〈来蘭side〉
初めて声をかけてくれたのが「青木 奏太」くんこと、そうちゃんだった。
いきなり奏太って呼んで!とか言うから、ちょっとびっくりしちゃった
今まで男友達はもちろん、男の子の幼馴染なんてのも居なかったから、男の子の名前を呼び捨てにするなんて、そんなの無理無理
ドギマギしちゃってたら、ごめんごめんってそうちゃんのが慌て出しちゃって...
「奏太」って呼ぶのは出来なかったけど、なんか自然に「そうちゃん」って呼びたくなったんだ。
そうちゃんは、わたしのことをいとも簡単に「来蘭」って呼んだ。
そういえば、男の子に名前を呼び捨てにされたのは初めてだ。そう思ったら急に恥ずかしくなって、顔が火照るのを感じた。
「なあ来蘭はどこの中学から来たの?」
「わたし?わたしは小田原から来てるから多分知らない中学だと思うよ」
「小田原っ?遠いところから来てるんだなぁー」
そうちゃんがびっくりしてる
この高校は私立とはいえ、学区内からの生徒が多い。わたしみたいに学区外から入学してきてる子は少ない。だから学区外からの子はめずらしいんだろうな...
「あえて遠い学校選んだの....中学までのわたしのことを知る人が誰も居ないこの学校に、あえて来たの...」
中学でいじめられた記憶が蘇り、ふっと悲しくなった...
そんなわたしを心配そうに覗き込むそうちゃん
ハッとして笑顔を作って顔を上げた。
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