本作は誰もが知っている文学作品のオマージュですが、原作の要素を残しつつ、現代の闇を交えてアレンジされています。
本作最大の要素は、『主人公が生きるのが下手すぎる』ということです。原作の主人公にもその要素がありましたが、本作ではさらに強調されています。そしてその『生きるのが下手』という要素が、彼の短所であり長所でもあります。
真面目一辺倒に生きるメロスくんは、たしかに愚かかもしれません。ですが真面目に生きることができずにずる賢く立ち回る人間にとっては、彼はとても眩しく見えるのではないでしょうか。そう考えさせられました。