【完結】クライカコ(丁度、文庫本一冊位の文章量です♪)

お互いの意思が通じ合っていても、必ず上手く行くとは限らないのが【恋愛】
殴り書き書店
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苛めをする暇があるなら、勉強でもしなさい

公開日時: 2021年9月12日(日) 00:20
文字数:2,770

●前回のおさらい●

クラスでの苛めの主犯格である掛川一味を追い詰めていく歩美。


掛川の取り巻きである『ミサミサ』と『姫』を上手く撃退した歩美は、最後の締めに、掛川の机を叩きながら詰め寄っていく。

うわっ、信じられない。

『ダンッ!!』って机を叩いたら、メッチャ埃舞ったよ。


それに、この子、絶対、毎日、風呂入ってないんじゃないの?


なんか、どこがどうって訳じゃないんだけど、なんか微妙に汚いよぉ。


いやだなぁ。


話、早く終わらそっ……なんか臭いし。



「ねぇ、掛川さん。これだけ証拠が有っても、まだ自分じゃないって言うの?お友達は認めちゃったよ」

「私……私は知らない!!証拠だってないでしょ!!」

「ふ~~ん」


あぁ~あっ『私は』なんて言って、とうとう友達見捨てたよ、この人。


それにねぇ、アンタ、相当な馬鹿だから、ハッキリ言うけどね。

私を、そこら辺の『苛められるだけの子』と一緒にして貰っちゃあ困るなぁ。


私は『虐め対策』にかけたら、もぅプロの域だよ。


そんな私が、まずにしてアッサリと机に書かれた証拠を、全部消すとでも思ってるの?


どんなお人好しよ……それ。


私は威嚇をする為に『キミっち』の机の脚を『ガンガン』っと蹴り始めた。



「証拠……無いと思ってるの?」


満面の笑みで答えてあげた。



「そんなのしてないんだから、有る訳が無いでしょ!!」

「アンタこそ、なに言ってんのかなぁ?そんなの全部有るに決まってるじゃん」


更に、先程より強く机の足を蹴る。



「なっ、何よ!!何が有るって言うのよ!!ホントは、なにもないくせに」

「朝、私が落書き消す前に『写メ』撮ってんだけど……見る?これって、アンタの絵じゃないの?」


落書きを、携帯の待ち受けにしていた私は『キミっち』の目の前数センチまで出す。



「知らない、知らない。知らないわよ」

「ねぇ、ほんとに知らないのぉ?」


今度は『キミっち』の顔にグリグリと携帯を思い切り押し当てて、さらに尋問を続ける。


……って、あっ!!しまった!!

こんな事したら、私の大切な携帯が『キミっち油』でベットリになってるかも……


可哀想な私の携帯、後で、ちゃんと洗ってあげるからね。



「ねぇ……ねぇ……」

「しっ、知らないって言ってるでしょ!!」

「あぁ~そぉ、まだそんな事を言うんだ。じゃあさぁ、ちょっと、これ、借りるね」

「あっ!!」


私は、不意に『キミっち』の机に置いてあるノートを奪い取った。


大体『腐女子』の子って、自分のノートに『妄想』をぶつけて落書きしてるでしょ。


絶対、明確な証拠になる物が、何か描いてる筈。



「やっ、やめて!!やめてよぉ」

「……ププッ」


無視してノートをペラペラと捲る。


書かれているものは、中学生にしては、そこそこ上手い美形男子の絵。


その美形キャラに付随する、何が何か訳が解らない事細かな設定。

そんなものが、所狭しとノートいっぱいに描かれてる。


アンタ等……ちょっとは勉強したら?


マジで馬鹿になるよ。


それにさぁ、なに、この幼稚な設定?

『xさhdh星の王子様』って、そんなの絶対に居ないって……


夢見るのは良いけど、ほんとアンタ等、年幾つよ?


・・・・・・


うわっ、これは凄っ!!

コイツ等って、普段から、こんな事ばっかり考えてんだ。


これを見たら、さっきの幼稚な物の方が、幾らかまっしに見える。


男同士が裸で……その……Hしてるのよ。

しかも、その男ってのが『影山』と『龍斗』らしき人物……


うわ~~~、嫌だなぁ、これ。


影山にHされて、龍斗の奴、かなり気持ち良さそうに喘いでるよ……流石に、これはキツイ。


にしても、誰よ、これ?

影山は、奈々の彼氏だから良いとして。

龍斗は、そんなにキラキラした『美形』じゃないと思うんだけど。


そんな中、私はノートの最後ら辺で『淫乱牛チチ』を発見。


見事なまでに、完璧に下書きされてる。

しかも、恒例の設定付きで……


まさかとは思っって見たんだけど、証拠……残ってるよ『キミっち』


こんな落書きにすら、完璧を求める『腐女子』って、一体なんなんだろうか?



「なぁ~にかなぁ~、これ?」


『キミっち』のオゾマシイ妄想が書かれたデスノートで、ペシペシと彼女の頭を叩く。



「……」

「黙ってちゃ解んないでしょ……謝らないと、此処で、みんなに、これを見せて『虐め』るよぉ。きっとさぁ、みんな、アンタが私より『ブス』だから、容赦なく虐めるよぉ」


頭を叩きながら、彼女の耳元で、そう呟く。


『ブス』の子って、必ず小学生の間に1度は理由なく虐められてる筈。

だから、この一言は、彼女にとってはトラウマにスイッチが入って、また虐められる恐怖が蘇って来るから、かなり怖い筈。


んっ?


じゃあ、なんで私は平気かって?


そりゃあ、いつも傍に龍斗いるも~ん!!


さぁ~てさて、守ってくれる人がいない(仮)『キミっち』は、どうするのかなぁ~?


逆ギレ?

それとも自白して謝る?


別に私は、どっちでも良いけどね。



「……ごっ、ごめんなさい」


はぁ~、良かった。

意外な程に、素直に謝ってくれた。


流石に此処まで証拠を挙げられて、逆ギレなんかされたら、私も多分、許さなかっただろうな。



「良いよ」


でも、謝ってくれた以上。

それ以上、彼女を追い込む意味はない。


『窮鼠猫を噛む』なんて諺がある位だからね。

下手に刺激して、噛まれたら堪ったもんじゃない。


私は猫顔だから猫だし、掛川一味は全員汚いから鼠。

これで噛みつかれた日にゃ、諺通りになっちゃうよぉ。


それに『ペスト』怖いし。


だから、もぅ許す!!


それに結局、あの馬鹿が好きだから、こんな事になったんだし、彼氏の責任は、彼女の責任でも有る訳さ。



「あんな酷い事したのに許してくれるの?」

「うん。もぅ良いよ。終わった事を愚痴愚痴と言うの好きじゃないし、ネチネチするのは、もっと嫌。だから、もうこの話は、お仕舞い……でも、ほんとに、もう辞めてね」

「うん、もう絶対しない」

「私も……ごめんなさい。もうしません」

「私も……」

「良いの、良いの。私も、結構、酷い事を言ったし。私も謝るね……ごめんね」

「……謝らなくても」

「でも、このノートは没収ね。……彼氏を、こんな風に描かれるのは、流石に不快。龍斗はホモじゃないからね」

「「「えぇえぇぇええぇぇぇ~~~~ッ!!」」」


まぁそんな感じで、教室内での虐めは万事上手く纏まった訳さ。


いやいや、此処だけでも、こんなに早く『虐め』解決するなんて初めてだよ。


ほんとほんと、相手がまだ言葉を解ってくれて、ホント良かった。


***


 なんて思っていたのも束の間。

放課後、奈々は、家の用事が有るとかで部活はサポタージュ。


私1人で、相変わらず、容赦のないキツイ部活が終わって、安心して、上靴を履き替え様として、靴箱を空けたら……



『もわ~~~~ん。もわ~ん。もわん……』な訳よ。


しかも、しかもだよ!!

信じられない事に。

私が、この世で一番嫌いな食材である『納豆』をローファーの中に、これ見よがしに、満タン入れられてる訳よ。


更に親切な事に『ねぎ』『からし』『醤油』まで山盛りにかけられて……



はぁ~、もぅ嫌だぁ~。


これを私に、どうしろって言うのよ?


『食べろ』とでも言いたい訳?


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