「いってらっしゃーい!」
「いってきまーす!」
今日は文化祭の1日目。最近は、準備ですごく忙しかったけど、なんとか完成することができた。
「みぃ、連絡先聞かれたらちゃんと断るんだよ?」
「うん。ほくもね。」
「あと、衣装着たまま前かがみにならないでね。」
「うん。」
「あと、階段上るのは俺といるときだけね。」
「はいはい。」
「あと、」
「ほく、うるさいー。」
「心配過ぎて心臓もたない。もう、帰ろ?」
「無理。早く行くよ。」
文化祭1日目。ほくが心配性すぎてうるさい。
「美蘭ちゃん、北斗くんおはようー!早速だけど、着替えてきてもらっていい?」
「はーい!」
朝から、みんな最終確認とかで忙しそう。早く着替えなきゃ。
「ほく、お待たせ。」
いつものように更衣室の前でほくが待っててくれた。
「あーーー。可愛い。本当に可愛い。」
「ありがとう。ほくもかっこいい。」
「俺頑張るから、帰ったらご褒美ちょうだい。」
「はいはい。頑張ろうね。」
すごく褒めてくれるけど、やっぱり嫉妬してるみたい。
「みぃ、空き教室いこ。」
「時間ないよ。」
「一瞬。」
ほくに空き教室に連れてこられた。
「ほく?」
空き教室に着くと、胸元の服を少しめくられた。
「痛っ」
ほくが胸にキスをしたかと思ったら、少しチクッとした。
「ほく、痛いよ。」
「ん。おしまい。」
ほくにキスされたところが赤くなってる。
「なにこれ。赤くなっちゃってる。」
「キスマーク。」
「キスマーク?」
「うん。他の人に見せちゃダメだよ。」
「そうなの?」
「うん。エッチしたってバレちゃうよ。」
「えっ。してないよ。」
「そうだけどね。普通はエッチするときに付けるものなの。」
「そうなんだ。」
「俺は別にそれ見せてもいいけどね。」
「ダメ!」
「はいはい。笑 じゃあ、行こっか。」
口にキスされる。キスマークちゃんと隠せるかな…。
「美蘭ちゃん可愛い!!」
「そうかな?ありがとう!」
「後は髪の毛とメイクだね。北斗くんやってもらっていい?」
「はい。」
ほくに髪の毛のセットとメイクをしてもらう。
「できた。」
「ありがとう。」
「可愛い。」
手際よくメイクとセットが終わった。ツインテールって少し恥ずかしい。
「みぃ、ワックスやって。」
「はーい。」
いつも通りほくにワックスをつける。
「みぃちゃん、ありがとうー。」
「はーい。」
頭を撫でられる。
「もう少しで文化祭始まるので、準備してくださいー!9時から13時までが美蘭ちゃん、結衣ちゃん、北斗くん、寛太くんで、13時から17時までが理沙ちゃん、美香ちゃん、亮太くん、駿くんです!お願いします!」
『はーい!』
今日は午前中接客をする。明日は午後からみたい。
「いらっしゃいませ!」
ぞろぞろお客さんが入ってきた。今日は学校の生徒がお客さんだから少し気が楽だな。
「何名様ですか?」
「4人です!」
「ありがとうございます!あちらの席どうぞー!」
まず男の子4人組を接客した。クラスTシャツを見ると同じ1年生だと分かった。
「ご注文お決まりになりましたら、お声かけくださいー!」
「はーい!」
食べ物のメニューは、パフェ、パンケーキ、タピオカだけど、それ以外にツーショット券、頭ポンポン券、壁ドン券も売ることになっていた…。
「すいませーん!」
「はぁーい!お決まりですか?」
さっきの4人組からメニューを聞く。
「パンケーキ4つと、あとツーショットって指名とかってできるんですか?」
「できます!ツーショットは誰と撮りたいか決めてもらって撮るっていう感じです!」
「じゃあ、4人ともみらんさんで!」
「ありがとうございます!少々お待ちください。」
ネームプレートを見てさっそくツーショットの指名をされた。
「パンケーキ4つお願いしまーす!」
「はーい!」
「美蘭、ストップ」
「ん?」
料理係さんに注文を伝えると、ほくに呼び止められた。
「はい。もう大丈夫。」
「ありがとう。」
「ん。頑張ってね。」
「はぁーい。」
前髪を直してくれた。ほくもかなり忙しそう。
「お待たせしましたー!ツーショット撮りましょう!」
「お願いします!」
4人組とツーショットを撮り終えた。
「あの、連絡先聞いてもいいですか?」
「すみません。連絡先は、交換ダメって言われてて…。」
「そうなんですか…。あ、じゃあSNSはダメですか?」
「あ、それなら大丈夫です!」
「ありがとうございます!」
SNSはクラス展の宣伝用に交換してほしいと、学級委員の理沙ちゃんに言われていたのでSNSのアカウントを教えることにした。
「いらっしゃいませー!」
その後も何人ものお客さんを接客した。
「ツーショットと壁ドンと頭ポンポンで!」
「はーい!ありがとうございます!誰を指名されますか?」
「みらんちゃんで!」
「はい!ありがとうございます!少々お待ちください!」
食べ物以外のメニューを全て注文された。3年生の先輩達みたい。先輩に壁ドンや頭ポンポン恥ずかしすぎる。
「お待たせしました!まずツーショット撮りましょう!」
「はーい!」
ツーショットを撮り終え、次は壁ドン。
「壁ドン失礼します…。」
「おお!やば!ドキドキする!笑」
本当に恥ずかしい。
「やば、みらんちゃん顔赤!笑 可愛い!」
「お前、キモ!笑 みらんちゃんにやられてんじゃん。笑」
「見ないでください。笑 次、頭ポンポンですね!」
「これって、逆でもいいの?」
「え?」
「俺がみらんちゃんの頭ポンポンしてもいい?」
「あ、それでも大丈夫です!」
私がポンポンされることになった。
「ありがとうございます。笑」
「美蘭ちゃん連絡先交換しよーよー!」
「SNSならできます!」
「じゃあ、SNS交換しよー!」
「俺も!」
「ありがとうございます!」
先輩たちはテンションが高くてついていけない…。
ふと、教室を見渡すとほくが壁ドンをしているのが目に入ってしまった。モヤモヤする…。
「美蘭!こっちツーショットきてー!」
「はーい!」
でも、そんなことを気にしている暇がないくらい忙しい。
「お待たせしましたー!パンケーキ4つです!」
「ありがとうございます!あと、ツーショットお願いしていいですか?」
「はい!誰にしますか??」
「ほくとくんで!」
「…はい!分かりました!」
ほくが指名された。
「ほく、ツーショットあそこの席。」
「了解。」
「うん。」
「もう、そんな悲しい顔しないの。笑」
「…はぁーい。」
「嫌なことされてない?連絡先交換してない?」
「されてないよ。連絡先もSNSだけ。」
「ん。いい子。あとで一緒に回ろうね。」
「うん。」
ほくだけなんか余裕な感じ。私はいっぱい嫉妬してるのに。
「ほくとくんかっこいい!」
「ありがとうございます。」
「連絡先交換しよ!」
「すみません。連絡先交換しちゃいけなくて。」
「え、そうなの?じゃあSNSは?」
「やってないです、すみません。」
「ええ。内緒で連絡先教えてよ~。」
「すみません。ツーショットとかできるので、よかったらお願いします。」
ほくが女の先輩方に連絡先を聞かれていた。でも、しっかり断ってて安心した。
「美蘭ちゃん、13時になったから交代ねー!お疲れ様!」
「理沙ちゃん!ありがとうー!午後から頑張ってね!」
「うん!もうクラス展回っていいよ!クラスのボード持って宣伝しながらだけど…!」
「分かった!ありがとう!」
あっという間に13時になって理沙ちゃん達と交代をした。
「美蘭お疲れー!」
「結衣もお疲れ様!めちゃくちゃ忙しかったね…。」
「それね、お客さん止まんない…。」
4時間も接客をしていた…。すごく疲れた。
「寛太、北斗おつかれー!」
「おー!おつかれー!」
「おつかれ。」
「午後からどうする?4人で回る?」
「いいね!回ろー!」
4人で回ることになった。楽しみ。
「まず、ご飯食べに行こー!」
「そうだね!」
韓国料理を出しているクラス展に行った。すごく美味しそう。
「美味しかったね!」
「うん!!」
「じゃあそろそろ他のクラス展いこっか!」
「行く!他のクラス何やってるんだろ??」
「お化け屋敷とか楽しそう。あと、写真館だって。面白そうじゃない?」
「いいね!いっぱい行こ!」
まずはお化け屋敷に行くことになった。怖そうだな…。
「これ2人組だって!」
「じゃあ、結衣行こうぜ!」
「えっ、いいの?」
「うん。俺北斗と2人はやだ。」
「俺もやだ。」
「分かった。笑 じゃあ寛太行こー!」
寛太に誘ってもらえて結衣嬉しいそう。良かった。
「ほく、美蘭達もいこ!」
「うん。」
教室に入っていくと中はすごく暗かった。
ほくが手を繋いでくれた。
「わー!!!!びっくりした!」
ゾンビの仮面を被った人に驚かされてすごくびっくりした。
「ほく怖い。」
「早く出ようか。笑」
「でも、手繋げるからいいね。」
「うん。」
ほくは全然怖がってないみたい。
「はぁー、やっと出れた。怖かった。」
「みぃ面白かった。笑」
「ほく全然怖がってなかったね。」
「うん。みぃの声にびっくりしたわ。」
外に出ると繋いでた手が離れてしまった。少し寂しい。
「美蘭大丈夫だった?笑」
「うん、なんとか…。」
「じゃあ次、写真館いこー!」
「うん!」
次は、写真館をやっているクラス展へ向かう。
「すいません、あの一緒に写真撮ってもらえませんか??」
ほくが同じ学年の女の子達に話しかけられた。
「明日、午後からクラス展でツーショット撮れるのでよかったら来てください。」
「え!そうなんですか!」
「はい。国際学科です。」
「行きます!すみません、邪魔しちゃって。」
ヴァンパイアの衣装を着ているほくは余計かっこいいから、嫉妬ばかりしてしまう。
「北斗だけモテすぎだろ…。俺全然ツーショットお願いされなかったのに。」
「北斗人気すぎたね…。」
「俺、明日美蘭と2人で回っていい?」
「いいぞー。」
「うん!2人で回ってきな!」
「いいの?2人ともありがとう。」
明日はほくと2人で回ることになった。
「いらっしゃいませー!」
写真館に着き、4人でいっぱい写真を撮ってもらう。変顔したり変なポーズしたり、面白すぎる。
「4人とも顔面偏差値めっちゃ高いですね!!美男美女!」
「え!本当ですか!俺かっこいいっすか!」
「寛太うるさい。」
「仲良いですね!笑」
「中学校が同じで!」
「え!同じなんですか!その中学校、顔面偏差値高すぎません?」
「そんなことないですよ!笑」
接客係さんすごく褒めてくれる。笑 嬉しい。
「ありがとうございましたー!また来てください!」
写真館から出た後もたくさんクラス展を回り、あっという間に1日目が終わってしまった。
「みなさん、とりあえず1日目お疲れ様でした!お客さんたくさん来てくれたので、明日もこの調子で頑張りましょう!」
「お疲れ様!」
「帰ろーぜー!」
お客さんいっぱい来てくれたみたいで良かった。明日も頑張ろう。
「ただいまー!」
「おかえり!文化祭どうだった?」
「楽しかったー!」
「よかったわね。明日は、麻美達と文化祭見に行くわね!」
「うん!クラス来てね!」
明日は、一般公開だからママ達も来てくれるみたい。
「みぃ、」
「どうした?」
「こっちきて。」
「うん。」
部屋に行くとベッドの上にいるほくに呼ばれる。
「ほくいい匂い。」
「香水かな。」
「うん。」
いつものほくの匂いがして安心する。
「みぃ、頑張ったね。」
「うん。」
「俺も頑張ったからご褒美ちょうだい。」
「何ほしいの?」
「ちゅー。みぃからして。」
「分かった。」
少し甘えてて可愛い。
「ねぇ、軽すぎ。もっと深いやつがいい。」
「恥ずかしいもん。」
「ダメ。早く。」
「はいはい。」
軽いキスじゃ不満らしくて、深いキスをする。自分からするのすごく恥ずかしいのに。
「んっ。ほく…」
「かわい。」
私からキスしたのに、あっという間に主導権はほくに渡った。
「はあっ、んっ。」
「きもちーね。」
「んっ。」
キスがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。ほくが上手なのかな。
「可愛すぎる。」
「ほく…?」
制服のシャツのボタンを外される。
「ん。ちゃんとついてるね。えらい。」
「何が?」
「キスマ。」
「すごい、全然消えてない。」
キスマーク、すぐ消えると思ってたら、全然消えてなかった。ほくが付けたと思うと少しドキドキする。
「みぃもつけたい。」
「ん。じゃあここら辺につけて。」
「どうやってつければいいの?」
ほくにやり方を教えてもらい付けてみる。
「ヘタクソ。笑」
「難しい。ちょっとしかつかなかった…。」
自分では全然上手に付けられなかった。
「美蘭ちゃんかわいいね」
「もう、からかわないでよ。」
ベッドに寝転びながら、抱きしめてくれる。
「あ、そうだ。宣伝しなきゃ。」
「宣伝?」
「そう。今日SNSでクラス展の宣伝しないといけないの。」
「そうなんだ。」
「どの写真載せようかな。」
「俺のがいい。」
「じゃあ4人で撮ったやつね。」
「うん。」
4人で撮った写真と一緒にクラス展の宣伝をした。
「これ誰?」
「今日、クラス展に来てくれた人たちだと思う。」
SNSに来ていたメッセージを返していると、ほくに聞かれる。
「男?」
「うん、男の子が多いかな。女の子も交換したけど。」
「えぇ。メッセージすぐ終わらせてね。」
「うん、分かった。」
今日でフォロワーがすごく増えちゃったな。なんか変なこと投稿してないよね。
「もう、俺のみぃなのに。」
「うん。ほくのだよ。」
「うん。」
「美蘭もほくが女の子と写真撮ってて嫉妬した。」
「ごめんね。美蘭しか興味ないよ。」
「うん。」
「好きだよ。」
「美蘭も好き。」
ほくが抱きしめながら安心させてくれる。大好きだな。
「みぃ、そろそろ寝よっか。」
「うん。おやすみ。」
「おやすみ。」
寝る前の準備を済ませ、ベッドに入る。ほくがキスをしてくれた。明日も頑張れそう。
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