【完結】クライカコ(丁度、文庫本一冊位の文章量です♪)

お互いの意思が通じ合っていても、必ず上手く行くとは限らないのが【恋愛】
殴り書き書店
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虐め終われど、試練は終わらず

公開日時: 2021年9月16日(木) 00:20
文字数:2,134

 04月30日 AM7:35 歩美の部屋


 うぅ、体が重い……意識はハッキリと覚めているにも関わらず、思った様に体が動いてくれない。


そんな風に私は、現在、ただ布団から起き上がると言うだけの事に『悪戦苦闘』している。


これだけを聞けば『いい若い者が何を言ってんだ?』とか、年配の方に言われそうだけど、体の疲れの蓄積には、老いも、若いも関係ない。

歳が幾つであろうと、疲れて動かない体は、何をどうやっても動かない。


それが人体の構造ってもんですよ。


それでも今日だけは、無理してでも動かさない訳には行かないのさ!!


理由は、簡単、久しぶりに朝から学校に行けるんだから、何としても行かなきゃ!!

疲れなんて言って、日和ってる場合じゃない!!


んっ?何をそんなに大袈裟に、たかが女子中学生が疲れてるのかって?


ほら、あれよ、あれ。

去年、龍斗に言われて、冷やかしで参加した『国民性豊かな美少女コンテスト』

アレのせいで、今、私は、自分自身でも想像もしなかった様な、とんでもない事に陥ってる。


龍斗の馬鹿が、あのコンテストで、何をやったのかは知らないけど。

初めっから『書類選考落ち』の予定でいた私が、どう言う訳か『準優勝』


んで、急遽芸能界デビュー決定したのよ。


そして、それが切欠になって、自分でも、何とも似合わないなって思う『アイドル』なんて仕事を、する羽目になった訳。


んで、どうせ、私なんかが芸能人をやっても。

直ぐに、鳴かず飛ばずで消えるだろうと思って、気楽な気持ちで、このアイドルと言う職業を引き受けたんだけど。


そこで、更に困った事が発生する。

何故か、直ぐに仕事入って来て、それ以降は異常なまでに忙しい毎日。


龍斗に嘘を言った罰なのかもしれないんだけど……私の本来の目的は、あ・く・ま・で、あの馬鹿と一緒に居る時間を増やす事が、当初の目的であって、決っして!!本気で『アイドル』を目指してた訳じゃないんだよね。


それをさっ。

アイツったら、私のそんな『ピュアな気持ち』も知らないで。

本気でアイドルが『私の夢』と思い込んだのか、そこから更に、なにやら良からぬ裏工作をしはじめた。


―――たしかにさぁ、この辺は、ほんと大事にされて嬉しいんだけどさぁ。


自分が嘘を付いて事が原因になって起こった現状なだけに、かなり複雑な心境な訳よ。


まぁそれがさっ。

何を間違ったのか、全て、その龍斗の計画が上手く行ってしまったもんだから。

これまた大変な事に、私は非情なスケジュールを事務所に作られ、仕事に追われる日々。


これが今、私が異常に疲れる元となった原因な訳さ。


でもね。

この話は、それだけの終わらず、そこからまだ続くのよ。


その私の他力本願な成功(龍斗のお陰)を、佐伯さんと、龍斗のお父さんが、面白がって各メディアに情報をリーク。


今では私だけじゃなく、龍斗の馬鹿も『暗躍する天才敏腕スタイリストは現役中学生』なんて、変なキャッチフレーズを付けられて。

それ以来、義務教育の中学生にも拘らず、私以上に、年がら年中、休む暇も無く働かされている始末。


んで、お互い時間が全然取れなくなって。

今では、仕事の現場で、ちょこっと顔を合わす程度。


殆ど逢えなくなってしまっっている状況。


折角、念願叶って龍斗と付き合ってるのに、この有様。


ストレス溜まるつぅ~の!!


あぁもぅ!!直ぐにでも龍斗に逢いたいよぉ~~~。


そんな訳で、体に引き続き、簡単に精神的にも病んでいく私。


そんなんだから、久しぶりの完全OFFのこの2日間の内。

明日は祝日だけど、今日だけは、せめて今日だけは、どんなに疲れて体が動かなくても、学校に行きたいのさ。


匍匐前進だろうが、這ってでもアイツの家まで行って。

アイツの自転車の後ろに乗って、ラブラブの2人で通学したいのさ。


……まぁ当然、最低条件として、アイツが仕事じゃなきゃ良いんだけどね。


はぁぁぁぁぁ~~~、アイツも忙しいもんなぁ。


はぁぁぁぁぁ~~~、もぉこんな生活辛いよぉ~~~。



そんな文句ばっかり言いながらも『執念』で、疲れ果てた重たい体をどうにかこうにか動かす。


―――ダルッ!!


はぁ~、もぅアイドルなんか、直ぐにでも辞めたいよぉ。


学校の陸上部の方が100倍ぐらい楽じゃん。

……等と、更なる文句を言いながら、ノタノタと着替えて登校する。


***


「いっ……行ってきま~す」

「はい、いってらっしゃい」


元気が全くない声を出しながら、ヘロヘロと玄関のドアを開けて出ていく。


多分、今の私の顔は、ファンの人が見たらドン引きする位、かなり酷い事になってるんだろうな……。


……でも、私は行くのさ!!

どうしても、アイツに言いたい事もあるし……


……絶対行く!!


それだけでも、最低限度伝えたいから……


……何が何でも行く!!


何をそこまで執念深く固執してるかって、言うと、さっきの話はさて置き、明日は、私のバースディなのさ。


だから、何としても誕生日会には、あの馬鹿にだけは来て欲しい訳さ。


多分アイツはイチイチそんな事を言わなくても、私の誕生日位は憶えてると思うんだけどね。


んでさぁ。

アイツったら、私の欲しい物をズバリ当てちゃったりするんだろうな。


……へへぇ~~~、幸せだよぉ。


っと、直ぐに自分勝手に良い方向に妄想して、外に出るにも拘らず意味も無くニヤける。



そんな時に……


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