連載中 短編 その他 / 日常

自由への意思

公開日時:2022年4月19日(火) 14:24更新日時:2022年4月19日(火) 14:24
話数:1文字数:381
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いつものアラームの騒がしい音で目を覚ますと、

重たいカーテンの隙間から夕陽が差し込んできた。

僕は眉間に少し力を入れながら寝不足な目を擦った。


洗面台へ向かい顔を洗う。少しクマができている。

鏡に向かって笑顔を作ってみる。


「ふぅ。」


力の抜けた自分の顔を確認してから、撮影の為の服に着替える。

今日は視聴者さんからの質問に答える動画を取る予定だ。


髭を剃り、軽いメイクを済ませて、カメラの三脚をセットした。

いつものようにカメラの前に座り、今日の流れを確認する。


「・・・よし。」


僕は一呼吸して、カメラのボタンを押す。


「はいどうも〜!もっちーです!」


彼は今日も明るく爽やかに、みんなの期待に応えていく。

それは僕の自由への意思であり、3年前に叶えたかった理想でもあった。


彼は好きなことで生きている。

自他ともにそう思っているだろう。


そう、僕を縛るものなど、もう何もない。


僕は、自由だ。

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