それから来蘭は、なにかある物で夕飯作ると言って冷蔵庫を開けてひとこと
「なにもない...」
2人で近くのスーパーに買い物に行って食材をたっぷり買ってきた。
カレーと牛丼をたっぷり作って冷凍しておくと言い、腕まくりをして、髪をひとつに束ね、キッチンで作り始めた。
手伝うよと言ったのだが、自分のペースがあるからいいのと追い出されてしまった。
カウンターに座って、来蘭が料理をする姿を見ていた。好きな女が料理する姿って、こんなにそそるもんなのか...あぁもう早く嫁にしたい...
カレーの美味しそうな匂いがしてきた頃に玄関のチャイムが鳴った。嫌な予感...
やっぱりか...
陽介と優輝が鼻をくんくんさせながら入って来た
「めっちゃいい匂いするんですけどー!」
陽介が叫ぶ
「あれー?陽介くんと優輝くんじゃない!今ちょうどカレーが出来た所だよ!」
キッチンから顔を出す来蘭
折角俺の為に来蘭が作ってくれたカレーなのに...
「お前らさー遠慮しろよー!帰れよー!」
と言ったところで帰るわけもなく、4人でカレーを食う羽目に...
短時間で作ったとは思えないほど、来蘭のカレーは美味くて、陽介も優輝も俺もおかわりするほどで、鍋は空っぽになってしまった。
「カレー冷凍しておこうかと思ったけど、なんにもなくなっちゃった。牛丼の方だけ冷凍しとくね」
そう言ってジップロックに牛丼を小分けにしてる来蘭の横で、俺は冷蔵庫から出したミネラルウォーターを飲んでた。
「キッチンに立つ来蘭ってヤバいな...すごいそそる...」
アイツらからは死角なのをいいことに、後ろからぎゅうっと抱きしめた。
「来蘭カレーの匂いがする」
やだと言いながら、来蘭はとても嬉しそうに俺を見上げて笑った。
なんかちょっと俺たちの近い未来が見えた気がした。
「今度裸エプロンして、来蘭」
って言ったら、無言でみぞおちに来蘭の肘が入った...
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