一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった

キミと駆け抜けたアオハルDays
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デート(横浜)

デート(横浜)

公開日時: 2021年5月31日(月) 00:10
文字数:2,723

〈奏太side〉

思った以上に恥ずかしいんだけど...

このまま帰すわけないじゃん...とか、このまま襲いますよって言ってるみたいじゃんかよ...そりゃ襲えるもんなら襲いたいよ!当たり前だろ!こんなに惚れるもんか?ってくらい惚れてるんだから!

だからこそ、大事にしたいって気持ちも強いんだよな...

でも、このまま来蘭を帰したくはなかったし、もう少し一緒に居たかった。

「来蘭、これからデートしよ」

「デート?」

俺を見上げながら来蘭が言う

「横浜で降りよう!」

横浜に着き、ベースケースを持とうとする来蘭に

「ほら、貸して、重いだろ?俺持つよ」

と言って俺が持った。

「ありがとう、そうちゃん」

片手にベースケース、もう片方の手には来蘭の手を握って電車を降りた。

「ねぇそうちゃん...ひとつワガママ言ってもいい?」

「ん?ワガママ?そんなもんひとつと言わずいくつでも言えよー」

「あのね、そうちゃんとお揃いの物が何か欲しい...キーホルダーとか、シャーペンとか、そうゆうなんでもない物でいいの!」

あんまりにもかわいいこと言うから、立ち止まってしまった...

「そんなのワガママでもなんでもないでしょ?ばかだなぁー

俺も欲しいよ、来蘭とお揃いの物!なるべく毎日身につけたり使ったりする物が良くない?」

「うんうん!」

嬉しそうに来蘭が頷く

「よし、じゃあ、みなとみらいの方行こう!」

地下鉄に乗り換えてみなとみらいに行くことにした。

電車を降りて、長い長いエスカレーターに乗って地上に向かっていると、何かを見つけた来蘭が、俺に言う

「そうちゃん!あれ見て!スヌーピー!!」

それは、ここにしかないスヌーピーショップの大きなスヌーピーバルーンだった。

「来蘭スヌーピー好きなの?」

「大好き!キャラクターの中で1番好き!」

「じゃあ、スヌーピーの物でお揃いの探そうか?」

そう言ったら、来蘭は今日一番の笑顔で

「うん!」

と言った。

店内に入ると、来蘭はあれもこれもかわいいかわいいと言って、嬉しそうに見ていた。

そんな来蘭が足を止めて

「そうちゃん!そうちゃんの誕生日っていつ?」

と聞くから

「6月6日だよ」

と答えると

「あった!これだ!」

それは365日バースデーストラップだった。

「来蘭の誕生日は?」

「わたしは2月4日」

「あった!」

今度は俺が来蘭のを見つけた。

「そうちゃんの誕生日知れて嬉しい...」

とか言うから

「うん、俺も!よし、じゃあこれは買おう!」

それから俺たちは、お揃いのシャーペンと、お互いのイニシャルのキーホルダー、そして来蘭がどうしてもとお弁当箱を買った。


外は夕闇が迫り、綺麗なセピア色に染まり始めていた...

「来蘭、赤レンガ倉庫の方いってみようか?」

「うん!行ってみよう!」

手を繋いで歩きながら、あの観覧車はまた今度来て乗ろうね、とか

ランドマークタワーにも今度行こうね、とか

中華街で食べ歩きデートもいいね、とか...

いつくものデートの約束をした。

赤レンガ倉庫に着いた頃には、すっかり暗くなっていて、温かみのあるライトに照らされた赤レンガ倉庫はとてもロマンチックで、海の向こうに見えるベイブリッジもすごく素敵だった。

俺たちは、ベイブリッジがよく見えるベンチに腰を下ろした。

「素敵すぎて言葉が出ないね...なんか大人のデートみたい...」

景色を見ながら来蘭が言う

その横顔がとても綺麗で、少し見惚れてしまった。

「来蘭?こっち向いて...」

ゆっくりと俺の方を向く来蘭を引き寄せて、唇を重ねた...

何度も何度も唇を合わせるうちに、少し息が上がった来蘭の口が少し開いた...

俺は

「大人のKissしよっか...」

と囁いて、少し激しい大人のkissをした...

唇を離すと、来蘭はトロンとした顔をして、身体の力が入らなくなって、俺に身体をあずけて言った

「こんなkissずるい...」

俺はフニャりとした来蘭を抱きしめて

「俺をこんなに惚れさせた来蘭がいけない」

って、おでこにkissしながら囁いた。


帰りの電車に揺られながら、さっき買ったお揃いの物を俺に差し出す来蘭。

俺のイニシャルの〈S〉のキーホルダーと、〈6月6日〉のストラップを俺に渡すから

「来蘭それ逆...」

と言って、俺に渡されたキーホルダーとストラップを来蘭に渡して、来蘭が手にしていた〈R〉のキーホルダーと、〈2月4日〉のストラップを俺がもらった。

きょとんとする来蘭...

「俺のイニシャルとバースデーを来蘭が付けて、来蘭のを俺が付けた方がいいでしょ?」

と言うと、来蘭はちょっと考えてから俺を見て頷いた。

こうゆうとこホント天然ちゃんなんだよね、来蘭は...

あーもう、くそかわいいっ!!

もう次は俺が降りる駅だ...

明日また学校で会うのに離れたくなくて、なんか急に会話が途切れた。

俺はそっと来蘭の手を握って言った

「ちっちゃい手だなぁ」

「それ、今朝も言った」

来蘭がふふふと笑った。

「楽しかった今日の最後に、来蘭が笑ってくれて良かった」

と、俺も笑った。

電車は無情にも駅に辿り着いてしまった...

「あ、そうだ、これ」

俺はさっきガムと一緒に買った絆創膏を、来蘭に渡した。

「ブーツの縁のとこ、赤くなってたから...

痛いの我慢してたんじゃないかと思ってさ...後で貼りな?」

離したくなかったけど、握ってた来蘭の手をそっと離して

「じゃあまた明日ね」

と言って、電車を降りた。


〈来蘭side〉

わたしは渡された絆創膏を手に、降りてったそうちゃんにありがとうっていいそびれてしまって

「あ」

って固まった。

閉まったドアの向こうで、そうちゃんは手を振っていた。

走り出した電車の中で1人、ブーツの縁が擦れて赤くなった脚を眺めていた。

そうちゃん気がついてたんだ...

少し紐を緩めて、絆創膏を貼った。

スマホを取り出して、そうちゃんにメッセージをした

「絆創膏ありがとう。今貼ったよ。そうちゃんいつから気がついてたの?」

少ししてメッセージが返ってきた

「やっぱり痛かったんだ?もっと早くに気がついてやれれば良かったな、ごめんな来蘭...電車乗る時、ホームの階段登る時に足かばってたから変だなと思ったんだよ」

なんだかもう次の駅で降りて、そうちゃんを追いかけたいくらいの衝動に駆られて、絆創膏の箱をぎゅっと握り締めた。

「そうちゃん大好き」

ってメッセージを打って、送信しようとして手を止めた。

通話マークのボタンを押して、繋がるのを待った。

「もしもし?どうした?」

そうちゃんの声が聞こえてきた

「そうちゃん...大好きだよ」

とだけ言った

電話の向こうでそうちゃんが笑ってる

「俺のが来蘭のこと好きだけどね」

って声が返ってきた。

「気をつけて帰れよ?」

と優しい声で言うそうちゃんに

「うん。また明日ね」

と言って、電話を切った。




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