追放剣士は新天地のギルドで花を咲かす

追放された剣士ケリンが新天地で紡ぐ冒険者活動記
イズミント
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二人の女冒険者の末路

公開日時: 2022年1月25日(火) 14:14
文字数:2,062

17日ぶりの更新です。

お待たせしました。

「なるほど、こいつらがかつてアルマのギルドに連盟の許可なく乗り込んできた奴らか」


「そう。 そして、あの少年が女嫌いになった要因でもあるね」


 ケリンや他のメンバーが戦闘態勢を敷きながら、ケリンはアルマに目前の女二人について尋ねた。

 アルマもケリンの発言に否定しなかった。

 実際にアルマのギルド『スカーレット』に、連盟の許可を得ずに勝手に乗り込んできた輩だからだ。


「くっ、まさか道中で奴らに出くわすとはね!」


「構わない! 奴らもろとも斬り殺せば……ひぃっ!」


 戦士のゲスラ・アークムと黒魔術師のエビラ・エヴェルがアルマ達と出くわした事で動揺していたが、すぐに斬り殺せばいいと気合いを入れる隙に、ケリンが仕掛けてきた。

 牽制の意味を込めた攻撃だが、エビラが悲鳴をあげながら、腰の部分の衣服がいつの間にか斬られたようで、再び恐怖に震えた。


「お前らに色々言いたい事はあるが、こっちは急いでいる身なんでね。 さっさと片付けさせて貰うとしようか」


「や、やってみろぉぉぉぉっ!!」


 ケリンの挑発的な発言に怒りを露にしたゲスラが斧を持って斬り掛かる。


「相変わらず何かあればすぐに怒るよね。 【ファイア】!」


「ぎゃあぁぁぁぁっ! あ、あづいいいっ!!」


 怒りでアルマが魔法を唱えた事を知らず、そのままゲスラはアルマの【ファイア】の炎をまともに受ける。

 全身が火だるまになったゲスラはのたうち回る。

 だか、ゲスラの胸当ては魔法耐性が高い代物だからか、すぐに炎は鎮火した。


「げ、ゲスラ……!」


「や、やってくれたね! あたいの肌に火傷を負わすなんて……!」


「腐っても金は持ってたみたいだね。 奴の胸当て、魔法耐性があるよ」


「だが、アルマの魔力が高いから、ファイアでもかなりの火傷を負わしてるな」


「なら、私の技も合わせて仕掛けましょうか」


「させないよ! 【アースグレイブ】!!」


「おおっと!」


 セリアが自分の技も合わせて仕掛けようとした時に、エビラが【アースグレイブ】の魔法を放った。

 下から突き出る鋭い石がアルマ達を襲うが、アルマ達はそれを予測してなのか、全て回避していた。


「ぐ、お、おのれ……!!」


「無詠唱で【アースグレイブ】を使えるのは評価するけど、当てるならボク達の動きを予測してからにすべきだったね」


「こうなったら……【アイスニードル】!!」


 自棄やけになったエビラが今度は【アイスニードル】の魔法を放つ。

 これでもかという程に乱射しながら。


「甘いね。 【フレイム】!」


「な、なぁっ!?」


「よし、今だッ!!」


「はいっ! ソニックバスター!!」


「「ぎゃあぁぁぁぁっ!!」」


 エビラのアイスニードルをアルマの【フレイム】によって溶かされた事に動揺した隙にケリンとセリアがソニックバスターを放つ。

 動揺の隙を突かれた二人は、回避できずにソニックバスターの攻撃を受けてしまう。

 衣服や肌を切り裂かれながら、風圧の勢いで吹き飛ばされたのだ。


「う、ぐ……」


「あ、ぐ、ぅ……」


 二人のソニックバスターによる攻撃で満身創痍になったエビラとゲスラ。

 そこにアルマとフレアが止めとばかりに魔法を放とうとしていたのだ。


「ま、待って!」


「あ、あたい達を……あたい達をこのまま殺す気なのか!?」


「当たり前だよ。 既に連盟から許可されてるしね。 お前たちが未だに野良冒険者なのは調べがついてるからね」


「悪いけど、あの子を苦しめたあなた達を私は許さない」


「い、いや、やめ……」


「「【ヒートストーム】!!」」


「「ひぎいぃぃぃぃぃぃ!!」」


 ゲスラとエビラは、アルマ達に命乞いをしたが二人は未だに野良冒険者なのだ。

 ルールが変わり、野良冒険者で居続けている者には容赦なく処刑できるという事になったので、フレアとアルマが同時に【ヒートストーム】の魔法を放った。

 この魔法は中級魔法に位置しており、アルマの魔力ならば人間を一気に消し炭にすることが可能な威力に化ける。

 今回は報告の為に、あえて首から下の部分を消し炭にし、生首に状態にしたようだ。


「何というか……器用だなぁ。 二人同時の火の魔法で首から下だけを消し炭にするとは」


「アルマやフレアさん程の黒魔術師ならこういった器用な事が出来るんですよ。 とりあえず生首を包んで連盟に報告するだけですね」


 二人の器用さに呆れに近い声を発したケリンに、アイシアがそう言った。

 アルマ程の実力を持つ黒魔術師なら特定の部位のみを消し炭にすることも出来るのだとか。

 そう言いながら、アイシアがゲスラ達の生首を包んでは、また別のインベントリに入れた。


「さて、少し時間を食っちゃったね。 ここから暫くは行けるところまで馬車を走らせよう。 トイレに行きたくなったら言ってくれればトイレ休憩にするからボクかセリアに伝えるようにね」


「「「了解」」」


 エビラとゲスラを屠ったはいいが、少し時間を掛けてしまったのでここからは行けるところまで馬車を走らせることにした。

 ただ、トイレ休憩はちゃんと与えるみたいなのでそこは安心だろう。


 アルマ達『スカーレット』とセリア達『スチュワート』一行は、改めて『オルフィーナ』の町を目指して馬車を走らせるのだった。



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