(実質)異世界みたいなメタバースで行方不明の姉を探しちゃダメですか!?

雲母星人
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第60話『(本当)異世界みたいなメタバースで姉の仕事を手伝っちゃダメですか!?』

公開日時: 2022年5月10日(火) 00:00
更新日時: 2022年7月28日(木) 23:33
文字数:2,017

【某国某所 "協会"本部】






≪――おかえり、『レティ』の可愛い可愛いオトメちゃん♥ どうだったぁ? 例のミカちゃんとの初デートぉ♥≫



≪アハッ♥ そんな顔しないでくださーい♥ あの社長ちゃんに腕持ってかれちゃったくらいで怒るなんてぇ、

メンタルザコザコ過ぎまーす♥ ざぁこ過ぎー♥ 仮想現実で良かったね♥ 現実だったら怖い事になってたよ~≫



≪あっ? 怒った? 怒った顔も可愛いよ♥ そ・れ・よ・り~。ちゃんと取得したデータを抽出して提出してね♥ 

フィードバックに必要なんだから♥≫



≪――……うんうん♥ これこれ~レティちゃんが欲しかったヤツ~。やっぱりあの社長ちゃんのバトルアバに

【シード】の痕跡残ってたね~レティちゃんの明晰な頭脳♥ 優秀過ぎ♥ アハッ♥ 

努力する天才でごめんなさーい♥ 一枚どころか二枚上手でーす♥≫



≪一先ず当面の"オモチャ"は揃ったしぃ~それでは~オトメちゃんは暫く休憩ね♥ 休んで良し~≫



≪アハッ♥ すっごい不満げな顔♥ でもだぁ~め♥ 百"匹"斬りしてきたみたいだしちゃんと検査受けてね♥ 

ざぁ~この人間が無理しちゃダメだよ♥ 弱いんだから♥≫



≪そんなに嫌なら"母親"権限で休むことを命令しちゃいま~す♥ 残念ですけど逆らえませ~ん♥≫




≪そんな渋い顔しないの♥ ちゃんとオトメちゃんのお仕事はまたあるんだからさぁ~。

どうせこれから幾らでも戦えるよ♥ 嫌でもね♥ アハッ♥≫




≪――それじゃ始めよっか♥ 副会長のレティちゃんが命じちゃいまーす♥ みんな動き出してくださーい♥

 協会の崇高なる目的のために仕事しちゃってくださーい♥ あっ! そこの嫌な顔した雑魚エージェントちゃん~。

面倒な任務押し付けちゃいまーす♥ 今すぐ北米デルフォニウムへ買収工作仕掛けて来てくださーい♥ ダメぇ♥ 

もう決定事項で~す、キャハッ♥ 資金は一杯プールしてあげるから頑張ってね♥≫



≪さぁ……この世界のトゥルーエンドを目指して頑張って行っくよー♥ モットー思い出してね♥ 

【艱難辛苦の道にこそ真実あり】♥ はい復唱~♪ 声に張りが無いよぉ? エージェントちゃんたちぃ♥≫




≪アハハッ♥ 楽しくなって来ちゃったぁ♥ ぜんぶ、ぜぇんぶ! レティちゃんの掌の上なんだから……♥ 

抵抗は無意味だよ――キャハハハッ!≫











 ――第二部【(本当)異世界みたいなメタバースで姉の仕事を手伝っちゃダメですか!?】。







「お前、何時までそうやって定職に就かず遊んでるつもりだ?」




「願いを叶えるアバ……? なんですか、それ?」



「ウチが浪速のスナイパー楓や! バァンッ! とミカちゃんのど頭撃ち抜いたるっ!」



「来い! 二式重蒸気動空中要塞【荒山】!」



「よぉう……灰色犬。ちょっとこのパン咥えてその角に突っ込め」



「全く……相変わらず駄犬なようですね」



「おバカ――またの機会にね……ミカ」



「それが本当にお前の願いなら叶えてやる、ガザニア! だけど――違うだろっ!」



「ざぁこざぁこ株式だったからぁ……【協会】が攻撃的買収しちゃいまーした♥」



「海中へ攻撃出来るもんならしてみなっ! シャーシャシャシャッ!」



「その通り。彼らこそが人類が初めて接触した――自分たちと同等或いはそれ以上の知性を持つ存在、量子生命体『アヴァター』……」



「ミカさんに憧れて――そ、その……僕もバトルアバやってみたいって思ったんです……ダ、ダメ……でしょう……か?」



「今こそ練習の成果を見せます! ――フォートレス・イグニッション!」



「ほーん。四匹の獣モチーフの戦士だから四獣士ねぇ。ちょっと安直だし、子供っぽくねえかぁ?」



最高司令官シュプリーム・コマンダーってとこかしらね。二つ名を付けるなら」



「ヤツのコアを……直接ぶち抜くまでです! ――【蓮華爪】!」



「おい! 山羊女! 全力で歌え! アイドル生命賭けろ!」



「俺は納得がしたいんだよ、姉さん! ガキじゃないんだ! 与えられたとは言えこんな力を持った以上

自分が戦わなきゃいけないことくらいは分かる。でもそれとこれは別だよ! 

理解するのと納得するのは別なんだ! せめて俺は――彼らを殺す事に納得が……したいんだ……」



「ヒグマだぁあああああ!!」



「ホンマに大丈夫かぁ? ミカちゃんが行くっていうところグロ鯖じゃろ?」



「パワーリソースマックス! 来て! ボクの【ギガベアブレード】!!」



「お、お前!? 生涯童貞を貫く言うとったやん!? しかも孫とかやなくて娘ぇ!? 何歳の時にこさえたんや!?」



「ゆーり~先輩! 嫌だけど! ホントは嫌だけど! 今だけは――あたしもアイドルらしく歌ってやる! 合わせて!」



「肉纏いよ。抵抗して見せろ。そしてこのギ・ロの……宿願を満たせ」



「結局我らも血が通わないだけで生物なのじゃ。生きようという思いが強い以上――

そこに戦いが生じるのは仕方のない話なのかもしれんのう」



「こんな私でも……まだ姉と慕ってくれるか?」



【BATTLE ABA MIKA AND GAZANIA UNITE】



「強攻形態で突っ込みます!! もうそれしか方法がありません!!」



「願いには代償があるんだよ――犬のお兄ちゃん」



 ――予定は未定。




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