〈奏太side〉
コンコン...
来蘭の病室をノックする
どうぞ、と来蘭の声
ドアを開けると、俺と入れ替わりで
「じゃあまた明日な、来蘭」
と言って出てきた紫音を俺は睨みつけた。
すれ違いざまに紫音の口角が上がった気がした。
「そうちゃん!」
来蘭がベットから降りて、俺にぎゅっと抱きついてきた。ちょっともうこのまま押し倒していいですかレベルの可愛さなんですけど!!
ホントにね、俺よく我慢してると思うの!
そんな俺を不憫に思って先輩たちが、来蘭に似た感じの子が載ってるグラビアとか、AVとか、差し入れしてくれるんだよ...また吉井先輩のチョイスしたやつはレベル高いんだ...しかし腹立つのは、「いやぁーヌけたわぁー」とか言いながら俺に渡すんだよ!なんか来蘭でヌかれたみたいで、すっごい腹立つんだよあれ!!
え?いや、俺は見てないよ?
見てない...ってば...
来蘭は、しがみついたまま離れない。
「どうしたんだよ?」
と顔を覗き込んだら、顔を逆側に向ける...
向けた側を覗き込んだら、また逆側を向く...
何度かやった後、来蘭は俺の胸に顔をうずめながら話し出した...
「そうちゃん...」
「ん?」
「わたしね、もっとベース弾きたかった...」
「うん、そうだよな、弾きたかったよな」
「そうちゃんの好きな玉子焼き、また作って上げられないかもしれない...」
「俺が特訓して作れるようになるから心配すんな」
「いつか、そうちゃんが、こんなわたしが重荷になってしまったらどうしようって怖かった...だから前向きな振りして、無理して笑ってた...本当は辛かったの...」
「重荷になんかなるわけないだろ?
いいか来蘭、人間そんなに強くないって...いつもいつも前向きで居られるわけないだろ...
いつか俺が、前向きになれなくて苦しむ時には、他の誰でもなく、来蘭に支えて欲しいと思うし、来蘭が後ろ向きになってしまう時には、俺がお前を支えたいんだよ...」
「そうちゃん...」
「もっとそうやって甘えてくれよ来蘭...ワガママも言ってくれよ...もっと言っていいんだよ来蘭...
後にも先にも甘えてくれたのは、お揃いの物が欲しいって言ってくれたあの時だけだろ?俺あれ、すごい嬉しかったんだぜ?」
「そうなの?」
うずめてた顔を上げて来蘭が俺を見る。
俺は返事をする代わりに、kissをした...
俺にしがみついていた来蘭の力が抜けて行く...
今度は俺が来蘭を抱きしめる...
そのままベットに押し倒して、来蘭の身体に重なる...首筋へ愛撫をすると、来蘭はたまらずに吐息を洩らす...俺の腕の中に居たのは、もう少女の来蘭ではなかった...少女から女へと変わりゆくその姿は、とても美しく妖艶だった。
それ以上進んでしまいそうになりそうだったその時、検温に来た看護師のノックで我に返った...
看護師が検温を済ませて出て行くと、俺たちは顔を見合わせて笑った。
「早く退院しろよ来蘭...もう俺限界だわ...来蘭のすべてが欲しいよ...」
「うん...わたしもそうちゃんに、すべてをあげたい...」
そう言った来蘭は、今までで1番美しかった...
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