番外編4 ハジメテ R18
「話すと長くなるから身体に直接教えてやろう」
そう言って最愛は僕に口付けを降らす。
まるで「大丈夫だ」と言うようなそれはとても安心出来て、気持ちよかった。
「……あ、」
「春樹さん??」
春樹さんはまたガシガシと乱暴に頭を掻きむしり「やっべー、忘れてた……」と項垂れる。
最愛ははぁ、と残念そうに短くため息を吐き、でも、何かを閃いて意地悪く笑う。
「……洵、今日は最後までしてやれないから口でしてやるよ」
「え??」
僕は最初その意味が分からなかった。
でも、春樹さんはだんだん、下の方に降りていく。
そして、僕のジーンズのベルトに手をかけて、僕はようやく意味を理解する。慌てた。
「は、春樹さん?!」
「んー??」
僕の慌てる姿を片目で見ながら彼女は行為をやめない。
僕は自身の手で持って彼女を静止しようとするけど、「はい、大人しくなー」と払われて意味が無い。
彼女はとうとう僕の反り勃った自身を布から取り出してしまう。
「あー……もうホント、もう……」
「……意外にデカイな」
「……もう死にたい」
「はいはい、私が殺してやんよ」
「なにっ……んっ、……っ」
最愛は僕の自身を、いやらしく舐める。
袋を揉みながら、甘い声を漏らしながら、一心不乱に、僕を試すように見ながら、しゃぶる。
その姿が官能的で、扇情的で、挑戦的で、僕の自身が春樹さんの咥内で激しく膨張する。
「……んっ、ぁっ……くっ……」
「……ふふっ、じゅっ」
「……っ……」
僕の自身を美味しそうにしゃぶるその姿に、愛おしさが募る。
あの、春樹さんが、僕のを……。
僕は快楽に耐える。眉間に皺を寄せ、歯を食いしばって。誰にもそんな事教えられていないのに、ハジメテの快楽にただひたすら耐えた。
春樹さんの奇抜な髪を撫でる。つい、撫でた。
すると彼女は嬉しそうに目を細める。
ああ、可愛い。
「はっ……ぅぁっ……も、ダメ、ダメです……はる、はるき、さ、もう、もう離し、て、」
「んーん」
「やーだ」彼女は笑った。
そして、激しくまた出し入れする。
「ぁっ……も、も、ダメで、はる、さ、ダメ……クる……クるか、あっ、あっ、あっ、あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
視界がスパークする。
そして、脱力。
僕は最愛の口の中にだらしなく果てた。
ーんぐっ、ごくん……
僕は視界の端で最愛の喉が上下したのを見て、困惑した。
「え、飲ん、飲んだんですか?!!」
「けほっ、うん」
「なんで、え、だって、え、あれは、」
困惑している僕に最愛は意地悪く、いやらしく、妖艶すぎる笑みを浮かべる。
耳元で、「美味かったよ、お前のせーえき」と低音で囁いた。
くらくら。目眩がする。
僕はとんでもない人を好きになったのかもしれない。
「……私も濡れてるけど、アレないしな」
「アレ?」
「え、ゴム。コンドーム。避妊具」
さすがに生はまずいよなー。でも、あー!!ムズムズする!!春樹さんは色っぽく悶える。
僕は、申し訳なさげに、言う。
「……あの、避妊具なら」
僕はベッドの引き出しから、あの時雅さんに貰った避妊具を取り出す。
春樹さんは愉快なおもちゃを見つけた子どものように楽しそうに笑い、僕に絡みつく。
「なーんでこんなん持ってんの?洵くんのえっち」
「ちが、これは雅さんが、その、引越しの日に……」
雅さんの名前が出た途端、苦虫を噛み潰したような顔をする彼女。
その豹変ぶりすら、可愛いと思う僕は、末期だ。
「……あのバカップル絶対踏み潰す」
「……え、何をですか」
何かは聞いては行けない気がする。
春樹さんはふと笑うと、こてんと、僕の肩に頭を預けた。
そして、ぽつりぽつりと話し出す。
「……雅は私がお前を好きだって知ってたんだ。秋斗から聞いて。私は秋斗にも言ってなかった。この恋は言っちゃいけないって思ってたから。でも、私たちは双子だからなんでも分かる。気付かれてた。それにアイツらには秘密なんて皆無だ。泪にも私が洵を好きだって気づかれてるし、ああ、もう、最悪」
「……だから2人は僕に色々言ってきたんですね」
「……お節介バカップルマジ潰す」
「……潰しちゃダメです」
僕達は笑った。
前みたいに。
前より親密なそれで見つめあって、キスをする。
「あ、お前の舐めた口だったわ」
「……いいです。もっとキスしたい。もっとキスしてください」
「可愛い。洵可愛い。好き。可愛い」
「……んっ、ふっ……」
はぁっ……んっ、ふっ……。
深い口付けから、吐息が漏れて、僕はまた少し勃ち上がる。
さっき、恥ずかしくて咄嗟に下着を上げたから、また布越しにそれは膨張を始める。
そんな事を知ってか知らずか、春樹さんは自分の、少し小ぶりなその胸に僕の手を導く。
「……っん……」
「……はるき、さ、」
「……小さくて、ん、悪かった、な……ぁっ」
座った僕に覆い被さるように膝立ちし、僕を見下ろす最愛。
必死に僕の手で自分の胸を、虐めて、喘ぐ。
「……ぁっ、はっ、んっっ、ぅあっ……」
「……はるき、さん」
僕は、どうすればいいですか?
その問いに少し虚ろな目で、
抓って、揉んで、虐めて、舐めて、吸って……
と切なく答える。
僕は言われた通りに抓って、揉んで、虐めて、舐めて、吸う。繰り返し、繰り返し。繰り返し。
「ひっ、あっ、あっ、や、らめっ、じゅん、じゅ、じゅんっ、らめっ、ひっ、あっ、あぁっっっっ!!」
くんっ……少し、彼女の背が反り、その後、少し、脱力する。
僕に身体を預ける。
はあ、はあ、と彼女の息が荒い。
もしかして、
「イッたんですか?」
「っ!!うっせぇ!!」
「いった!!」
真っ赤に染まった顔で殴られても痛くない。
照れ隠しなのが丸わかりだよ。
ああ、可愛い。
可愛い。僕の春樹さん。
「……もう、バカ」
「……春樹さん」
「……うっさいバカ」
「……はるきさん」
「んっ……」
僕は下から春樹さんの可愛い唇を奪う。
さっきまでと違い、口付けに遠慮が見えた。
ちょっと、戸惑っているようなそれは、たぶんこの後のことに身構えているのかもしれない。
初めて、なんだよね?
……一応。
「……はるきさん、次はどうすればいい?」
「……ふ、ぁっ……自分で、考えろ……」
「……わかんないよ。僕は初めてだから」
春樹さんを気持ちよくしたいから、教えて??
どれだけ僕を好きか、教えてくれるんでしょう??
僕は耳元で囁いた。
すると春樹さんはピクリと身体を震わせ、観念したように自分でダメージジーンズを脱いで、濡れた下着も脱いで、真っ裸になる。
「……じゅん……」
ごくり……
虚ろな目で僕を呼ぶその姿は刺激的で、僕の自身がまた布越しに膨張した。
僕は喉を鳴らした。
「……ここ……触って……」
春樹さんは自分の濡れたそこにまた僕の手を導く。
そこに触れると、ぐしょぐしょに濡れていて、僕はまたごくりと喉を鳴らした。
「……濡れてる。凄く。凄い」
「んあっ……ひぁっ、あ、あ、あ、」
僕はそこの突起部をくにくにといじり倒す。
その動作に連動して最愛は快楽に喘ぐ。
だめ、やら、らめ、と舌足らずに喘ぐから、僕は意地悪がしたくなって、じゃあ、止める?と聞く。
「やら、やめな、で……ね、ナカ、も……」
切れ長の瞳に涙を溜めて懇願する彼女に僕は何かが芽生えてしまいそうだった。
だらしなく口が開いている。僕はその薄い唇に噛み付く。舌が絡まる。ナカに入った指に絡みつく。キツく、キツく。
「……指、おれそう」
「……ん、おれねー、よ、バカ」
春樹さんは僕にしがみつく。
僕の髪をかき抱く。少し、痛い。
僕はキツいナカを解したくて必死に指を動かした。
「あっ、はぁ、んんっ、ふっ、ああっ……」
春樹さんが僕にしがみつくとちょうどその小ぶりな胸が、胸の突起が目の前で上下する。
ああ、たまらない。
僕はたまらなくてその突起を吸い上げる。
「ひゃあああっ!?あっ、だめ、や、や、や、あっっっ!!」
僕も限界が近い。
早く入れたい。
春樹さんのナカに入れて果てたい。
でも、痛いかな……。
まだ、無理かな……。
僕はどうすればいいか、分からない。
すると春樹さんは「……つらい?」と聞いてくる。
「……うん、もう、入りたい」と答えると春樹さんは僕に優しくキスをして、「ちょっと、指、抜いて」と懇願した。僕は指を抜く。
くちゅり……水音がいやらしく響く。
春樹さんは息を荒らげながら避妊具を取り、物体をパッケージから取り出す。
そして、もう完全に勃ち上がった僕のそれに優しく付ける。
「……どこで、覚えたんですか??」
「んっ……秋斗が持ってた、AV」
それは普通のなのかそれともそういう奴なのか僕の知るところではないけど、罪なことをしてくれた。
もう僕はいっぱいいっぱいだよ。
「……お前を想って、ヌいたこともあるよ」
「……え、」
また妖艶すぎる笑みを浮かべて僕にキスをする。
「……ね、じゅん……」
「……いいですか?」
「……ん、」
僕は春樹さんの入口に自身を宛てがう。
少しずつ、遠慮がちに腰が降りてくる。
ナカに、侵入する。
「っっっ!!!」
「は、くっ、はるき、さ、」
ナカがキツい。
持っていかれそうだと思った。
春樹さんは涙を流しながら歯を食いしばる。
僕の背中にも痛みが走った。
「……いた、い?」
「……へー、き、だい、じょ、ぶ。……んっ、ふっっっ……」
痛がる春樹さんを僕はどうしたらいいかわからない。
生憎あまりそういうものに触れてこなかったからだ。
でも、1つ、解決法がある気がした。
さっき、胸に触ると、彼女は異常に反応した。凄く喘いだ。酷く、喘いだ。
僕は、藁にもすがる思いで最愛の胸に手を伸ばす。
「っ?!!!ちょ、まっ、ば、ばか、あっっ、やだ、やぁっっ!!!」
「……気持ちいい、ですか??」
「……うっさい、ばか、ふぁっあっ、んっ、んっ、ひっ、あっ、ぁあっ、」
「……よかった」
僕は胸をいじり倒しながら、ナカに進んでいき、とうとう、全てが入りきる。
「……はー、はー、はー……」
「……っ……」
最愛は息を吐き、僕は息を詰まらせる。
最愛は僕にまたしがみつく。
「……おまえの、デカイんだよ」
「……すみません??」
「……バカ」
まだ動くなと言われ、僕は仕方なしに言う通りにする。
でも、動きたい。つらい。
イッてしまいたい。
そしてしばらく動かないまま抱き合って、春樹さんは僕に口付けする。
「……つらい?」
「……多少は」
「……動いていいよ」
「……大丈夫ですか?」
「……お前が動かないなら私が動く」
「え、ちょっ、」
春樹さんは急に腰を激しく動かす。
その急な動作に、僕はもうわけがわからなくなっていた。
「あ''っ、あっっっ!!はる、はるきさ、んっっっ!!ダメ、ダメ、ムリ、あっっっ、くっ、ん"っっ!!」
「はぁっ、あっ、あっ、ひぃん、ぐ、んっ、じゅん、じゅ、じゅ、んっっ!!!ああっ!!」
僕達は激しくピストンを繰り返す。
まるでケモノのように本能のままに、お互いを求め合う。
ベッドのスプリングがギシギシと軋む。
訳が分からない。
お互いを貪りあう。
ああ、もう、
「らめっ、じゅ、じゅん、やら、らめっっ、も、ムリ、ダメ、クるっっっ」
「ぼ、くも、ダメ、一緒に、はるき、さ、一緒に」
「あっあっ、ひ、あっ、あ、あ、あぁぁああっ!!!」
「……くっ、ん、はっ……あっ、あああああっ!!!」
春樹さんが果てる際に僕をキツく締め付け、僕はそれで、果てた。
「……あー……身体がだるい」
「1回くらいで若けぇのにだらしねぇぞ!!俺の何コ下だよ!って、ん?俺犯罪者じゃね?未成年食っちゃったよ……」
事後。
僕は春樹さんのベッドにうつ伏して倒れ込み、春樹さんはその隣で僕のシャツを嬉しそうに着ながらちょっと待てよ……と頭を抱える。
「……年齢とか、関係ないですよ」
「……好きだから?」
「……」
僕はまだうつ伏したまま。
赤い顔を見られないようにしている。
最愛は楽しそうに、僕の上に乗る。
「……ぐぇ」
「……てめ、そんなに重くねぇわ!!」
「いった、叩かないで下さい!!DVだ……」
「……そんなDV女を好きなのは誰だよ」
「……僕」
「せーかい」
僕は春樹さんを振り返る。
そうすれば彼女がキスをしてくれると思ったから。
僕達はまた、深く口付けあい、
第2ラウンドを致して眠りについた。
ー番外編 ENDー
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