作戦会議も終わり、明日に備えて各ギルドに与えられた部屋へ向かう。
アルマ達『スカーレット』のメンバーやセリア達『スチュワート』のメンバーは幸い部屋が隣同士なので、改めて確認の為にアルマ達の部屋にてミーティングを行おうと考えていた。
「まぁ、寝る時間はまだあるしね。 ひとまずみんなで確認をしておきたいんだよ」
「私もですね。 気になっていたことがあったので情報交換をしましょう」
セリアもアルマと同様に気になる事があったので、隣同士になった事ですぐに情報交換に至れると思っていたようだ。
「まず、顔合わせの際のギャロウズさんの動向だね。 ボクやアイシアが見た限りだと他国のギルドには目もくれず、ボクやアイシア、テリアのギルドのみんなとだけ話していたね」
「はい。 テリアさんのギルドのメンバーは私達と違って10人以上派遣してましたから」
「私達にもほとんど話しかけてこなかったですね」
「そうだね。 顔合わせにしてはあまりにもお粗末すぎる。 他のギルドメンバーもそうだ」
アルマとアイシアによるギャロウズの動向からミーティングは始まった。
改めて彼の動向をみんなに教えたようだ。
そこでルーデシアやシルスも思う所があったのか、思いっきりギャロウズへの不満を口にした。
「実は彼、【白魔術師】と【忍者】を明確に嫌っているんです。 テリアさんのギルドと話をしたのは、そのギルドのメンバーに二つの職業を持つ者がいなかったからなんです」
「なるほど。 道理で私のギルドにも明確に無視してきたのもメンバーに白魔術師がいるからなんですね」
「ボクとアイシアは個人的な接触をしてるから、まぁ大丈夫だったんだけど、シルス君やルーデシアの職業を看過して接触しなかったんだよ」
そこでアイシアがギャロウズが明確に【白魔術師】と【忍者】を嫌っている事を教えた。
セリアの『スチュワート』に接近しなかったのは、彼女のメンバーに白魔術師がいたからだそうだ。
幸い、アルマとアイシアは個人的な接触をしていたから大丈夫だったのだが、他のメンバーを何らかの形で職業を看過し、接触しなかったようだ。
「それで、何故あいつは相手の職業が分かるんだ?」
「古代のスキルに職業調査のスキルがあったんだよ。 それを会得して相手の職業を調査して顔合わせをしないようにしていたんだろうね」
ケリンの疑問に、アルマは憶測を交えてそう答えた。
ギャロウズが何らかの形で職業調査の古代スキルを入手し、それで相手の職業を調べて接する相手を選んでいると。
「これが本当ならどうやってそのスキルの書を手に入れたかは分からない。 分かる事は明日の作戦で、彼はきっと足並みを乱すことをしてくると思う」
「それが懸念か」
ここでアルマはようやく、ギャロウズの懸念の答えを出す。
二つの職業を嫌う男が、何らかの形で足並みを乱す可能性が出てきているからだ。
「じゃあ、何でメルア皇女は彼のギルドにカリナさんのギルドと組ませたんだ?」
「ある種の罰らしいよ、執事さんから聞いた話。 部隊分けの時にギャロウズさん、実はメルア皇女に食って掛かったんだよ」
「マジか……」
「彼は公私混同で動いているみたいですし、あの時の事で罰として白魔術師と忍者がいるカリナさんのギルドと組ませたんでしょう」
「逆効果になるんじゃ?」
どうやら、部隊分けの時にギャロウズはメルア皇女とトラブルを起こしてた。
アルマやセリアから聞いた話を纏めると、多分ギャロウズは自分だけで側面に対応すると言って聞かなかったのだろう。
しかし、メルア皇女がそれを許さないためにあえて罰ゲームとしてカリナのギルトと組ませたそうだ。
だが、セリアのギルドのメンバーの一人が逆効果になるのではという懸念が出た。
「ボクもそう思う。 だから、明日はケリン君に色々と動いてもらう予定だから」
「分かった」
アルマもその懸念はあるようで、そのためにケリンに動いてもらうようだ。
ケリンもそれを理解し、引き受けた。
「エレノアさんにはこの事は?」
「明日には伝えるよ。 エレノアさんのギルドメンバーにはケリン君の代わりに正面を守ってもらう事になるだろうし」
「そうですね。 明日がいいでしょう」
エレノアのギルドには、今の話を明日に伝えるという事で一致した。
場所的にも今の部屋からは遠いからだ。
「それじゃあ、そろそろ明日に備えてトイレを済ませて寝ようか」
「はい、みなさんお休みなさい」
「ケリンさんもゆっくり眠って下さいね」
「ああ、フレアもセリアもお休み」
そろそろ寝る時間になったので、セリア達は自分達の部屋に戻っていった。
トイレは各部屋にあるので、そこでみんな済ませてから明日に備えて眠りについた。
そして、いよいよ明日の戦いに突入する。
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