約二か月くらい間が空きましたが、お待たせしました。
「アルマ達のおかげで? リキュアの実力が?」
「はい。 アルマが特に『ビショップ』としての役割や使える魔法を教えてもらったり、一緒にその魔法を覚えるのを手伝ってくれました。 また、実戦でもアイシアが盾役を担ってくれたこともあって、その役割をしっかり果たせたのも大きいですね」
「今は亡きエリクシア王国のギルド『サテライト』とはえらい違いだな。 その時から仲間を支えあうっていうのが出来上がっているんだし」
「ああ、ケリンさんの最初のギルドはそうではなかったんでしたね…」
「そうなんだよな。 『サテライト』では冷遇されていたからなぁ」
リキュアが、当時のアルマとアイシアのおかげで徐々に『ビショップ』としての実力が上がってきたことを話した。
それを聞いたケリンは、かつての『サテライト』の件を思い出し、アルマ達のギルドが当時から支えあうギルドだったことに羨ましく感じた。
「でも、ケリンさんもここに入ってから、ギルドの主力になってるでしょう?」
「ま、まぁ、確かにアルマやみんなには認められてるし、レーツェル王子やエルザ王女とも知り合いだし」
「今が幸せである。 それでいいじゃないですか」
「それもそうか…」
ケリンが羨ましがっていた様子を見て、リキュアはそう励ました。
昔はいい扱いをされなかったが、『スカーレット』に来てからはみんな仲良くやっているし、子供にも好かれるし、何よりもアルマやアイシア、リキュアにも好かれているのだから。
確かにケリンの今は、幸せそのものなのだ。
リキュアの言うように、今が幸せならそれでいいのかも知れない。
「話を戻しますが、それでも、実力が高くなってきたと言っても、怖い時は怖いんですよ」
「ああ、確かに魔物とか盗賊とかの相手をしていると、不意に向こうが強かった場合とかはそういう恐怖に駆られるよな」
「はい。 当時の私は運悪くそのワンランク強い魔物と出会ってしまいました。 アルマとアイシアが同行していたとはいえ、とてつもない威圧を感じました」
話を戻して、今度はリキュアが不意に恐怖を感じてしまった話に触れる。
ケリンも当時は、そういった恐怖は知っている。 魔物や盗賊がいつもとは違う強さを身に着けていたりされたら敵よりも先に自分が死ぬのではという不安と恐怖に駆られた事があるからだ。
「ここだけの話ですが、その時はすごく恐怖に身体が動かなかったんですよ。 それをアルマやアイシアのおかげで恐怖から解放された時に漏らしてしまったんですよ」
「いや、いくら何でもそれを異性である俺に言っていいのか?」
「いいんですよ。 私もケリンさんのお嫁さんなのですから。 それ以来、私は極限の恐怖に陥るとトイレが近くなってしまうんですよ。 最近でそういう出来事もありましたし」
「ああ、エリクシア王国の【剣士狩り】と【ビショップ狩り】だな?」
「そうです。 その時は間に合いましたが、恐怖で漏らしそうになりましたからね。 アレンさんと組んでなかったらどうなっていたか」
「あの後で、俺がアルマと共に傍に居たり、励ましたんだったな」
平行して離されたのが、今のリキュアの体質の原因。
当時の彼女が、ワンランク上の魔物と出会った時に受けた威圧で死の恐怖を感じて失禁してしまったのがきっかけで、例のエリクシア王国による襲撃で漏らしそうになったという状態が起こってしまったようだ。
ケリンが流石に言っていいのかと諫めたが、彼女自身はケリンの嫁の一人であるために構わないのだそうだ。
「私がケリンさんを好きになったのは、それが理由なんですよ。 あの時にずっと私の傍に寄り添ってくれたから…」
(やはりあの時の…、アルマと三人部屋でリキュアの傍に居た時か)
ケリンの予測通り、リキュアがケリンを好きになった理由が襲撃後の三人部屋での励ましだった。
「そこで、スライム戦後にアルマに相談した所、アルマから『一夫多妻制』を利用すればいいと言ってくれました。 彼女もケリンさんが好きですからね」
「ああ、一昨日にアルマからも告白されたよ」
「ふふ、そしてアイシアもケリンさんの事が好きですからね。 そしてケリンさんが元孤児だったので、恋愛には上手く対処できないのも知っていますから」
「それでも、君がよければ今後もよろしくお願いしたい」
「ふふ、もちろんですよ。 私の方からもよろsくお願いしますね」
ここでケリンはリキュアの想いも受け止めて、改めて彼女とも付き合う事にした。
これで、三人の少女がケリンの嫁になる事が確定したわけだ。
「さて、そろそろユリアがぐずりそうだな」
「ええ、抱っこしてあげましょうか」
リキュアとの話が終わったと同時に、ユリアが起きたのでぐずる前にあやしてあげようと考え、ユリアが寝ていたベビーベッドに移動するのであった。
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