〈奏太side〉
アイスティーを2つグラスに注いでリビングに来ると、来蘭はソファに座り、窓の外に広がる海を見ていた。
その横顔に見覚えがあった。
俺が来蘭に恋に落ちたあの時の横顔...
『物憂げながらも、芯の強さを感じる凛とした瞳...』
あの時と同じ瞳をした来蘭に、俺は何度でも恋に落ちる...
来蘭の足元に膝から崩れ落ち、身体で両足を押し広げ、唇を求める...
絡み合う舌と舌から、来蘭の激情が伝わってくる
「ヤバい、止まらない...」
吐息混じりに溢れる声に
「止めないで...奪って...わたしを奪って...」
懇願する来蘭に、理性が飛びそうになるのを必死に抑えた...
そのまま抱きしめて髪を撫でながら来蘭を落ち着かせる...
「来蘭...どうした?...」
「...あの人に『奏太から奪っていい?』って言われたの...」
「なにっ?!」
両肩を掴んで身体を離し、来蘭の目を見た。
苛立ち、怒り、怯え、様々な感情が絡み合った目をして見つめ返す来蘭
「あなたにわたしは奪えない!って言って立ち去ってきたけど、なんだか感情がぐちゃぐちゃで...」
もう一度来蘭を強く抱きしめ直して
「奪われるわけないだろ!どんな相手が挑んで来たって俺は負けないし、来蘭を渡すわけない!」
強い口調で言った。
そして目を見て
「安心しろ...」
そう言って優しくkissをした..,
やっと少し落ち着いた表情を見せる来蘭...
「だってそうちゃんさっき、わたしが遠くに飛んで行っちゃうのかな...なんて言うから...なんだかそうちゃんに手放された気になって寂しかったんだ...」
かっこ悪いな俺...
くだらない自分の不安を口にして、来蘭に寂しい思いををさせたことに気がつかなかったなんて...
ソファの下のラグに、ソファにもたれかかって座わり、足の間に来蘭を置いて後ろからぎゅうっと抱きしめる
「そうちゃんにこうされるのすき...」
俺の腕の中で来蘭が呟く
「俺もすき...思う存分来蘭の匂いが嗅げる...」
「やだぁ、嗅がないでー」
腕の中で暴れる来蘭を抱きしめる
振り返った来蘭の唇に軽いkiss...
「俺さ、かっこつけてたんだよ...独占欲に支配されて、来蘭を束縛するのはかっこ悪いって思い込んでた...
束縛するのは簡単なんだよ来蘭...でもこうやって腕の中に閉じ込めて愛の言葉囁きあっていても未来は見えないだろ?
お互いに見つめ合うよりも、お互いの視線の先に見えてるものが同じであることの方が、一緒に歩いて行けると思うから、こうして閉じ込めておきたい気持ちを押し殺して、来蘭が自由に飛べるようにしていたんだ。
でもそれが来蘭を不安にさせてたなんてな...
俺、カッコつけ損だよな...」
「そのままで充分かっこいいのに、更にかっこつけたりしないで、そうちゃん...」
消え入りそうな小さな声で拗ねてる
「来蘭に選ばれる男でいたいんだよ...」
耳にkissして、甘く香る首筋を愛撫しながら囁いた...
色気のある吐息を漏らしながら俺に身体を預けてくる来蘭の顎を引き寄せ、唇を奪い舌をねじ込む...必死に応えようとする来蘭の舌先が愛しい...
来蘭の頬を伝う涙が、俺の頬を濡らした...
「どうして泣くの...」
さらに溢れ出す涙をぬぐうこともしない来蘭
「わからない...ただ嬉しくて...幸せで...
嬉しくて涙が出てきたの初めてなの...」
涙の雫をキラキラさせて、屈託なく笑う彼女の美しさをなんて呼ぼうか...
俺の腕の中でまどろむ来蘭と俺の体温が、一緒になるくらいに、抱きしめていた...
「なぁ来蘭...このバンドでてっぺん目指さないか?」
「え?」
「来蘭の歌にはその力があると思うんだ。
優輝の楽曲とプロデュース力と来蘭の歌を持ってしたら夢じゃないと思うんだよ」
黙り込む来蘭...
「わたしにどれだけの力があるか分からないけれど、どこまで通用するのか試してみたいとは思う。5日後に1曲だけ演奏出来る機会を無駄にしないようにしないと!」
「そうだな!あのライブハウスのオーナーさん、業界にパイプもってるらしいから、その人の目に留まるような演奏してやろうぜ!」
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