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猫が大好きな僕は、有象無象が跋扈するなろうで、たまたま、この優しい作品を見つけたんだよね。
僕は殆ど他人の作品には関心を持たないし、仮に持っても交流なんて持とうとしないんだけど、この人にだけはハッキリといった。「書く場所を間違えてますよ」って。相手がどんな人物かも知らないし、どんな気持ちで書いてるかもわからないのに、そう言いたくて仕方がなかったんだ。
そんな僕の気持ちが通じたのか通じてないのかはわからないけど、とにかく、ネコカインはノベリズムでも読めるようになって、僕とスナメリはTwitter上で悪態を付き合う仲になった。さらに言うなら、作者をSFと猫好きのオッサンとばかり思い込んでいた僕は、自分の小説の中でスナメリという名の爺キャラを出して楽しんでいる。勿論、本人の許可を得るなんて『無粋』な真似はしていない。
どんな作品かを伝える気持ちは、あまりないんだ。分かんない奴には、何言っても分かんない作品だと思うし。もっと認められて欲しいという気持ちと、このままずっと僕の宝物でいて欲しいっていう気持ちが、どっちもあるしね。
人間嫌いで、猫ばかりを信じて、他人になんてまるで関心のなかった僕が、ほんのちょっとだけ「他人に絡んでみようかな」って思わされた作品。それだけで、伝わる人間には十分伝わると思うんだよ。
まず、作者さんはハインラインがお好きなのかな?と感じました。
柔らかで丁寧に説明されていく西暦3020年の世界は、設定は荒唐無稽に見えて、全く荒唐無稽さを感じさせない丁寧な説得力ですんなりと頭に入って来ます。
柔らかいようで歴史などの背景はハインラインの一連のSFを思わせるしっかりした設定で組まれており、等身大の主人公の柔らかな語り口と、しばしば出てくる『西暦3020年ごろの火星での表現』が物語によく合うとともに、読んでいる側も自然に引き込まれつつ続きや全容が気になって行く仕掛けです。
派手なSFの多いweb小説界隈にあって、こんな柔らかでしっかりしたSFに出会えたのは幸運の一つかなと思います。
引き続き読ませていただきますが、とてもおススメですね。