これで、今考えられる最強の布陣が完成!
待ってなさいよ、選手権!
あたしがバイザーをとった瞬間、たまおがたくみをビンタ……した。体育館は、その乾いた音の余韻に包まれている。あたしも次に何をしたらいいのかわからない中で、たくみがマイクをとった。何を言おうというのか。あたしはバイザーを持ったまま聞いた。
「お騒がせしました。ただ、アタイら二人だけでプラモを作ったり見せたりするのがイヤになってきて。それでこんな風に。どんなペナルティでも。お願いします。」
さっ、とお辞儀をして、たくみはもとの場所へ戻った。ペナルティ。そんなんじゃないけど、始める前から考えていたことはあった。
「じゃあさ、ミニ四駆部においでよ。ぶっちゃけさ、どう遊んだっていいんだよ。ミニ四駆なんてさ。でも、あたしはレースで、《ミニ四駆選手権》で走りたい、勝ちたい。でもそれがすべてじゃないし、勝つための方法は早乙女ズのやり方のなかにあるかもしれない。だから、一緒にやろう?」
あたしは両の手を早乙女ズに差し出した。たまおは迷うことなく手を握った。そしてたまお。
「ボクらを許すの?」
「許す?」
不意に投げられたたくみの言葉にとまどったけど、あたしはすぐに言い返した。
「《好き》にいいも悪いもない」
偽らない気持ちだった。
そして、たくみと、かたく握手をかわした。
これで5人。戦いの、《ミニ四駆選手権》への準備はととのった!
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