[クリアレース]攻略情報なしのMMO 初クリア者に10億を

当然中身はデスゲーム
アリエス
アリエス

突然そのゲームは発表された

公開日時: 2022年12月7日(水) 19:17
文字数:1,834

「は?なんだこりゃあ」


起きていつも見るニュースサイトには


ランキング1位

[総合ランキング1位・ゲームカテゴリ1位]


『驚嘆!!初クリア者には10億!MMOのローンチまでわずか5日』


と書かれていた。釣りニュースかと思った。

アクセス数稼ぎのフェイクニュース。

こういったキュレーションサイトだと、わりと見かける。


「うそだろ・・・?」


「コメント数もやべぇことになってやがる。」


コメント5312 👁224万


そして、ほかのサイトを見ても同じような記事がトップに


でている。


「おいおい。ついにゲームも来るとこまで来やがったか。」


不審な点は複数ある。例えば、そのゲームを出す企業。

「The DIVINE」という聞いたことのない企業。


そこから生まれる疑問。資金はいったいどこからだ?

MMOはゲームの中でも、イニシャルコスト・ランニングコスト共に

莫大な金額がかかる。。


こんな金額、1つや2つの企業の内部留保だけではとても作れないはず・・・。

だが、株式発行で資金を調達したという記事もない。。

賞金といい、開発資金といいどうなってるんだ?


「なーに難しい顔してんの!」


「あ?」


「どうしたの~?あ、でたその記事!」


紅いポニーテールが印象的な女が俺の隣にきて、

モニターを見る。


「リンか。こんなゲームのローンチ情報って

見たことあったか?」


彼女は、オレが勤めていた企業の同僚で

なんやかんやあって、今は同棲している。


「ううん?今日の4時くらいに初めて記事見て、

もう即効応募した!」


コイツはいつも何かとやることが早い。


「一緒に応募してみようよ!

ダイブ型のゲームらしいよ!」


「ダイブ?あれって禁止されてたんじゃないか?」


電磁波を発生させるカプセル・睡眠導入剤・脳波を使用して

現実ではない電子の世界に入る。

それがダイブ型のゲームだが、緊急の医療スタッフ配置、

弱めたといえど娯楽による薬品の使用などが問題視され

ついに世界各国はその技術を封印した。


「まぁ・・・大丈夫でしょ!!

使えるようになったんだよきっと!」


…それもそうか。

オレと彼女のようなハードゲーマーは、それを目的に

ダイブ型ゲームがプレイできる海外へ旅行をしていたが、

そのときも使用した限りでは問題なかった。


「初クリア者には10億だよ!

そんな大金あったら、もう人生勝ち組だよ~!」


身体をくるくる回転させて、意味のない言葉を

永遠に発していた。


「うるさい。下の階の人に怒られるだろうが。」



(積みゲー消化するのも疲れたし、新しいことにもチャレンジしてみるか)


申し込み料金5,000円を支払い、応募してみる。


「ま、当たんねぇよな。世の中そんな簡単じゃねぇ・・・。」



内心バグバグさせながら、毎日当選メールが来ないか見る。


(当選したら、どこでダイブ型ゲームをプレイするんだ??

やはり海外か??)



ローンチ日の前日。19時にメール更新をしたが何も来ない。


「チっ。金払って落選のメールもこねぇ。新しい詐欺か?」


スクロールして一応、過去のメールも見る。



(やっぱきてねぇ)


「リン、そっちはメールきたか?」


彼女も詐欺という言葉に少しひやっと顔をしていたが、

ぶんぶんと顔を横に振る。


イライラする気持ちを紛らわす代わりにコンビニへ行き、タバコと酒と

おつまみセットを購入して自宅へ帰る。


「リン、タバコ買ってきたけどいるか?」


「うんん。いらなーい。」


(そういやタバコをよく吸ってたのは、前の彼女か。)


タバコを吹かして、ベランダの夜風に浴びる。


(あ、玄関の鍵閉めたっけかな。)


なんてことを思って、紫煙をくゆらせていた。


その時である。


冷たいものが首の後ろに触れて、痛みが走る。


(・・・・・!?)


視界が大きく揺れ、全身の体温が急速に冷えてきた。

身体に力は入らず、その場で倒れてしまいそうになる。


(だ・・・れ・・・だ。)

膝に両手をつけ、背後を確認する。


そこにはガタイが良く、喪服のような真っ黒いスーツを

身に着けた男性が立っていた・・・。


そしてヤツの後ろには赤いポニーテールの女はすでに横たわっていた

のだった。

その後、俺は成すすべもなく崩れ落ちた。




作者コメント:


こんにちはこんばんは!


この度は、この小説を読んでくれてありがとうございます!

こちらは、主人公がダイブするタイプのオンラインゲームに参加することになります。


各種族、また人物によって扱える異能やその能力を使う条件が異なる

オンラインゲームで、激しい戦闘描写、そしてユニークなスキルで闘うことに

重きを置きたいと思います。


ぜひとも応援よろしくお願いします!

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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