現代フランス・リヨン PM13時。
フラン第二大学内、ある人がアルガ考古学研究所を訪れた。
すごく、ガッシリとした体型に、髪はショートなのに前髪にウェーブが流れる。ダークブルーのスーツにスポンジボブのキャラが描かれたネクタイ。その男は、なにか書類を持って研究所に訪れる。
やあ? 元気か? 諸君。
あなたは? いま研究中なのですが?
と、1人の院生が言う。
ロワイエ博士は居るかな?
博士なら、奥のデスクです。
うむ、ありがとう。
と、歩き始める。
だれだ? あの人?
その男は一室の扉をコンコンとノックをして、中に入る。
君か? 久しぶりだね。
ロワイエ・アルガ考古学博士、お久しぶりです。例の件でここまで、来ました。
そうか、あの件か。まったく興味深いものをまた見つけたな。たまには私に見つけさせてくれ。
ロワイエ・アルガ、フラン大学考古学博士として有名。モロッコ、フランスで数々の遺跡を発掘した。 昔はシュッとしていたが、今は少し太っている。
そうは行きませんな? ところで、あの子はいますか?
もうすぐ来る。
すると、研究室のほうから声掛けが聴こえる。
ん? 騒がしいな。
来たようだな。彼が。
え?
ふたりは研究室に出ると、1人の男性に対して、「お疲れ様です!」、「おはようございます!」などと、丁寧に挨拶をしている。
彼が? ぎふとくんか?
そうだ、日本人の岐阜梅斗、通称ぎふと。この大学の院生で、歴史考古学専攻。大学ではあの男より優れた人は居ないとまで言われた研究生だ。
その話を聞いて、男は声を掛けた。
君、ぎふとくんだね?
ん? そうですが、あなたは?
話は向こうでしようか?
はい。
そういうと、三人は先程のデスクのある室内に入る。
それで?
名遅れたな、私はロイク=ピエール・サンドJrだ。
え!? あの有名なジョルジュ=ピエール・サンドの息子!?
そうだ。
すごい! あの歴史的遺跡物を発見し、論文をだした博士であり、冒険家! 握手お願いします!
と、ニコニコになりながら手を差し伸べる。
ああ、よろしくな。
と、握手をする。
それより、話をしよう。
わかりました。
我が国モロッコの遺跡、ヴォルビリスはわかるな?
ああ。
その近くの砂漠にある遺跡を発見した。それがこれだ。
と、手に持っている書類、写真をみせる。
これは? なんだ?
こいつにまだ名はない。ただ、これは街だ。明らかな街。
はい。
君はこの大学で1番優秀で、フランス語、スペイン語、日本語を操るそうだな、しかも最近研究がつまらないと言っているそうだな。どうだ? 興味ないか?
それはどういう?
この街を一緒に調査してみないか? この街を見つけたものの、誰も調査を一緒に進めてくれないし、この遺跡さ偽ものとも言われた。だが、俺は本物だと確信している。しかもこの街は、1人で調査したが、よく分からないものだからだ。
え、まじですか? それは嬉しいです! でも、あなたでも分からない事があるんですね。
まあな。決まりだな! 明後日からモロッコに来てくれ。
え、明後日ですか? 家とか大学とかどうすれば?
そこは大丈夫だ、君はシャウエンにある大学の研究員として働く、除籍される事はない。家もモロッコで俺が用意する。航空券も出すから安心しろ、バッグ1つで大丈夫だ。
わかりました。
ではおじゃまするよ、ロワイエ博士。
すると、立ち去ろうとするロイク。
あ、そうだ、君に名刺を渡しておく。なにかあったら連絡くれ。あとこの写真も。
ありがとうございます。
ではまた。モロッコで会おう。
と、ロイクは研究所を出てズカズカと大学から出ていった。
噂に聞いてたが、すごい貫禄のある人だな。
と、ぎふとは写真と名刺をみる。その写真はモロッコで撮影した奇妙な「紅い街」の遺跡だった。モロッコにはシャウエンという場所に「青い街」がある。それと似た紅い街、モロッコになぜ紅い街を築き、建立されたのか。
───── 2日後、モロッコ。
ぎふとは遺跡調査のため、モロッコのシャウエンに降り立った。
どんな刺激的な日々、謎が待っているのだろうか。
ぎふとはワクワクしていて、その顔を隠せずにいた。
ー ♯1 紅いギフト ー つづく。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!