク=ピエール・サンドJrだ。


え!? あの有名なジョルジュ=ピエール・サンドの息子!?


そうだ。


すごい! あの歴史的遺跡物を発見し、論文をだした博士であり、冒険家! 握手お願いします!


と、ニコニコになりながら手を差し伸べる。


ああ、よろしくな。


と、握手をする。


それより、話をしよう。


わかりました。


我が国モロッコの遺跡、ヴォルビリスはわかるな?


ああ。


その近くの砂漠にある遺跡を発見した。それがこれだ。


と、手に持っている書類、写真をみせる。


これは? なんだ?


こいつにまだ名はない。ただ、これは街だ。明らかな街。


はい。


君はこの大学で1番優秀で、フランス語、スペイン語、日本語を操るそうだな、しかも最近研究がつまらないと言っているそうだな。どうだ? 興味ないか?


それはどういう?


この街を一緒に調査してみないか? この街を見つけたものの、誰も調査を一緒に進めてくれないし、この遺跡さ偽ものとも言われた。だが、俺は本物だと確信している。しかもこの街は、1人で調査したが、よく分からないものだからだ。


え、まじですか? それは嬉しいです! でも、あなたでも分からない事があるんですね。


まあな。決まりだな! 明後日からモロッコに来てくれ。


え、明後日ですか? 家とか大学とかどうすれば?


そこは大丈夫だ、君はシャウエンにある大学の研究員として働く、除籍される事はない。家もモロッコで俺が用意する。航空券も出すから安心しろ、バッグ1つで大丈夫だ。


わかりました。


ではおじゃまするよ、ロワイエ博士。


すると、立ち去ろうとするロイク。


あ、そうだ、君に名刺を渡しておく。なにかあったら連絡くれ。あとこの写真も。


ありがとうございます。


ではまた。モロッコで会おう。


と、ロイクは研究所を出てズカズカと大学から出ていった。


噂に聞いてたが、すごい貫禄のある人だな。


と、ぎふとは写真と名刺をみる。その写真はモロッコで撮影した奇妙な「紅い街」の遺跡だった。モロッコにはシャウエンという場所に「青い街」がある。それと似た紅い街、モロッコになぜ紅い街を築き、建立されたのか。


───── 2日後、モロッコ。


ぎふとは遺跡調査のため、モロッコのシャウエンに降り立った。


どんな刺激的な日々、謎が待っているのだろうか。

ぎふとはワクワクしていて、その顔を隠せずにいた。




ー ♯1 紅いギフト ー つづく。

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