カチ、カチ、カチ、カチ
部屋中に響き渡る置時計の針の音。
ベッドに横たわってから何回目かは数えていないが、再び目を開ける。
時間を確認すると、すでに夕方の5時を回ろうとしていた。
昨日は家に帰ってから、特に何も食べずにずっとベッドで過ごしている。
目をつぶっても深い眠りにつくことはできず、結局すぐに目を開けてしまう。その繰り返し。
再び部屋を見渡す。
結葉はいない。
当然だ。
結葉は自ら命を絶ってしまったのだから。
……あれから3カ月。
ボクが彼女のためにしてあげられたことはあっただろうか。
正義だと思ってやったことは、真中さんからすれば、間違いだった。
でも、今度はそんな間違ったボクを守ってくれるという。
いつもいつも女の子に守られてばかり。
いつかはボクも守る側の人間になりたいと思っていた。
今度こそはと意気込んだけど失敗した。
それでも諦めないと誓った。
結葉を守れなかったボクだけど、真中さんに守られるボクだけど。
いつか絶対に恩返しをしよう。
……それにしても、真中さんはいつ頃来るんだろう?
今日は平日。
学校が終わったらそのまま来てくれるのかな。
天井を見つめ、置時計の針の音を聞きながら、ボクは真中さんが来るのを待ちわびた。
ピンポーン
一瞬意識が飛びかけたが、玄関のチャイムの音で我に返る。
時間を確認すると夜の9時を示していた。
思ったより遅かったけど、やっと来てくれたのかな?
はやる気持ちを抑えながら、ボクは玄関に移動して、ドアスコープを確かめる。
柔らかくて優しい笑顔がそこにあった。
施錠を解除し、扉を開ける。
この扉の先にある、明るい未来を信じて。
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