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1・皇女サマはお年頃
2・港町の悲喜こもごも
3・次期皇帝として
4・褐色の肌の王子と騎士《ナイト》
5・権力を持つ者、奪おうとする者
6・皇位継承……(最終章)
とある時代のとある大陸に,『レーセル帝国』という大きな国がありました。
皇帝イヴァンが統治していた時代に,とても仲のいい幼なじみの男女三人がいました。デニス,ジョン,そして……皇帝イヴァンの一人娘・リディア。リディアはこの国唯一の皇女であり,次期皇帝でもありました。
成長して十八歳になった三人。リディアは父であるイヴァンが留守の間は立派に城を守り,デニスは彼女に近衛兵として仕え,ジョンも帝国兵になり,帝国一の大剣使いとしてリディア姫に仕えていました。
リディア姫とデニスはお互いに素直になれないものの,惹かれ合っていました。そしてジョンも,リディアに密かな想いを寄せていました……。
主である自分に対して横柄な態度を改めようとしないデニスと,生真面目に忠誠を誓うジョン。果たして,皇女リディアはどちらを未来の夫として選ぶのでしょうか……?