一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった

キミと駆け抜けたアオハルDays
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両思い2

公開日時: 2021年5月30日(日) 14:02
文字数:2,074

〈奏太side〉

カーテンの中、唇を離すと、俺の腕の中で恥ずかしそうにうつむく来蘭を西日が照らした...それがあまりにも美しくて、たまらずにもう一度唇を重ねた...

どれぐらいの時間、そうしていただろうか...

急に照れくさくなって、2人で鼻先を触れ合わせて、ふふふと笑った。

来蘭を駅まで送り、1人で帰る帰り道、さっきのkissを思い出して顔が緩む...

今バイバイしたのにもう会いたい...

でも明日どんな顔して「おはよう」って言おうかな...そんなこと考えてたら、さらに顔が緩んだ。

翌朝もまた、駅まで来蘭を迎えに来ていた。

学校までは自転車で20分、来蘭の乗り降りしている駅を経由してから学校へ向かうと3、40分は早く家を出ないとならないが、そんなのは全然苦じゃない。むしろ駅から学校まで来蘭1人で登校とかさせたくないし!

程なく来蘭の姿が改札口の向こう側に見えてきた。同時に来蘭の後ろにうちの学校の制服を着た男子グループの姿が見えた。今にも来蘭に話しかけようとしてやがる!来蘭早くこっち来いよもう!

「あ、そうちゃん!」

俺に気が付いて改札口を出てきた来蘭の手を引っ張り、ぐいっと肩を抱き寄せながら、後ろの男どもを睨んでやった。

「なんだよ...もう彼氏居るのかよ...入学式で見かけて気になってたのに...」

ヤツらの恨み節が聞こえてきた。

あっぶねー!

あいつも入学式で来蘭に一目惚れしてたのかよ!

神様!来蘭と出席番号1番同士にさせてくれて感謝します!!

気がつくと来蘭が、俺の顔を覗き込んでいた

「どしたの?そうちゃん?」

「どしたの?じゃないから!もうほんとにね!気をつけて来蘭!」

来蘭はきょとんと不思議顔して首を傾げてた。


教室に着いて、1限目の授業の準備をしながら来蘭が言う

「あ、そうだ!そうちゃん!今日、お弁当作って来たからね!」

「マジ?俺の分も作ってきてくれたの?」

「うん!」

時計を見る俺を来蘭が笑う

「お昼まで何時間か数えたでしょ今?」

あまりにもクスクス来蘭が笑うから、ちょっと悔しくなって、来蘭の耳をカプっと噛んでやった。

「きゃっ!」

と小さく漏らして顔を真っ赤にした来蘭にニヤリとしてやった。

「もう!お弁当食べさせてあげないっ!」

と、来蘭が首をプイっとさせると、ガラッと教室の扉が開き、担任の長谷川先生が俺と来蘭を呼んだ

「赤青コンビ!授業で使う資料運んで欲しいから職員室来てくれー」

まだ膨れっ面している来蘭の手を握ると

「ほら、いくぞ?」

と、2人で職員室に向かった。


「来ー蘭!来ー蘭ちゃん?機嫌直してってー」

俺に手を引かれながらも、だだをこねた子供のような顔をしたままの来蘭の機嫌を取りながら2人で廊下を歩いていた。

まだ機嫌を直さない来蘭の耳元に顔を近づけて

「後でチュウしてあげるから♡」

って言ってみたら

「ちょっとそうちゃん!!」

余計怒られた...

職員室に続く渡り廊下を来蘭とギャーギャーやってたら、閉じられた校門を飛び越えて入って来るデカい男が...

ストンと着地すると、遅刻して来てるのに急ぐ様子もなくこっちに向かって来る...

来蘭と2人で声を揃えて

「あ、吉井先輩だ」

と言うと、気だるそうな吉井先輩が俺たちに気がついて

「来蘭ちゃん、そうちゃん、おはよ」

と眠そうに言った。

「遅刻ですよ?先輩?」

と俺が言うと

「いやさー、昨日泊まった女んトコで寝坊しちゃってさぁ...あいつ起こしてくんねぇんだもん...」

とか言ってる...

「チョトナニイッテルカワカンナイデスセンパイ」

と白目で言ってやった...

「来蘭の教育上良くないんで失礼しまーす」

と抑揚なく言うと、来蘭の手を引いて職員室へと急いだ


〈来蘭side〉

「失礼します!」

そうちゃんがピシッと声を出して職員室の扉を開けた。

こうゆう時のそうちゃんはやっぱりなんだかカッコイイし頼りになるんだよなぁ...なんて思いながらそうちゃんの1歩後ろから職員室へ入った。

「おー来たか、赤青コンビ!」

「先生、その赤青コンビっつーのダサいからやめてくださいよー、ってゆーか、いずれは青青になるんですから俺たち!」

とか言ってる...ほんとにもう浮かれポンチもいいとこだ...

「わかった、わかった、いーからこの資料を教室に持って行ってくれ」

先生も呆れてるじゃないのよもぉー

運ぶのを指示された資料は、割と大量だったが、当たり前のように重い方をそうちゃんが持ち、申し訳程度にわたしに持たせて

「行くよ、来蘭」

と言うそうちゃんの後に続いて職員室を後にした。

「重くない?来蘭?大丈夫?」

2人になるとめちゃくちゃ甘い

「全然大丈夫だよ。そうちゃんの方こそ大丈夫?重くない?」

「俺はほら、男の子だからこれくらいなんでもないよ」

「そうゆうとこカッコイイよね、そうちゃん」

「......ほんと来蘭はさ、不意打ちでラブ爆弾投下してくるよね」

「なに?ラブ爆弾って」

とか言いながら2人で笑った。

「ねぇ、今日のお弁当にも玉子焼き入ってる?」

と聞くそうちゃん

「入ってるよ!今日のはすごく上手に焼けたから楽しみにしといて!」

「ちょっともー早弁しよーよー来蘭ー」

「ダメ」







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