久しぶりの更新です。
お待たせしました。
メルア皇女から帝国のギルド派が明日にもクーデターを起こすという話を聞かされ、一時冷静でいられなかった『スカーレット』のメンバーと『スチュワート』のメンバーは、今は落ち着きを取り戻し、今しがた食事を終えた所だ。
そして、メルア皇女の案内で他国の冒険者が集まっている大広間に案内される。
なお、少年は騎士団に手厚く保護され、依頼が終わったらフレアが引き取る事になっている。
「そういや、他のリーベル公国の冒険者はどうなってるんだろうね」
「俺達やセリア達以外のギルドのだな? 確かにどうなってるか……」
メルア皇女に案内されている間に、アルマは少し気になった事をケリンと話していた。
自分たち以外のリーベル公国のギルドはどうなってるかという事を。
「リーベル公国からの他の冒険者達は、二つのギルドのメンバーが別ルートからこの街に来たようですよ」
「あ、そうなんだ」
「ですが、リーベルからの冒険者ギルドの助っ人は、貴方達を含めても4つのギルドのみで、他はうちの国のギルド派によって撤退を余儀なくされたようです」
「なんと……」
「全滅を免れただけでもヨシとするしかないね」
二人の話を聞いたメルア皇女は、リーベルからの助っ人について答えてくれた。
どうやら、アルマやセリアのギルド以外にも二つのギルドがこの街に来たようだが、他は帝国のギルド派の妨害によって撤退を余儀なくされたらしい。
それを聞いたケリンやシルスは驚いていたが、アルマは全滅を免れた事に安堵した。
「リーベルから来た二つのギルド以外に、他国からの冒険者達も貴方達を待ちわびてます」
「そう言えば他国からって、具体的には?」
「クレージュ共和国やリコイル王国からうちの国のギルド派からの妨害をはね除けて来てくれてます。 リグレッド魔法国やその他の国は襲撃された事で派遣を断念されたから焦りましたが、貴方達を含めた彼らなら、ギルド派も抑えられるでしょう」
なお、メルア皇女のいう他国とは、クレージュ共和国やリコイル王国という国からの派遣された冒険者らしい。
リグレッド魔法国や先程の二つの国やリーベル公国以外の他国は、帝国のギルド派の妨害によって派遣を断念された為、メルア皇女も焦りを隠せなかった模様だ。
「こちらが大広間です。 この中に先ほどの冒険者達がいます。 彼らと顔合わせをこれから行います」
話をしていると、大きな扉がある場所に着いた。
メルア皇女曰く、ここが大広間でそこの中で多数の冒険者がいるようだ。
「では、入ります」
メルア皇女が扉を開けると、確かに多くの冒険者達が各テーブルに座っていた。
おそらくギルド毎に用意されたテーブルだろう。
「あ、アルマさん!」
「テリア!? キミの所のギルドもここに着いたんだね!」
「はい。 別ルートから妨害を跳ね除けてここまで来ました。 あと、 ギャロウズさんのギルドも来てますよ」
「え!? クレストの町のギルドの!?」
「そうだぜ、アルマ君」
「ギャロウズ先輩!?」
「ギャロウズさん」
中に入った途端、同じリーベル公国のギルドのメンバーからアルマに声が掛けられる。
アルマが知っているギルドの冒険者だろう。
アイシアも知っている辺り、初期の頃の知り合いだと思われる。
「俺達は指定されたテーブルに着くか」
「そうですね」
「まぁ、マスターに人望があるのはいい事だけど……」
「あはは……、私達はあっちですね」
残されたケリンとシルスとルーデシア、そして『スチュワート』のメンバーは指定されたテーブルにそそくさと向かう。
「お、君は……」
「ん?」
テーブルに着いた途端に別の方からケリンに声が掛かったようだ。
「君はクレージュ共和国でも有名になったケリン君だね?」
「はい……。 という事はあなたは?」
「その通りさ。 私はクレージュ共和国の領土内に構えるギルド『クレッセント』のギルマスさ。 私はエレノア・グレノールで、【錬金術師】さ。 この作戦に参加する者同士、うちのギルドのメンバー共々よろしく頼むよ」
「ええ、こちらこそ」
「しかし、初めて聞いたね【錬金術師】」
「私もですよ」
ケリンが振り向いた先に、白衣を来た女性がいた。
彼女はクレージュ共和国のギルドの一つ『クレッセント』のギルドマスターだった。
エレノアと名乗った女性は、聞いたことのないジョブ【錬金術師】のようだ。
「まぁ、【錬金術師】はクレージュ共和国限定のジョブだからな。 特に錬金術を嗜んだ者の血筋でないとなれないジョブだ。 聞いたことが無いのは当然の事さ」
「クレージュ共和国限定か」
「納得しました……」
「おーい、ボクを差し置いて何を話ししてるのー?」
エレノアと初めて聞く【錬金術師】について盛り上がっていると、アルマとアイシアがようやく来たようだ。
「お、君がケリン君が現在属しているギルドのギルマスかな?」
「あ、はい。 アルマ・カトワールと言います」
アルマに気付いたエレノアが、今度はアルマに声を掛ける。
アルマも慌てて反応し、自己紹介をしていた。
「セリアもリコイル王国のギルドの方に声を掛けられてますね」
「まぁ、今は顔合わせが目的だからね。 もうしばらくはそれが続くだろうね」
フレアとシルスはそう言いながら、アルマとエレノアのやり取りやセリアの様子を見ていた。
まだ、明日に備えての冒険者の顔合わせは始まったばかりだ。
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