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サンダードラゴンの件から2日経過した。
アイシアのチームも昨日の夜にも帰還し、今日の早朝の今、アルマの部屋で情報交換を行った。
鉱山の町『ステイシス』で起こった出来事は、魔王の手下の仕業だったことが判明し、そのまま駆除したことで鉱山は解放。
無事にミスリルの採掘が再開されたという事でアルマは安心したようだ。
「しかし、魔王や悪魔族がミスリルに弱いとはねぇ」
「反魔族の力が鉱山内にこもっていたらしく、アークデーモンは最終的に爆破させるつもりだったみたい」
「そうなれば、ミスリルを採掘することができなくなる……か。 やってくれるよ。 確かにミスリルは特殊な魔力が籠ってるから今の魔王や悪魔族に対しては有効な一撃を与えられるからね」
魔王の手下であるアークデーモンが、鉱山を占拠した理由と最終目的を聞いて、アルマは表情を歪める。
アイシアも半ば呆れながらも淡々と報告をしていた。
「そういえばケリンさんは?」
「ユリアちゃんをあやしてるよ。 リト君と一緒にね」
「リト君とリリちゃん……。 帰って来た直後に対面したけど、未だに双子なのが信じられないよ」
「あの子たちが双子なのは本当だよ。 最初の頃の能力は他の子より低かったけど、ケリン君とトレーニングしているおかげで基礎能力は上がってるからね」
「そうなのね。 しかし、アレックス帝国は今はどうなってるのかしらね」
双子の話題は、アイシアも帰還後に双子と対面しているので程々にしておいて、その双子を追放したというアレックス帝国についてどうなっているかをアルマに聞いていた。
「アレックス帝国に関してはまだ動きはないかな? でも、クーデターの予兆はあるから注視はしておくに越したことはないよ。 かつてのエリクシア王国のように連盟を占拠して即戦力主義かつ双子は無能なんていう歪んだ思想を植え付けられる可能性もあるからね」
「脳筋主義みたいに? 頭が痛くなりそうね」
「ボクもそう思うよ。 しかも、向こうの多数のギルドは連盟とも対立しているからね」
「連盟とも……。 これもエリクシア王国みたいな感じよね。 リーベル公国や他の国はどうしているの?」
未だにアレックス帝国はクーデターの予兆が燻っているために注視したほうがいいとアルマは言う。
あそこに構えている大半のギルドが、即戦力至上主義の集まりであり、反連盟かつ反皇帝の意志を明確にしているからだ。
そんな状況になっている事も踏まえて、アイシアはリーベル公国や他国の動きについても聞いてみた。
「基本的に介入の姿勢を取ることは判明してる。 向こうの即戦力至上主義を浸透させられたら溜まったもんじゃないしね」
「確かに、他の国は冒険者連盟が初心者冒険者を支援していますしね。 双子であろうがなかろうが」
「そういう事。 冒険者の大半は誰でも弱いんだからその子たちをじっくり育てていく事が冒険者連盟のコンセプトだからね。 現在の皇帝はそれに沿っただけなんだけどね」
「それが気に食わないギルドが多いと」
「かもね……。 何せ、昨日のレーツェル殿下の話じゃアレックス帝国のギルドの大半は連盟の脱退をマニュフェストに掲げているしね」
他国は基本的にアレックス帝国に介入する姿勢を取っているようだ。
基本的に世界各国が冒険者連盟に加入していないといけないのだが、かつてのエリクシア王国はそれを拒否している。
さらには、アレックス帝国にある多数の即戦力至上主義を掲げるギルドが冒険者連盟の脱退をマニュフェストに掲げているようだ。
「私達はどう出るの?」
「連盟を通じて国から依頼があれば出向くしかないよ。 こっちにはリト君やリリちゃんがいるからね」
「やっぱりそうなるかぁ」
そして、今回のアレックス帝国の件での『スカーレット』としての動向は、国から連盟経由で依頼が来たら出向く以外にないようだ。
今の『スカーレット』のメンバーの中に、件の双子が所属しているのもあるからだ。
それを聞いてアイシアがため息をついた事でノックが聞こえた。
「あ、はーい」
「ケリンだ。 情報交換は終わったか?」
「もう終わるよ。 どうしたの?」
「エクレアが朝食を作ったそうだから、そろそろ食べた方がいいぞ」
「あ、そうか、もうそんな時間だね」
「もうすぐ行くと皆さんに伝えてください」
「ああ、アイシアも早くな。 アレンとかが待ちきれない様子だったしな」
「アレン……」
ノックした相手であるケリンから、朝食が出来たという報告が来たので、情報交換も早々に切り上げてトイレなどの準備をしてから部屋を出る。
「確か今日はエクレアが朝食を作ったってケリン君が言ってたね」
「そうね。 彼女の料理も楽しみだけどね。 早く食堂へ行こう」
「あと、ケリン君ユリアちゃんを抱っこしていたね。 報告の際、ユリアちゃんの声も聞こえたから」
「そういえば、ケリンさんはユリアちゃんからパパって呼ばれてるって?」
「そうだよ。 さっきも『ぱーぱ』って聞こえたから」
「本当にユリアちゃんをあやすの上手だなぁ。 あ、みんな待ってる」
「ごめん、遅くなった! さぁ、食べようか」
アルマとアイシアがようやく食堂に到着し、アルマの一声でようやくみんなで朝食を食べる事になった。
これから先の出来事に備えての活力として、皆、エクレアが作った料理に舌鼓を打っていた。
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