一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった

キミと駆け抜けたアオハルDays
退会したユーザー ?
退会したユーザー

初ライブ2

公開日時: 2021年5月31日(月) 01:30
文字数:1,431

初っ端からレベルの高いバンドに身体が強ばる...

1曲目からしっかりテンション上げさせるのは、固定ファンがしっかり着いてるとはいえ、凄い!

バーカウンターで、彼らの演奏に圧倒されていると、オーナーの大森さんがわたしの肩に大きな手を置いた。

「いいか?あのバンドと比べてどうかとか、そんなつまらないこと考えて演る前から負けるなよ?

死ぬ気でやってきたんだろ?」

そう言ってわたしの手を取り、血の滲む指先を見て口元を緩めた...

ネガティブなわたしが顔を出しそうになるのを、大森さんの言葉にハッとさせられた。

早くも2バンド目「Rosey」のライブが始まった。

ガラッとフロアの雰囲気が変わる。

コアなバンギャルたちが、最前列を固めている。

このバンド、女の子ファン率がものすごく高い...

確かにこのバンドのメンバーはみな、イケメン揃い。陽介くんのお兄さんの一樹(かずき)さんも、陽介くんのように長身で甘い顔立ちだし、ドラムとベースの2人は、アイドルのような可愛らしい顔をしているがプレイは荒々しくて、そのギャップにやられるし、拓海さんも...認めたくはないが、やはり華がある...

数曲ノンストップで演った所で、MCに入った。

拓海さんの喋りに黄色い声が飛ぶ...

「俺今落としたい女が居るんだ...

そいつは今この中に居る!」

彼のファンたちが発狂する

「今日はその子のためにこの歌を歌おうと思う」

彼の視線とスポットライトがわたしを撃ち抜く

彼のファンたちの怒りの視線がわたしに突き刺さる...

怖くてぎゅっと目を閉じた...

そこに聞きなれた声

「なんだアイツ?ふざけんなよ?来蘭を落としたい?バカじゃないの?」

目を開けると、めちゃくちゃ怒ってる加奈の姿があった。


「ちょっと加奈っ!拓海さんのファンたちの神経逆撫でするようなこと言わないでっ!」

カウンター下の扉を開けて、加奈を引っ張り込んだ。

PAを手伝っていたそうちゃんも飛んで来た。

「アイツまじバカなの?」

怒るより呆れてる...

「そうちゃんも!やめてっ!」

そうちゃんも引きずり込んだ。

ドリンクカウンター内に3人でしゃがんでひそひそ話す

「見たでしょ!あの最前列のバンギャルたちを!

Roseyのファンたち、特に拓海さんのファンたちはイカレてるんだって!さっき機材スタッフの武田さんが言ってた。あの人ファンに手を出すので有名で、抱かれた子たち同士がしょっちゅう騒ぎを起こすらしいんだよ...」

「ファンに手を出すって、吉井先輩みたいじゃん」

と言うそうちゃんに

「人聞きの悪いこと言わないでくれる?俺はちゃんと選んで抱くもん」

いつの間にか居た吉井先輩が言い返す

「面倒くさそうな女は抱かないもん」

「いや、そこ威張るとこ?」

そうちゃんがつっこむ

「あいつは見境なくファン食っちゃうからいけないんだよ!ヤバそうなのには手を出すなっつーの!」

「いやだから、そうじゃないでしょ?そもそも手を出すな!って話しでしょ!」

そうちゃんの発言にわたしと加奈は頷いた。

「ほらもう次出番なんですから!行きますよ!」

そう言ってそうちゃんが吉井先輩を連れて行った。

「来蘭、メイク直ししちゃおう!そろそろ出番なんでしょ?」

そのままドリンクカウンターの下で、2人しゃがんだまま、わたしは加奈に魔法をかけてもらった。

「加奈...これからわたしが歌う曲、加奈のことを想って書いたんだ...だからちゃんと聞いてて...」

そう言ってわたしは加奈の唇にチュっとkissをした...

「行ってくるね、加奈!」



読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート