「まずは種族か・・・!」
他の参加者がどうかは知らねぇが、
とりあえずさっさと音声主の言う通りに
俺はゲームを進行していく。
MMOゲームによっては、かなりこの"種族選び”
が大事になったりする。
種族によってスタート地点が異なるゲームや
ステータスの細かいパラメーターなどが変わってくることが
MMOの定石である。故にこそ、ここで決めた種族で変わるわけだが・・・
・ブリッツァー
・マームートン
・フルーエ
・アイシー
・エトワール
・ガイスト
「なるほど。かなり本格的なMMOだな。
かなりの種族はあるようだ。」
一通り目を通してみたが、ある程度いままでのMMOを
踏襲しているようだ。
①種族によって扱える属性の種類が違う
②種族によってスタート地点も異なる
③スキル習得のためのスキルツリーは種族で固定される
④種族の変更はできない
とりあえず、各種族の属性・特徴・骨格プレビュー
を見る。
が、ほぼ俺の心の中では、決まっていた。
「筋肉バカのマームートンてめぇが俺の分身だああああああ!!」
物理に完全特化したマームートン。
おおよそ全種族が『魔法』を使いこなせるようだが、
マームートンだけは『物理』にとことん適正があるらしい。
マームートンにすると、筋肉ムキムキで少し俺にどこか似た
アバターが出てきた。
どうやらアバターの容姿を好きなように作れるクリエイト要素はないようだ。
あくまでベースはオレ。
「んあ?ああ、こいつがスキルツリーか・・・!」
身体の形をしたスキルツリーで、足には『常時スピード+0.2倍』『全力走行時+0.5倍』
右腕なら『ガード時の防御軽減率+3%』など様々なものがある。
いわゆるパッシブスキルか。
まぁ俺は左手の『全力攻撃時のガード崩し率+3%』に振る。
どうやらこいつはオレと一緒で、左利きみたいだ。
最後にアズルという必殺技を覚えるためのスキルツリーが出てくる。
名前は"アズルツリー"とわりと直球である。
「これは・・・」
吐血の一撃・・・攻撃モーション直前に発動することはできない。
発動後、8秒以内に敵の顔面を攻撃すると通常の2.5倍のダメージ
再使用リキャスト:4分
千里眼付与・・・プレイヤーおよびNPCに触れると発動。動きを追跡するデバフを付与する。
対象者は1人のみ。別の対象者にこのデバフを付与すると、以前の対象者は
デバフが消滅する。デバフ対象者が死亡した場合、このアズルは消滅する。
「ほう・・こいつはなかなか面白そうじゃねぇか。」
どうやらパッシブとは異なり、かなり種族毎にアズルも異なっていそうな作りだ。
(どの種族が何を覚えるのか・・・それを理解することが
最重要だろうな。)
俺は颯爽とアズルを選択し、設定を完了した。
「マームートンの種族を作成した中で、あなたがもっとも
早くキャラクリエイトを終了しました。スピードボーナスとして、
[スキルツリー+1]を獲得しました。」
「あ??」
スキルツリーが再び展開され、パッシブ選択となる。
「ほぉ・・・こいつはかなりユニークな設定だな。
なるほど、スタートからすでに勝負は始まってるってことか。」
オレは、全力走行時のスピードパッシブスキルを振るのだった。
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