〈奏太side〉
俺はカフェオレ、来蘭はいちごみるくっと。
2つ飲み物を持って屋上へ向かった。
屋上の扉を開けて、ぐるっと見渡して来蘭を探した。
ん?あれ来蘭か?
手で顔を覆った来蘭の前にしゃがんでる男がいる。
「俺の来蘭に何してんの?」
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来蘭のパンツを見られたー?
え?
彼氏の俺もまだ見てないのにー?
腹立つ、腹立つけども...
めちゃくちゃ来蘭がショック受けちゃってるじゃないかよ...
「来蘭?大丈夫?」
「そうちゃんごめんなさい...知らない男子に見られちゃった...」
かわいい...腹立つけど...かわいい...
ごめんなさいって言うところがたまらない。
俺のものなのに見られちゃってごめんなさいってことでしょ?
あの男は許さないけど、来蘭は許す。
来蘭の後ろに座り、しょげたままうなだれる来蘭を俺の足の間に入れて、後ろからぎゅっとして言った
「来蘭には怒ってないよ、ばかだなぁ...
あの男には腹立つけど...」
うなだれてた来蘭が顔を上げて、ゆっくりと俺の顔がある方を振り返った...
来蘭がゆっくりと瞬きするから、たまらずに唇に触れてしまった...
次の瞬間、絶対来蘭に怒られると思って覚悟したら、来蘭のくちびるが俺の唇に触れた...
予想外のことに、思考回路が停止する。
すると、前を向いてしまった来蘭が
「水色...」
とだけ言うから
「ん?」
意味が分からず聞き返す
「今日のパンツの色...あの人に知られて、そうちゃんが知らないんじゃ嫌だから...」
そのまま後ろにぶっ倒れた...
降参です...
俺の足の間に居た来蘭が
「恥ずかしい」
と小さく言った。
俺は起き上がって、もいちど後ろからぎゅっとした...
〈来蘭side〉
「美味かったー!」
そうそうちゃんに言われて、ホッとしながら自分のお弁当の蓋を閉じた。
2つのお弁当箱をランチバッグにしまうと、そうちゃんがごろんと寝転がって、わたしのひざに頭を乗せた。
「来蘭の匂い、俺好き...」
そう言ってわたしのひざで目を閉じるそうちゃん...そんなそうちゃんが愛おしくって、思わず頭を撫でていた...
「このまま午後の授業サボっちゃうか?」
とか言うから
「だーめ!」
と言って下を向いたら、そうちゃんの両手がすうっと伸びて、わたしの両頬に触れて、そうちゃんの顔が下から近づいて来て、チュっとkissされた...
「そうちゃんはkiss魔だよね...」
と言うと、またわたしのひざに頭を乗せたそうちゃんは、いたずらっ子のように笑った。
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