ご近所STORY2 エレクトリック・ダンス

ちょっぴり笑えるSF ご近所物語の続編です
主道 学
主道 学

5-27

公開日時: 2024年7月18日(木) 12:56
文字数:1,412

 すぐに助手席のヨハがアサルトライフルを窓越しに撃ち放って応戦した。警察機関のサブマシンガンは当然、アンジェたちにも被弾するのだが、弾丸がノウハウ用なので、アンジェたちに当たっても尽く跳ね返る。

「おい!! 撃つな!!」

 バリケードの向こうから、警官隊のリーダーらしき男が一人こっちへ拡声器で大声を張り上げる。

「C区が!! 不穏なのはこっちも解るから!! 大人しく投降するんだ!! 矢多辺

 雷蔵!! 話を聞いてやるから投降しろ!!」

 僕は気にせずにアンジェたちに攻撃の指示をだし続けた。正面の警官隊とノウハウたちがバリケードごと嵐のような煙の中へと消えていった。自分も弾丸に迷いを乗せずに撃った。車が更に被弾し、フロントガラスに貫通しないまでも、ヒビが生じてきた。だが、アンジェたちの銃撃はノウハウよりも正確で、あっという間に警官隊やノウハウたちが全て地面に倒れていった。

 まるで、戦場にいるかのようだ。

「矢多辺 雷蔵―!! 抵抗するなー!!」

 警官隊のリーダーが大声をだすが僕の銃撃で、その男も倒れた。

 僕たちが去るときには、T字路を塞ぐ全てのノウハウの残骸と警官隊が地面に沈んでいた。


 夜道で走行中。

 白い建物が見えてきた。

 教会のようだ。

「あそこも壊すか……」

 僕がそういうと、ヨハが首を激しく振り、

「雷蔵様! あそこはダメです!」

「え……?」

 ヨハの拒否が僕には信じられなかった。そんな権限はないはず。

「さあ、霧島インダストリー社に行きましょう」

 ヨハの声に僕はすぐさま反応した。

 頷くと、体の痛みが激しくなった。


 僕は今度は霧島インダストリー社の敷地に向かった。

 僕は、復讐心に焦燥感を煽り立てられていた。

 霧島インダストリー社が見えてきた。

 180階のモダンな巨大な会社を見ると、僕は地下の駐車場へと向かった。大きな建物に入るためだ。

 二人のゲートキーパーが僕の顔を見ると真っ青になった。

 何かを叫んでいるが、僕はアンジェたちに合図した。マカロフが火を吹くと、ゲートキーパーの一人は倒れた。マルカのアサルトライフルでもう一人が撃たれた。

 地下3階へとスピードを上げていると、警備の武装したノウハウの集団が均等に前方に列をなし現れた。ヨハがその中心に緊急不可視高速モードでグレネードランチャーを撃った。

 大きな爆発音の後、バラバラと倒れたノウハウ。けれど、無事な数体のノウハウが撃ってきた。

 耳をつんざく銃声の後に、アンジェがアサルトライフルでノウハウを一体ずつ片付けていった。付近の高級車もアンジェたちがアサルトライフルでハチの巣にしていく。

 煙と火炎の中。

 車から降りると、迸る痛みを気にせず正面玄関へと走った。

 殺風景な地下3階の駐車場にはノウハウの残骸とほとんどの廃車だけが残った。


 超重量の弾丸が社内を破壊する。

 グレネードランチャーやアサルトライフルで、ガラスが割れるどころか会社の壁や柱を粉砕し、内部が黒炎を噴き出した。今の時間までいる社員は、受付の人たちしかいないが、マカロフの銃弾で床に沈んでいった。警備会社のハンドガンを手にしたノウハウがわらわらと玄関先に集まってきていた。マカロフではノウハウは倒せない。

 ヨハがアサルトライフルを撃った。

 ノウハウたちが撃ち返す。

 アンジェたちが被弾をしているが、アサルトライフルの弾はノウハウの体を貫通する。45口径のライフル弾だ。ノウハウが倒れていくと、僕は未だ過度に熱せられた頭と心のためオーバーヒートしてエレベーターへと向かった。


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