いつものアラームの騒がしい音で目を覚ますと、
重たいカーテンの隙間から夕陽が差し込んできた。
僕は眉間に少し力を入れながら寝不足な目を擦った。
洗面台へ向かい顔を洗う。少しクマができている。
鏡に向かって笑顔を作ってみる。
「ふぅ。」
力の抜けた自分の顔を確認してから、撮影の為の服に着替える。
今日は視聴者さんからの質問に答える動画を取る予定だ。
髭を剃り、軽いメイクを済ませて、カメラの三脚をセットした。
いつものようにカメラの前に座り、今日の流れを確認する。
「・・・よし。」
僕は一呼吸して、カメラのボタンを押す。
「はいどうも〜!もっちーです!」
彼は今日も明るく爽やかに、みんなの期待に応えていく。
それは僕の自由への意思であり、3年前に叶えたかった理想でもあった。
彼は好きなことで生きている。
自他ともにそう思っているだろう。
そう、僕を縛るものなど、もう何もない。
僕は、自由だ。
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