それから来蘭は三日三晩、手術後の発熱と痛みにうなされた状態が続いた...
加奈の計らいで特別個室に移してもらえたため、俺は本当にずっと来蘭の側に居た。
来る看護師さん来る看護師さんに、寝なさい、食べなさい、と心配されたが、全く聞く耳を持たず、俺は病院中の看護師さんに知られることとなった。
痛い痛いとうなされる来蘭の側に居るのは、本当に辛かった...
ちょっとさすがにしんどくなって、3日目の明け方に、外の空気を吸いに屋上に行った。
紫色した夜明け前の空は、みるみるうちに色を変えてゆく...
「夜が明けて行く時の朝焼けの空見たことある?」
いつの間にか隣に居た看護師が俺に聞く
「いや...って春子さん!!」
「しっ!黙って!ほら!始まる!」
紫色だった空は水色に色を変え、地平線のあたりが白く光り出したかと思ったら、オレンジ色の眩い朝日が見渡す限りの景色を真っ赤に染めた...
「夜勤の時の楽しみなんだよね...この朝焼けを見るのが...
特別個室の子のイケメン彼氏って奏太だったのか」
って笑ってるこの人は、春子さん...俺の母親...
「この病院で働いてたんだ...」
「あの子が目を覚ます前に、あんたが倒れたらどうすんのよ...」
「うるせーよ」
「彼女が目を覚ます前に、その汚ったない顔さっぱりさせといた方がいいんじゃない?」
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