「アルマさん、アルマさん。 彼があの剣士さんですか?」
「うん、ケリン・ストラトス君だよ」
「アルマに紹介されてしまったが、俺がケリン・ストラトスだ」
「私は王都【リベリウス】のギルド『ハーミット』のマスターのテリア・フィリスと言います。 職業は【ビショップ】です! よろしくお願いします」
「王都からの冒険者か。 すごいな」
「まぁ、私のギルドは別ルートから帝国領に来たんですけどね」
クレージュ共和国のエレノアと話をしている所で、テリアがアルマに再度話しかけて来た。
彼女もケリンに興味があるようで、一応顔合わせしたいようだった。
アルマを介してお互い自己紹介した二人。
テリアは、リーベル公国の王都【リベリウス】に構えるギルド『ハーミット』のギルドマスターで、【ビショップ】だという。
「ほぉ、王都から別ルートで来たのか。 興味あるな」
「といっても王都から帝国へは王都裏口から行くルートの方が近いんですけどね。 クレージュ共和国のエレノアさん……でしたね?」
「ああ、彼との話を聞いてたみたいだな。 話は早いか。 私が【錬金術師】であることも?」
「私は聞いてました。 ギャロウズさんは……他の冒険者と話をしているので知らないみたいですね」
「そろそろ彼とケリン君を引き合わせないと……。 顔合わせもそろそろ時間切れになりそうだし」
ケリンとテリアが、王都のギルドが別ルートで帝国に来たという話にエレノアが食いついた。
テリアはエレノアとケリンが話している内容を聞いていたので、ある程度自己紹介を簡略化したが、実際には王都裏口から出るルートで通ったようだ。
彼女はケリンとエレノアの会話である程度知っているのだが、ギャロウズは他の冒険者に話をしているので、知らないようだ。
アルマはそろそろケリンとギャロウズを引き合わせないといけないと考え始めた。
そろそろ顔合わせが終わりを迎え、明日に備えた作戦会議が行われるからだ。
「多分、無理じゃないですかね。 彼、ギルド加入してあまり経っていない他ギルドの冒険者には眼中にないようだし」
「そっか、キャリアは関係ないんだっけ。 彼は加入した年月で決めるっぽいから」
「なら、無理に引き合わせるまでもないだろう。 どうもリコリス王国のギルドの者がケリン君と話がしたいようだし」
「なら、その人達と話をしようか」
ギャロウズの性格を教えたテリアは、アルマに無理だと伝え、そこにエレノアがリコリス王国のギルドがケリンと話をしたいと伝えて来た。
なので、アルマはケリンを連れてリコリス王国のギルドの人達と顔合わせをすることにしたと言う。
「あ、ケリンさん」
「セリア、それにフレアも。 この人たちが?」
「はい、リコリス王国のギルドのギルドマスターさんです」
「初めまして、私はリコリス王国領の【ココン】の町に構える『サージェンド』のマスターのカリナ・オルソンと申します」
「僕はリコリス王国の王都【レジアーネ】に構えるギルド『ゼウス』のマスターのアルム・アレルヤ。 カリナ共々よろしく頼むよ」
「俺はリーベル公国の『スカーレット』所属のケリン・ストラトス。 こっちはそのギルマスのアルマ・カトワール」
「よろしく。 お互い、頑張って帝国のギルド派を倒そうね」
「ええ、こちらこそ」
「そうだね。 お互い頑張ろう」
リコリス王国のギルドの者とセリアを介して顔合わせし、自己紹介も済ませた。
彼らともお互いいい感じで話をすることが出来たようで、アルマも安堵している。
(だけど、ギャロウズさん……ケリン君を始め、他の冒険者にも眼中にない感じだね。 不安だなぁ)
もうすぐ顔合わせが終わり、作戦会議が行われる。
明日の決行を前に、アルマはギャロウズの立ち回りに不安を感じた。
ケリンを始めとした一部の冒険者達とは、意図的に顔合わせを避けている部分がアルマからして不安を感じ取ったのだろう。
テリアからも指摘された部分でもあり、これが作戦に影響する可能性も少なからずある。
「では、顔合わせをここで終わり、明日に向けた作戦会議を始めます」
メルア皇女の号令で顔合わせが終わり、これから明日の決行に向けた作戦会議が行われる。
アルマはこの先の不安が拭えないまま作戦会議に臨む。
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